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九十一話

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最近異世界に召喚されたお兄さんは魔法使いの適正があったナイトである俺はそいつと一緒に旅をする
九十一話 夜になり二人は宿に帰る。
「ただいま」
「おかえりなさい」
勇者はベッドに飛び込んだ。
「疲れたー」
「お疲れ」
荷物を置いて椅子に座る。
「明日はどうしようか」
「うーん、特に用事はないからゆっくりしようぜ」
「そうだね」
会話を終えると眠気が襲ってくる。
「ふわぁ……なんか眠いな……」
「僕も眠い……」
そのまま寝てしまった。
翌朝起きると勇者がいないことに気づく。
「あいつどこに行ったんだ……」
探していると部屋に戻ってきていた。
「あぁ……おはよう……」
「おはよう……ってどうしたんだよその顔……」
勇者の顔には殴られた後のようなものがついていた。
「えっと……昨日ちょっと色々あって……」
「色々って……大丈夫なのか?」
「うん……大丈夫……」
「そうか……ならいいんだけど……」
しばらくすると勇者は起き上がる。
「朝ごはんを食べにいこうか」
「そうだな」
食堂へ行くと女将さんがいた。
「あら、おはよう」
「おはようございます」
「今日は早いのね」
「はい」
朝食を受け取り空いているテーブルにつく。
「いただきます」
パンをちぎって口に運ぶ。
「うん、おいしい」
すると二人の男が勇者の所へ来る。
「よう、今日は二人かよ」
「おいおい、こいつらは仲間じゃないのか?」
「いいじゃねえか、別に減るもんじゃないしよぉ」
「それもそうだな」
ゲラゲラ笑いながら去って行った。
「なんだあれ……」
「気にしない方がいいよ……」
「そうか……」
それからは何も起こらず無事に食事を終えた。
「じゃあ僕はギルドに行くよ」
「おう、気をつけてな」
勇者と別れる。
「さて、これからどうするかねぇ……」
とりあえずギルドへ向かう。
「討伐依頼でも見てみるか……」
掲示板の前に行くと勇者がさっき食堂であった二人の男に言い寄られていた。
九十一話完
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