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第六十七話:お買い物の新常識
しおりを挟む「いらっしゃいませ!」
今日もいつものように平穏無事な一日が始まり、私はコンビニの入り口でお客様を迎える準備をしていた。その時、扉が開いて、新しいお客様が入ってきた。
「オホホホホ!これが噂の異世界コンビニですね!」
声の主は、豪華なローブを身にまとった魔法使い風の女性だ。エレガントな装いに、長い白髪が特徴的で、魔法の杖をしっかり握っている。周囲には、ちょっとしたオーラが漂っているようにも見える。
「いらっしゃいませ!」私は笑顔で迎えた。「ご来店ありがとうございます。どうぞごゆっくりご覧ください。」
その女性は、辺りを見渡すと、突然大きな声で叫んだ。
「ふふふ…これが魔物や冒険者が集うコンビニ…面白いですね。では、まずは私の魔法を試してみましょうか!」
「え?」
思わず驚きの声を上げる私に、その女性はニヤリと笑った。
「何事も挑戦ですからね。これが私の魔法、"空間歪曲(アーク・ワーニング)"!」
そして彼女は魔法を唱え、杖を一振りした瞬間、店内の床がひび割れ、空間が歪み始めた。まるで、天井が少しずつ下に下がってきたかのような錯覚に陥る。
「うわっ、何ですかこれ!?」
周囲が一瞬でぐるぐる回り出す中、私は反射的に後ろに飛び退いた。魔法が一段落した後、無事に空間が元に戻ると、女性は楽しそうに拍手をしていた。
「オホホホ!どうだ!驚いたかしら?」
「ちょ、ちょっと待ってください!店舗に魔法を使うのは…!」
私は必死に手を振りながらその女性に説明を試みたが、彼女は平然としていた。
「大丈夫よ、心配しないで!私が使ったのは"空間修復魔法"だから、ちょっとだけ試しただけ。これくらいなら店内の魔力供給装置で修復できるわ。」
「魔力供給装置!?」
「はい、あそこの棚にちょっとした魔法装置があるから、実際には問題ないわよ。」彼女は店内の棚を指さした。その棚には確かに、見慣れない装置が置いてあったが…。
「…これ、いくらなんでも力強すぎませんか?」
私は頭をかきながら、思わず不安な顔をしてしまった。
その女性は、私の困惑を見て、にっこりと笑って言った。
「オホホホ!あまり驚かないで。私は"アナスタシア・ウィンダーリス"、魔法の使い手としても有名な人物なのよ。何せ、こうして空間を歪めるくらいは日常茶飯事!」
「も、もしかして、"空間歪曲"って…普段からやってるんですか!?」
「もちろんよ!空間の歪みを使えば、どんなに遠くのものでも手に入るし、物理的な障害を無視できるからとても便利。試しに見てみる?」
「いや、見たくないです!」
私は心の中で叫びながらも、必死に女性の魔法を抑え込もうとしていた。
その後、アナスタシアさんは無事に店内の商品を見て回り、結局、何も壊さずに買い物を終えた。彼女は魔法に頼りすぎず、普通にコンビニの商品を気に入ったようだった。
「オホホホ、面白い店だわ。じゃあ、これを頼むわね。」
彼女が指差したのは、先日新しく入荷した「魔王の絶品ポップコーン」。
「それ、実は少し辛いので注意してくださいね…」
「あら、それもまた挑戦ね!ポップコーン、頂きますわ!」
アナスタシアさんは満足そうにポップコーンを手に取り、すぐに袋を開けた。すると、ぽつりと一言。
「…まあ、こんなに辛いのもなかなか面白いわね。魔王の癖をわかっているのかしら?」
「す、すみません。私たち、あくまで"異世界のコンビニ"なので…」
アナスタシアさんは、わずかに笑いながら私に言った。
「フフフ、よく分かってるわね。でも、私は楽しんだわ!また来るわよ、店主!」
そう言って、アナスタシアさんは再び魔法の杖を使って空間を歪め、店を去っていった。
その後、店内に戻った私は、しばらく放心状態になり、何が起きたのかを整理することにしばらく時間がかかった…。
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