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84話
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(いや、誰かに見られてるような気がするんだ……気のせいかな……まあいいか)
(そうか……じゃあお休み)
「はい」
こうして零と優斗の長い一日が終わった。次の日、俺と優斗は朝から町に出た。すると早速昨日の男の人に話しかけられた。
「よお!昨日のカップル!」
「「……カップル?」」
「あれ?違ったか?」
「合ってはいるけど……」
「そうか!それはよかった!」
「ところで君の名前は?」
「俺か?俺はザックだ!」
「僕は優斗で彼は零と言います」
「よろしくな!」
「はい」
「よろしくお願いします」
俺達は握手をした。そしてこの人なら信用出来ると思ったので再び情報を聞き出すことにした。
「あの、聞きたいことがあるんですがいいですか?」
「なに?」
「ここら辺で一番大きな国はどこにあるか分かりますか?」
「ここから西に進めばあると思うけど」
「そうか……ありがとうございます!」
「いえいえ」
こうして俺達は西に進んだ。途中モンスターに襲われたりしたが何とか倒して進んでいった。
「やっと着いた……」
「だな……」
そこは今までのどことも違う雰囲気が漂っていた。そして中に入るとそこにあったのは、たくさんの本だった。
(これは……すごすぎるだろ……こんな量初めて見たぞ……)
(確かにね……でも探さないとね)
(そうだな)
「すみません」
「はい、なんでしょうか?」
「この世界について書かれた本を何冊か探したいのですが」
「それでしたら……こちらです」
俺達は案内された場所へ向かった。
(どんなことが書いてあるんだろ……楽しみだな)
(僕もすごく興味がある)
「こちらになります」
「「うわぁー」」
そこに書かれていたことは想像を絶するものばかりだった。
・人間と魔物は元々一つの種族だったこと。
・しかしある時を境に人間は魔法を使うようになりその力を乱用し始めた。
それにより魔族の怒りを買い戦争が勃発した。
・しかし戦況は劣勢であり人類滅亡まであと僅かという所まで追い込まれた。そこで一人の科学者が兵器を作った。その名は《魔剣》だ。その力は絶大で圧倒的なものだった。しかしその力には副作用があった。その力が強ければ強いほど使用者の体にかかる負担が大きくなるというものだった。しかしその時の人類の科学力ではそれを止めることが出来なかった。
・そして遂に魔王を倒したが、それと同時にその兵器を暴走させてしまいその被害は凄まじく多くの死傷者が出た。しかしその暴走によって得たものは大きかった。
まず一つ目には身体能力の向上。二つ目、五感が鋭くなる。三つ目は魔法の習得である。
・それからは皆必死に鍛錬に励んだ結果、現在のようなステータスを手に入れた。
(これやばくないか?)
(そうだね……これだと勝てないね……どうする?)
(とりあえず今は強くなろう)
(そうだね)
こうして二人は特訓を始めた。
~2年後~ 俺達はひたすら修行を続けてきた。そんなある日のこと、
(なあ、優斗、俺達かなりレベル上がったしそろそろいいんじゃないのか?)
(確かにね、もうそろそろ頃あいかもね)
(なら今日ベッドの上で……)
(ああ、そういうことか、了解)
俺達は今日宿屋の部屋で
ベッドに2人で腰掛ける。
(優斗、お前ってさ俺の事好きなのか?)
(いきなりだね、どうしてそんなことを?)
(だってお前いつも一緒にいるだろ?)
(そりゃ仲間だからね)
(ふーん、じゃあ質問を変えるぞ、お前って女の子好きか?)
(ああ、好きだよ、でも僕が今一番気になっているのは……)
(気になってるのは……?)
(君だよ零くん)
(え?どういうこと?)
