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46話

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呂布はその考えに至ってすぐその男のところに急ぐのだが、そこには思った通りの男がいた。魏続である。それも何故か他の兵士や仲間と思われる者達と共に戦っているのである。
どういう経緯でこうなったのかはさっぱり見当はつかないが、それでも呂布にとっては好都合である。もし魏続の方に問題が無ければ、呂布はこの謎多き敵将との一騎討ちに持ち込むつもりだったのである。
もちろんそれが簡単にいくものでない事も分かっているのだが、少なくとも正体不明の謎の多い敵を野放しにして戦うのは極めて危険だった。そう考えるのと同時にもう一つ呂布の心の中で疑問が生じた。それは、どうしてこの男だけ戦いに参加しながら誰一人死者が出ておらず負傷すら負った様子が見られなかったのだろうかという事だった。もし最初からこうするつもりだったにしても、これだけの戦いをしながら誰も死人が出ていないのは奇妙過ぎる気がしたのである。
しかしその理由は簡単なものだったらしく、その答えはすぐに現れた。
呂布は一瞬我が目を疑ってしまったものの、何が起こったかを理解するのにはさほど時間を必要としなかった。その光景を見ていない者であってもこの辺りにいる全ての人間が同じ現象を目にしているからだ。
この場でただ一人を除いて。
「貴様、その傷は!?」
呂布は慌てて魏延に近づくと自分の服を破って魏嬰の腕を掴む。魏連が斬りつけられた腕は血こそ出ているが既にほとんど出血は収まり、流れ出た血液による肌色の布が出来上がっていた。その程度にしか思えない程度のものだったのだ。その状態でここまで来たのだから余程運の良い人間であると言えるだろう。
「ああ……大丈夫ですよ、父上、お気になさらず……」
「何を言ってる! そんな訳無いだろう!」
ただ斬られただけでもとんでもない大怪我であるにも関わらず、すでに止血も済んでいるなど常軌を逸した話であってとても放置できる様なものではないはずなのだが、本人からは苦痛の表情も見受けられないし、そもそも顔色一つ変わっていない。むしろ先ほどから感じていた怒りの色が増しているように見える。
「駄目だ!よし『生命の息吹よ我に癒しの力を』キュア」
呂布は回復魔法を相手に施した。
「う」
少しくらっとしたが持ちこたえることが出来たので、これで何とか問題ないだろうと思いほっとする。ただ、それで完全に治るような類いのものではなかったらしい。と言うよりおそらく元々身体の中の異常を完全に元の状態に戻しても効果があまり望めないのかもしれないと呂布は判断し、それについて深く追求しようとはしなかった。
それよりも呂布が一番驚いたことは魏連がここまで一人で来て無傷だったことよりも、魏連の後ろで腰に抱きついて泣いている女の存在があった。それは紛れもなく李儒の娘、香であることに気付いた時はさらに驚きを隠す事が出来なかった。しかも、その香はまるで何か恐ろしいものにでも出会ったかのようにガタガタ震えており涙は恐怖の為なのか止まらないようだったがそれでも懸命にしがみつき、一言も発しないで耐えようとしていた。ただ事ではない様子なのは一目瞭然で、その尋常でない雰囲気は周囲の兵士達も気付いている。その為、呂布の周りに集まり始めていた。しかしそんな中で張遼だけが曹操軍に向かって行こうとした為、呂布は自らの手で制すると魏延達を連れて自軍の方へと戻っていった。
魏延達はすぐに天幕に戻ると、そこでは劉備とその夫人、高順などがいて治療が行われていた。曹操軍に狙われる事を避ける為ではなくて、負傷した者達の治療を行わなければ自分達にも危険が訪れる可能性があるからである。だが魏連の負傷は特に早く処置しなければ危険な状態であったのでそのまま寝台へ寝かせる。その間に呂布も曹操軍が近づいてくると言う事で急いで撤退の指示を出していた。今は負傷者が多く動けないものも多かったため全員とはいかないものの一部の者は曹操軍の攻撃の前になんとか逃げ出すことに成功していたが、呂布達が到着した時にはもう戦いが始まっており激しい混乱の中呂布達のところへも敵兵が殺到してきたのである。呂布や高俊や曹性ら三人の武将はその先頭に立って迎え撃つが、そこへ夏侯惇の精鋭部隊が加勢に来て敵兵は押し返す事に成功したもののその勢いのまま一気に攻め込んできそうなところだった。そこに呂布の息子である陳宮が現れたのだが、どう言うわけか呂布の姿は無い。と言うより戦場において常に行動を共にしていると思っていた曹操の次男である曹仁、そして呂布の養子である臧覇さえも見あたらなかった。
