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第二章 ポポとのほほん旅立ち
第15話: 魔力石をリンダムのギルドに持っていく
しおりを挟むフィオたちは祠で手に入れた青い魔力石を慎重に包み、リンダムの町へと戻る道を進んでいた。石はほんのりと暖かく、彼女の手の中でかすかに光を放っている。その美しさと未知の力に、フィオは興奮と少しの不安を感じていた。
「これ、本当にギルドに持って行っていいんだろうか?」フィオが問いかけると、イマーシュが少し考え込んだように答えた。
「ギルドは情報も資源も集まる場所だ。魔力石について何か知っているかもしれないし、必要なら安全な保管場所も提供してくれる。俺たちだけで抱えるには少々荷が重い。」
「ポポはどう思う?」フィオが尋ねると、彼女の肩に乗っていたポポは「チチッ」と軽い鳴き声を上げた。まるで「賛成だ」と言わんばかりの表情だ。
リンダムの町に到着したころには、太陽は西に傾き、オレンジ色の光が町を包んでいた。フィオたちは町の中心にあるギルドを目指して歩き、やがて大きな木造の建物の前にたどり着いた。
「ここだな。」イマーシュが扉を開けると、中は冒険者たちで賑わっていた。壁には依頼が貼り出され、受付には忙しそうに働くスタッフの姿があった。
「いらっしゃいませ!」受付嬢の女性がにこやかに声をかける。「今日はどんなご用件で?」
フィオは緊張しながらも、包んでいた魔力石を取り出して見せた。その瞬間、受付嬢の表情が驚きに変わる。
「これは……! とても貴重な魔力石ですね。どこで手に入れたのですか?」
フィオは祠での出来事を簡単に説明し、護り手の魔物がこれを託したことを伝えた。受付嬢は驚きながらも真剣に話を聞き、すぐにギルドマスターに報告すると言った。
しばらくして、ギルドの奥から中年の男性が現れた。背の高い彼は、ギルドマスターらしい風格を持っている。
「君たちがこの魔力石を持ってきたのか?」彼はフィオたちに目を向けると、石を慎重に手に取った。「これは単なる魔力石ではないな……祠の護り手が託すほどの代物だ。恐らく、この石には特別な力が秘められているだろう。」
「特別な力?」フィオが聞き返すと、ギルドマスターは頷いた。
「詳細は調査が必要だが、この石は何か重要な役割を持っている可能性が高い。もしよければ、ギルドにしばらく預けてくれないか? その代わり、調査が終わったら必ず君たちに詳細を伝えることを約束しよう。」
フィオはイマーシュと目を合わせ、少しの間考えた末に頷いた。「お願いします。私たちでは分からないことが多いので……。」
ギルドマスターは満足そうに微笑み、石を慎重に保管するために奥の部屋へと運んで行った。
その夜、フィオたちは宿屋で一息つきながら、祠での出来事や魔力石の行方について語り合った。
「ギルドが調査を進めてくれるのは助かるけど、少し気になるね。」フィオはポポを撫でながら呟いた。
「まぁ、奴らに任せておけば間違いないさ。」イマーシュは余裕のある声で答えたが、その瞳にはどこか鋭い光が宿っていた。
魔力石の行方がどうなるのか――それはフィオたちにもまだ分からない。ただ、この出来事が新たな旅の始まりを告げているような気がしてならなかった。
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