(そのまんまの意味だよ、君は特別、僕が気になってる人、それだけだよ)
(え?それってもしかして)
(その先は言わせないよ)
すると優斗は突然キスをした。
「ん!?」
「……ん……んぅ...///……は……ひ……零……くん」
優斗の口の中から甘い香りと唾液が俺の舌に流れ込んできた。
俺が優斗の乳首を弄ると……優斗の体がビクンと跳ねた。
「……あんっ!……零……くん……そこはだめ……!」
「だめじゃない……きもちいいんだろ?」
「……うん……もっとぉ……ほしい……!」
「わかった」
俺はズボンを脱ぎ自分のアレを出した。するとそれをみて優斗が
「僕のここに……ちょうだい……?」
優斗は足を広げて俺を受け入れようとしたその時だった 突然部屋の扉が開いたのだ。
「おい!大丈夫か!……優斗の……悲鳴とか…………あ」
そこにはザックがいた。
俺と優斗は急いで退こうとしたけど挿入されていたので
「んやぁ!」
優斗の嬌声が響く。
ザックは部屋に入り戸を閉める。
……
「んあ!……あん!……」
「零くん!激しすぎ!」
「ごめん!」
「でも……」
「なんだ?」
「すごい……気持ちよかった……」
「そうか……」
「ねえ、まだ……」
「分かっている」
「はやく!きてぇ!」
俺は思いっきり突いた。
「んやぁぁぁぁ!」
そしてそのまま俺は射精した。
そして優斗も俺の腹に射精した。
「まさかお前たち本番までやってる仲だったんなんてな……優斗……可愛いなぁ」
「うるさい!」
「でもよかったぜ、お幸せにな」
そう言ってザックは出て行った。
「完全に閉め忘れてたからなぁ」
そうして俺たちの2人の旅はまだまだ続くのであった……
「あれ?ここはどこだ?」
俺が目を覚ますと見覚えのない天井が広がっていた。
(確か昨日寝落ちしちゃったんだよな、早く帰らないと)
俺は起き上がり周りを見渡したがそこは見慣れない場所だった。
(もしかして迷子になったかな?)
少し焦っていると突然ドアが開いてそこから綺麗な女性が出てきた。その女性は水色の髪に青色の目をしていた。
「おはようございます、あなた様が新しい勇者様ですね?」
「へ?」
俺は状況が全く理解できずにいた。
「申し遅れました、私は女神です」
「はい?」
目の前にいるこの女性が何を言っているのか全く分からなかった。
「ですから私が女神です」
「はい?」
「もう……信じて下さい……私ですよ?あなたのサポートをする為に派遣されたんですよ」
「あーそういう事か、すみません、疑ったりして」
「いえ、当然の反応です、ですがこれからよろしくお願いしますね」
「はい」
俺は握手をしようと手を伸ばしたが……その手は空を切った。
俺が唖然としているとその女性はクスッと笑っていた。
「やっぱり驚かれますよね、まず私の姿を見てくれませんか?」
その女性の体を見たが特に変なところはなく普通の見た目だった。だが一つ気になることがあった。
「あの……どうして全裸なんですか?」
その女性は服を着ていなかったのだ。その体には胸がなく男のように見えていたからだ。
「名前は『如月優斗』と言います』
「え!?」
「だから、女じゃないんですって」
その顔はどこか懐かしく、そしてなぜか安心できるようなそんな気がしていた。
「どうしてその名前を?」
すると優斗は答えてくれた。
「それはあなたの前世の名であり、本名なのです」
「つまり転生したというわけなのか」
「簡単に言えばそうなります」
「それで今の姿はなぜなんだ?」
「だから女神ですと。女神としての名前は『アダマス』です。人間名が『如月優斗』なんですよ」
『アダマス』?たしか『アダマス』ってゼウスの妻の名前だよな、ということは神妻!?
「あ、なんかまた勘違いしていますね」
「うぐっ!」
「もう仕方ありませんね、ちょっと待っててください」
すると俺に一枚の写真が差し出された。そこに写っているのは俺と幼馴染みである 姫川愛佳だった。
「これがどうしたんだ?」
「よく見てて下さいね」
すると突然写真の中の俺の顔が変わり、まるで俺と瓜二つのような姿になった。さらに服装まで変わっているではないか。
(これはどういうことだ?)
「実は私、神様なのですが人間の姿が自由に変えられたりするのです。その写真を見ていただければわかると思いますがその人はあなたそっくりでしょ?」
「ああ、そうだが」
「その人、姫川さんはあなたのことが大好きだったので、もしあなたが死んだ時にその人の魂はこちらに送られているのでその容姿にしたのです」
「そういうことだったのか」
俺が感心しながら写真を眺めていると、突然俺の体に電流が流れたかのような感覚に陥った。
(なんだこれ!?)