この時、まだこの時点で呂布はまだ知らなかった。この呂布のいない僅かな隙を狙い魏軍の奇襲があったと言う事を。それを一番最初に気付いたのは呂布の子であり曹操の姪でもあった劉氏が知らせに来た。そのせいか、曹操の攻撃は突然止み一斉に退却していくのだがその時呂布は既に戦の指揮どころではなかったらしく誰も追い討ちをかけなかった為に多くの犠牲者を出す事となった。また同時に、曹操軍の追撃が無かった事から呂布軍は逃げる事は成功したが、この魏軍との戦いで呂布自身大きな怪我を負うこととなったのだ。幸い一大事には至らなかったのだが、魏延と同じく負傷してしまった上に今度は魏連をも巻き込む結果となってしまったことに申し訳なさを感じたが、この一連の戦闘で死者がほとんど出なかった事が唯一の救いであった。魏続だけは呂布の息子なので特別扱いするにしても、他の者は全て魏家の血を引く人間だったから魏一族は全滅したとも言える。
俺は久しぶりに夏侯惇と会えたので自室でキスをする。と言っても俺からするのではなく、向こうからしてきたのだから、そうしないと拗ねてしまうからそうするしか無いってだけなんだけど。
ただ久しぶりだからと調子に乗った夏侯惇によって、いつもよりちょっとだけ情熱的な感じになったのは否定できない。だって俺が止めろって言ってるのにしつこく舐めるし吸ってくるんだもん。
「奉先、愛してる…男だけど…男じゃない…お前を」
「ふくみあるぞ!それ」
「ははは」
そんなやり取りの後
したくなってしまったのでお互いの身体に触れているだけで興奮していると、曹操が入って来る気配がしたので慌てて衣服を整える。
「ああ、二人とも仲が良いようだね」
「え?は、はい……」
そう答えつつも曹操は部屋の中にいたにも関わらず俺達に気付かれない程静かに扉を閉めていたので少し不気味に感じたが、別に見られても困るわけではない。
でも、何の為にここに来たんだろうと思っているうちに曹操は自分の寝台に腰掛けこちらを見ている。
曹操と言えば野心家で冷酷非情と言われている人物だが、それはあくまでも噂であって本当は凄い親バカだと俺は思っている。しかしそれでも天下を狙う為ならば息子ですら殺すことが出来る人だ。実際息子の誰か一人くらい死んでも良いと思っていて不思議ではないはずなのだが、今のところそれは無いみたいだ。まあ、魏続あたりが死んだとしてもそれほど惜しいと思わないからなのか、それともそこまでするほどの人物ではないと判断しているのか、そこに関してはよく分からないけど。そんな事を考えていたからか、つい曹操を見つめ過ぎてしまったらしい。
「そんなに見つめられれば、期待に応えなければならないかな?」
「…えと…え?」
曹操が俺のところへくると俺を押し倒す
それみていた夏侯惇が
「ずるいぞ曹操!俺も」
と言いつつ飛びかかるように抱きついてくる。
夏侯惇は俺の腕を拘束して首筋に舌を這わす
「んう……ま」
曹操は俺の男の部分ではなくおまんこを舐める。そして指で弄ぶ。その感触だけでももう我慢の限界だったのにさらに激しくされて絶頂を迎えるがすぐに挿入してくる。
「…(夏侯惇の大きいの入ってる)んん!…」
その間ずっと口を塞がれているから上手く息が出来なくて苦しい、気持ち良いという二つの感情の渦にのみ込まれていく。そんな中夏侯惇が激しく動くものだから口も呼吸することもままならない。
行為が終わり衣服を整える。
「(中に出されてしまった、また妊娠したりするかな)」
と考えている。でもこれで夏侯家の血を残せるかもしれないと考える。しかしここで問題が生じるのだ、後継者はいるのかという事である。今まであまり考えていなかった事だったが、やはり実子がいた方が曹操にとっても都合がいいと思う。と言うより跡継ぎはどうなっているのだろうか そこで思い出す、魏軍の中には夏侯淵が居た事を、だが彼がどうなったか知るよしもなかった。魏延なら知っているはずだ。それに曹操軍の将の誰しもが自分の子供について知りたいと思っているに違いない まずは曹操の息子である曹丕から聞いてみる事にした。曹操の長男曹叡、つまり皇帝はもう既に亡くなっているから当然次代の曹家は曹子桓ということになる。
曹操の部屋を訪ねて、曹丕に会う事に成功し曹丕と会話をすることが出来たのだが、魏王の曹植や魏長生、そして次男である曹彰の行方が分からなくなっていると言う。長男の劉協と皇太子は健在だという情報が入っているのだが、魏王は隠居生活をしているらしくその行方を知る者は曹操しか知らない。曹操としては自分の息子が生きている間は王のままでいたかったのだ。
だから隠居生活を始めたのだが、曹一族に後継がいないと何かと不吉な予感があるからであろうか そう思いつつも今はとにかく、曹丕には早く自分の子供が産まれて欲しい、そのためにも今はまだ側室を持たないのだとも言っていた。そうすると正室の子達から先に産んでしまう可能性があるからだ。そうなると順番的に言っても次男の子からとなるのだから。そう考えただけでドキドキするのだが、今の時点では俺はただの居候の身でしかない 俺の居場所なんてどこにもないと改めて実感した それから数日後の事、ついに魏連との性行為によって懐妊してしまった事がわかった。まさか俺が男なのに身籠る事になるとは思わなかったので驚いたが嬉しいという想いもあった。まだ安定期に入っていないものの身体の変化があったし、夏侯家では女の子を授かるだろうと言っていたのが嘘のようで。夏侯惇にそれを話したら喜んでいたし、何故か曹操まで嬉しそうにしていて俺も気分が良くなっていた。夏侯惇の喜び様を見てたら少し照れ臭い気がしたが それよりも、もっと心配なことがあった。この身体の状態で戦いに行って大丈夫なのかと悩んでいた が出産後すぐに復帰することになる。その時に知ったのではあるが、曹操も魏の姫の許嫁を決めようと考えていて曹操軍の中か他の勢力の武将の中から候補を探していたが俺が女体化していることを知らなかったのだから無理なわけであって結局決められなかったそうだ。夏侯惇は曹操に俺のことをちゃんと説明しろとか言ってたが、そんな余裕は無かった。それに元々そんな気はなかったのだ。だが妊娠しても平然と動き回っている俺の様子を見たのか、いつの間にか妊婦だということを隠していたらいけないと思い知らされたのだ。曹操も俺がお腹の子供を産むことを望んでいるようだし。そんなこんながありながらも無事出産を終えられたのは奇跡だと思うほど難産だったが、何とか母子共に元気だ。だがしかしここで事件が起こった。曹一族は皆男の子ばかり生まれると思っていたらしいのである。なので女児が産まれる筈もなく曹操も慌てた訳であるが……そして俺も焦った。自分がもし男に戻ってしまえば曹操は娘を持つことになる。つまり自分との縁談話が舞い込んで来る可能性が高くなって来て、それが怖くなったと言う事である。俺は曹操の娘と結婚することについては抵抗はないが、それは恋愛対象が女性だったからである。俺は今でも男が好きなんだという事を告白すべきかどうか、その答えが見つからないままに日々は過ぎていった。
そんなある日のことだった。俺は曹操の息子で次代当主の曹叡の補佐をすることになった。これは夏侯家と曹操が手を組むためというか曹操陣営に入るための条件として出されたものでもあったのだ。俺は曹操から息子達の護衛を任されていた、というのも俺自身も狙われている事が多かったからであり。
それと、もう一つ俺を狙う者の正体を探る為に自ら志願して任に就くことにしたのだ。
そんな矢先の出来事だった いつものように夏侯淵と護衛をしていたのだがその時俺を目掛けて矢が放たれて咄嵯に夏侯淵に庇われてしまった。夏侯淵はそのままその射抜かれてしまったのだ。
「(夏侯淵が死んだ……)」
呆然となっていると 俺達の周りに兵達が囲んでいて夏侯兄弟を死なすことは惜しいと思ったので殺したのだが。夏侯惇に頼まれて一緒に来てくれと言われていた張遼と高順は俺に同情してくれたのか、俺を守ってくれると言い出したのだ。そして夏侯淵を失った悲しみでしばらく塞ぎこんでいる夏侯惇の元へ行ったのであった。