「ああ、そういえば説明を忘れていましたが、あなたのスキルの一つ《完全記憶》のせいだと思われます。
まあ、とりあえず今は落ち着いてください」
「お……おう……」
「それでは改めて、これからよろしくお願いしますね零」
「よろしくな、アダ……ス……じゃなくて……ゆ……ゆうと!」
「はい!」
こうして俺たちはお互いの素性を話し、一緒に暮らすことになったのだ。
朝起きてからというもの優斗はずっとニコニコとしていた。
それもそのはず、なぜなら優斗は俺と一緒に寝ていたから。
『如月優斗』の時は女の子ではなく『男』である。そのため同性であるため普通にお友達と寝るに近いかな。
(そういえば俺ってどうやってこの世界に来たんだっけ?)
(僕と零くんが修行をしてた時、魔王の幹部の一人が現れたんだよ)
(それでどうなったんだ?)
(零くんが倒して、幹部の人が零くんの中に入ってきて零くんの体を乗っ取ったみたいな感じかな?)
(そっか、そうだったな、なら俺はあいつを倒して元の世界に帰らなくちゃいけないな)
(でも……その前に……)
(ああ、わかっている、この世界も救わないとな)
(さすが零くん!頼もしいよ!)
「おい、何やってるんだよ」
俺達がベッドの上で話をしているのに気づいたザックが部屋に入って来た。
「ああ、悪いな、邪魔したみたいで……所で優斗はいつみても可愛いなぁ」
「ザックくん!男に可愛いはないと思いますが?」
「だって本当のことじゃん」
「ザック!俺の優斗に手を出すな」
「はいはい、わかったよ」
「ところでお前たち、もうすぐ勇者認定試験があるらしいぞ」
ザックの言葉を聞いて俺達は驚いた。
「まじか!?」
「でも確か俺達はまだFランクだったよな?」
「ああ、でも今回は特例でEランクの実力が有ればいいそうだ」
「そうか……なら頑張らないとな」
「ああ、そうだな、お前たちが一緒についてくれると安心だぜ」
「ああ、まかせろ!」
~~1ヶ月後~~
ついにこの時が来た、勇者認定試験が始まる。俺達の目の前には大勢の冒険者がいる。そしてその中にはザックもいた。
するとギルド長らしき人物が話しを始めた。
「皆のもの良く集まってくれた、今年もまたこの季節がやってきた。
この認定試験に合格すれば君たちは晴れてD級の冒険者となれる。
しかし中にはこの資格を取り消す者もいるだろう。その事を肝に銘じてこれからの戦いに挑んで欲しい。それではこれから勇者認定を開始する。
第一試合はAクラス『ザッハ』とBクラスの
『ガレッド』だ!」
そして戦いが始まった。最初はザッハが優勢だったがガレッドが最後の一撃を決めようとする直前、
「スキル発動!」
ザッハは防御魔法を発動させなんとか難を逃れた。
「危ない……助かった……」
(流石だな……あれを初見で避けるなんて……だけど……次で終わりにする!)
(このままだとやられる。こうなったら……やるしかないのか……)
「スキル解放」
(これは……まさか『奥義』か!?だがそんなことをしても無駄だ。『絶対破壊』の盾で守られている限り絶対に負けることはありえない。それに、こっちの方が手数は多いしスピードもある!)
(行くぞ!)
(これで決める!)
(スキル『雷神拳』!!)
(スキル『光弾』)
(ぐわー!!!)