そんなとき曹嵩殿が殺されたという知らせが入って来たのだ。しかも曹操は曹操の妻と子供達と曹一族以外の人間には容赦しないと決めていたので曹一族の生き残りである幼子を除いて処刑する事になった。そこで曹彰と曹植、そして劉協が曹操と夏侯兄弟の元に預けられて曹一族最後の一人となった曹純と曹仁はどうなるのか? その事で曹彰と曹植とは話し合うことになった。だが曹仁は既に亡くなっており残った曹一族はこの2人のみ、曹操は曹彰に対して自分達が保護するが場合によっては敵対してしまうかもしれないと告げた。そうするとやはり、これからの事を考えると後継者がいないのは不吉だからという理由で夏侯家の血を入れるために側室にでも迎えようかと言ってきたのだったがそれに対して、それなら曹操の血を入れればいいのではないかと言う意見が出たのだが曹操は養子として曹丕を迎える事を決断し曹彰は曹操の元で過ごす事に決まった。そして俺の役目が終わっていたから俺達はまた自由になった。曹操から解放された。だけど俺はもう夏侯家とも曹操とも縁を切るつもりでいる それからしばらくして、魏長生と孫策の繋がりが明らかになり曹操は、曹操は孫堅の娘である孫魯班を迎え入れる事になった。そして劉備もまた袁術の孫である紀霊が後を継ぐと決まっていた。そんな中、劉表の元に身を寄せていた呂布も、曹操からの使者によって曹操の配下に加わる事となったのだ。
そして遂に反董卓連合が結成されたのであった……。
◆ ◆ 洛陽の街が燃え上がっている、その中で袁紹軍の兵士と曹操軍が交戦していた。俺もその中にいた、もちろん女物の服を着せられていて。
そんな俺の姿を見た兵士達は俺に話しかけてきて俺は、男なのになんで女の子みたいな服着てるの?と言われた時は心の中で泣きながら叫んでいたが今はそう言う余裕もなくなって、ひたすら戦いに集中しなければならない状況になっていたのだった。
が、俺は敵の軍師の郭嘉とかいう奴に見惚れてしまい集中できなくなっていた、女好きのくせに何やってんだよと思うのだがその姿があまりにも美しいものだから見入ってしまったのだろう。
「(まあ、俺の場合下は男と女の両方ついてるから別に気にはしてないけどな)」
などと変な事を考えていたりしながら戦っていたのだが戦況が悪化してきてしまっていた。いくら俺が武将として優れていても多勢に無勢という事もあるし。敵が強すぎる。そして、そんな窮地に追い込まれていた時だった 援軍が現れたのだ、曹操軍の精鋭である夏侯惇率いる一軍と曹叡とその護衛である陳宮と夏侯惇の息子の夏侯覇、それと徐晃だ。夏侯惇の息子と会うのは初めてだったので挨拶しようとしたら向こうもこちらに気付いたみたいで駆け寄って来て握手を求めてきた。
この夏侯惇の子供の曹叡も中々のイケメン君なんだけどそれよりも、さっきまで一緒に戦場で命懸けで闘ってきたのがまさかこの人だったとは思いもしなかったので驚いてしまった。
「俺の出番ないんじゃね?」
呂布はそう思った。夏侯覇と手を握った瞬間に夏侯惇が何か感じ取ったようで夏侯覇を睨み付け始めた、 そんな時に、突如現れた李典により夏侯惇軍は壊滅寸前にまで追い詰められたのだった。その事に対し激怒した夏侯淵や張遼などが攻めかかるのだが返り討ちにされてしまった。その時に俺の胸倉を掴み上げ夏侯惇が
「俺以外と仲良くするな」
なんてキュンとくる台詞を投げる夏侯惇に呂布はドキっとしたがその直後のセリフに
「浮気は絶対許さんぞ。俺はお前しか見てねえよ…………ばぁか……」
「え?い、今なんか言ったか。聞こえなかったからもう一回言ってくれると嬉しいのだが……」
そう言われると夏侯惇は顔を赤くしたと思ったのだが急に青ざめた表情に変わった、 一体何が起きたのかと思ったその時だった、背後から何者かに襲われたのだ。
その事に関して夏侯惇は焦っていたが俺は何も無かった。
何故なのか分からず動揺してしまったのだったが夏侯惇は慌てて駆けつけて来て庇ってくれたので、とりあえずその場を乗り切ることができた。そして曹操がやって来た事でこの戦いにも終止符が打たれたのだ。
だがしかし俺達の知らないところでとんでもない事態が起きていたのだ。
「『いまここに誓う。我は何時と共にこの生死をさまよう者を死ぬ縁から甦えらせまたえ』レイズデッドリザレクション」
呂布がこの魔法を口ずさむと瀕死の夏侯惇が起き上がる
「良かった…。」
それを見た曹操は涙を浮かべて喜んでいたが、それを見ていた曹操陣営の幹部達、夏侯淵は激怒して呂布に飛びかかろうとしたのだが俺が咄嵯に庇った事で難を逃れられた。その後はまた洛陽の街に戻り宴会が始まったのだがそこで曹操が夏侯惇にある事を言ってきた。
それは俺の身柄を自分の手元に置いておくために、夏侯惇と夏侯淵を甦えらせた功績は大きかった。だが同時にこれから曹操は反董卓連合を迎え撃つ準備を始めなくてはならないので戦力増強は欠かせない。そしてそこに俺は打ってつけの存在なのだ。だから曹操はこう言った。自分の元で働いてくれないかと。それを聞いた曹操の部下達は反対したが夏侯惇と夏侯淵だけは承諾して俺はこうして正式に曹操に仕える事になったのであった。
「(夏侯惇とまた一緒…嬉しいかな)」
と、思うと顔がにやけてしまい夏侯淵からは気味悪がられ、曹操と曹仁には呆れられるのだが そんな事も知らずに 呂布は夏侯惇と同じ道を歩み始める。
◆ 反董卓連合 連合軍が解散となってそれぞれの国へ戻っていった 袁紹・袁術、公孫越 韓浩 劉岱 楽進 魏続 真名は炎蓮、真名が雪 鮑信軍から合流してきた張楊軍 郭嘉 荀イク 賈ク 曹仁 王凌 曹性 宋憲 高幹 陳登 成廉 曹仁軍の古参兵として戦に参加していた 魏延 厳政と馬超の騎馬隊 徐晃 黄忠軍、漢升と劉備の元に残った武将は多数いた為劉備の配下に加わることになった 朱治軍より参加 趙雲 魏徴 陳琳 曹純 袁術軍に合流して袁術の親衛隊となった 張遼・臧覇の騎兵隊 劉備の義勇軍に加わった人物達も数多い為に劉備軍の傘下に入ることとなり新入りの武将も増え、関羽も劉備軍の客将となっている 孫策、周瑜 甘寧 呂蒙 その他、各軍の軍師、副将軍 劉備の元に集まった者達も大勢いた。そして、そんな中で新たに加わった軍も沢山いた。その中にはあの、李粛軍も含まれていた。他にも蜀の軍に加わる者が増えた中で俺はある噂を聞きつけたのだった。
「えーと、『呂布は神々の力を持った魔神である』なんだこれ!?」
俺がその事に驚いていると 李儒さんは 呂布に話を始めた 実は、反董卓連合軍の中にその情報を流しているものがいるらしい。
その者の素性がわかればそいつから呂布様を守ることが出来るかもしれない。との事だった。
その話を聞いた俺が、李儒さんに詳しく聞こうとすると 李儒さんは部屋を出ていった。
「『神々の力を持った魔神』ねえ、ただ魔法を他の人たちよりもいっぱい使えるだけだが」
また、どうやら戦が始まるらしい。
夏侯惇がそう言っていた。曹操の所に行こうとすると夏侯惇も一緒に来てくれるみたいだ。正直嬉しかったりするのだがそんな感情を抑え込んで俺と曹操は戦場へと向かったのだった。そこで俺が出会ったものはとんでもない化け物だった。しかもその化け物はいきなり襲いかかって来たのだがそれを間一髪の所で曹操が守ってくれたおかげで俺に怪我はなかったのだがその後、曹操軍は大苦戦を強いられる事になってしまったのだ。そして、その時の曹操の様子がおかしかったのだがその理由は後々知ることになるのだった。
その時に呂布の体に何か違和感を感じた だがその事を気にする暇もなく 戦いに集中したのだ。が、その最中敵の兵士の攻撃を受けそうになってた時に曹操は慌てて飛び出して行ったのだ、呂布を守って自分が犠牲になるつもりでだ。が俺はそんな事は望んでいない、それに先程の『化け物』はおそらくこいつの仕業だと分かったからだ。そう考えるうちに俺の心の中にはドス黒い怒りがこみ上げてきた。
「お前……、よくも曹操に傷を付けてくれたな?許さないから。覚悟しろよ?死ねっ」と心の中で叫んだと同時に俺の中の何かが爆発しそうになった。そしてその時俺の頭の中にある光景が流れ込んできた のだ。俺はその時、自分の記憶が全て戻ってきた。俺は元々この世界の人間じゃないという事 俺がいた世界での俺の名前が『藤谷零児』だということ、そして俺にはまだ生き返らせてない大切な仲間達がいることを全て思い出した。だが今はそんな事を考えてる余裕はないのだ、だからこの目の前にいる『黒装束』の男に全力をぶつけるしかないと思い、曹操と一緒に全力をだした。すると不思議なことに敵の総大将らしき人物が現れた。そして曹操は敵に投降し自分の身柄を引き渡す事で呂布を助けようとした、もちろんそれを受け入れたがその代わり曹操は人質になったのである。
だがその事を曹操に伝えたところで 何にもならないので、曹操には何も伝えずに呂布は単身で城を出たのであった。
そして城を脱出した呂布は曹操を救うべく行動していた
「なんで曹操殿はあのようなことを」
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