(勝者『ガレッド』)
(そうか……じゃあお休み)
「はい」
こうして零と優斗の長い一日が終わった。次の日、俺と優斗は朝から町に出た。すると早速昨日の男の人に話しかけられた。
「よお!昨日のカップル!」
「「……カップル?」」
「あれ?違ったか?」
「合ってはいるけど……」
「そうか!それはよかった!」
「ところで君の名前は?」
「俺か?俺はザックだ!」
「僕は優斗で彼は零と言います」
「よろしくな!」
「はい」
「よろしくお願いします」
俺達は握手をした。そしてこの人なら信用出来ると思ったので再び情報を聞き出すことにした。
「あの、聞きたいことがあるんですがいいですか?」
「なに?」
「ここら辺で一番大きな国はどこにあるか分かりますか?」
「ここから西に進めばあると思うけど」
「そうか……ありがとうございます!」
「いえいえ」
こうして俺達は西に進んだ。途中モンスターに襲われたりしたが何とか倒して進んでいった。
「やっと着いた……」
「だな……」
そこは今までのどことも違う雰囲気が漂っていた。そして中に入るとそこにあったのは、たくさんの本だった。
(これは……すごすぎるだろ……こんな量初めて見たぞ……)
(確かにね……でも探さないとね)
(そうだな)
「すみません」
「はい、なんでしょうか?」
「この世界について書かれた本を何冊か探したいのですが」
「それでしたら……こちらです」
俺達は案内された場所へ向かった。
(どんなことが書いてあるんだろ……楽しみだな)
(僕もすごく興味がある)
「こちらになります」
「「うわぁー」」
そこに書かれていたことは想像を絶するものばかりだった。
・人間と魔物は元々一つの種族だったこと。
・しかしある時を境に人間は魔法を使うようになりその力を乱用し始めた。
それにより魔族の怒りを買い戦争が勃発した。
・しかし戦況は劣勢であり人類滅亡まであと僅かという所まで追い込まれた。そこで一人の科学者が兵器を作った。その名は《魔剣》だ。その力は絶大で圧倒的なものだった。しかしその力には副作用があった。その力が強ければ強いほど使用者の体にかかる負担が大きくなるというものだった。しかしその時の人類の科学力ではそれを止めることが出来なかった。
・そして遂に魔王を倒したが、それと同時にその兵器を暴走させてしまいその被害は凄まじく多くの死傷者が出た。しかしその暴走によって得たものは大きかった。
まず一つ目には身体能力の向上。二つ目、五感が鋭くなる。三つ目は魔法の習得である。
・それからは皆必死に鍛錬に励んだ結果、現在のようなステータスを手に入れた。
(これやばくないか?)
(そうだね……これだと勝てないね……どうする?)
(とりあえず今は強くなろう)
(そうだね)
こうして二人は特訓を始めた。
~2年後~ 俺達はひたすら修行を続けてきた。そんなある日のこと、
(なあ、優斗、俺達かなりレベル上がったしそろそろいいんじゃないのか?)
(確かにね、もうそろそろ頃あいかもね)
(なら今日ベッドの上で……)
(ああ、そういうことか、了解)
俺達は今日宿屋の部屋で
ベッドに2人で腰掛ける。
(優斗、お前ってさ俺の事好きなのか?)
(いきなりだね、どうしてそんなことを?)
(だってお前いつも一緒にいるだろ?)
(そりゃ仲間だからね)
(ふーん、じゃあ質問を変えるぞ、お前って女の子好きか?)
(ああ、好きだよ、でも僕が今一番気になっているのは……)
(気になってるのは……?)
(君だよ零くん)
(え?どういうこと?)
(そのまんまの意味だよ、君は特別、僕が気になってる人、それだけだよ)
(え?それってもしかして)
(その先は言わせないよ)
すると優斗は突然キスをした。
「ん!?」
「……ん……んぅ...///……は……ひ……零……くん」
優斗の口の中から甘い香りと唾液が俺の舌に流れ込んできた。
俺が優斗の乳首を弄ると……優斗の体がビクンと跳ねた。
「……あんっ!……零……くん……そこはだめ……!」
「だめじゃない……きもちいいんだろ?」
「……うん……もっとぉ……ほしい……!」
「わかった」
俺はズボンを脱ぎ自分のアレを出した。するとそれをみて優斗が
「僕のここに……ちょうだい……?」
優斗は足を広げて俺を受け入れようとしたその時だった 突然部屋の扉が開いたのだ。
「おい!大丈夫か!……優斗の……悲鳴とか…………あ」
そこにはザックがいた。
俺と優斗は急いで退こうとしたけど挿入されていたので
「んやぁ!」
優斗の嬌声が響く。
ザックは部屋に入り戸を閉める。
……
「んあ!……あん!……」
「零くん!激しすぎ!」
「ごめん!」
「でも……」
「なんだ?」
「すごい……気持ちよかった……」
「そうか……」
「ねえ、まだ……」
「分かっている」
「はやく!きてぇ!」
俺は思いっきり突いた。
「んやぁぁぁぁ!」
そしてそのまま俺は射精した。
そして優斗も俺の腹に射精した。
「まさかお前たち本番までやってる仲だったんなんてな……優斗……可愛いなぁ」
「うるさい!」
「でもよかったぜ、お幸せにな」
そう言ってザックは出て行った。
「完全に閉め忘れてたからなぁ」
そうして俺たちの2人の旅はまだまだ続くのであった……
「あれ?ここはどこだ?」
俺が目を覚ますと見覚えのない天井が広がっていた。
(確か昨日寝落ちしちゃったんだよな、早く帰らないと)
俺は起き上がり周りを見渡したがそこは見慣れない場所だった。
(もしかして迷子になったかな?)
少し焦っていると突然ドアが開いてそこから綺麗な女性が出てきた。その女性は水色の髪に青色の目をしていた。
「おはようございます、あなた様が新しい勇者様ですね?」
「へ?」
俺は状況が全く理解できずにいた。
「申し遅れました、私は女神です」
「はい?」
目の前にいるこの女性が何を言っているのか全く分からなかった。
「ですから私が女神です」
「はい?」
「もう……信じて下さい……私ですよ?あなたのサポートをする為に派遣されたんですよ」
「あーそういう事か、すみません、疑ったりして」
「いえ、当然の反応です、ですがこれからよろしくお願いしますね」
「はい」
俺は握手をしようと手を伸ばしたが……その手は空を切った。
俺が唖然としているとその女性はクスッと笑っていた。
「やっぱり驚かれますよね、まず私の姿を見てくれませんか?」
その女性の体を見たが特に変なところはなく普通の見た目だった。だが一つ気になることがあった。
「あの……どうして全裸なんですか?」
その女性は服を着ていなかったのだ。その体には胸がなく男のように見えていたからだ。
「名前は『如月優斗』と言います』
「え!?」
「だから、女じゃないんですって」
その顔はどこか懐かしく、そしてなぜか安心できるようなそんな気がしていた。
「どうしてその名前を?」
すると優斗は答えてくれた。
「それはあなたの前世の名であり、本名なのです」
「つまり転生したというわけなのか」
「簡単に言えばそうなります」
「それで今の姿はなぜなんだ?」
「だから女神ですと。女神としての名前は『アダマス』です。人間名が『如月優斗』なんですよ」
『アダマス』?たしか『アダマス』ってゼウスの妻の名前だよな、ということは神妻!?
「あ、なんかまた勘違いしていますね」
「うぐっ!」
「もう仕方ありませんね、ちょっと待っててください」
すると俺に一枚の写真が差し出された。そこに写っているのは俺と幼馴染みである 姫川愛佳だった。
「これがどうしたんだ?」
「よく見てて下さいね」
すると突然写真の中の俺の顔が変わり、まるで俺と瓜二つのような姿になった。さらに服装まで変わっているではないか。
(これはどういうことだ?)
「実は私、神様なのですが人間の姿が自由に変えられたりするのです。その写真を見ていただければわかると思いますがその人はあなたそっくりでしょ?」
「ああ、そうだが」
「その人、姫川さんはあなたのことが大好きだったので、もしあなたが死んだ時にその人の魂はこちらに送られているのでその容姿にしたのです」
「そういうことだったのか」
俺が感心しながら写真を眺めていると、突然俺の体に電流が流れたかのような感覚に陥った。
(なんだこれ!?)
「ああ、そういえば説明を忘れていましたが、あなたのスキルの一つ《完全記憶》のせいだと思われます。
まあ、とりあえず今は落ち着いてください」
「お……おう……」
「それでは改めて、これからよろしくお願いしますね零」
「よろしくな、アダ……ス……じゃなくて……ゆ……ゆうと!」
「はい!」
こうして俺たちはお互いの素性を話し、一緒に暮らすことになったのだ。
朝起きてからというもの優斗はずっとニコニコとしていた。
それもそのはず、なぜなら優斗は俺と一緒に寝ていたから。
『如月優斗』の時は女の子ではなく『男』である。そのため同性であるため普通にお友達と寝るに近いかな。
(そういえば俺ってどうやってこの世界に来たんだっけ?)
(僕と零くんが修行をしてた時、魔王の幹部の一人が現れたんだよ)
(それでどうなったんだ?)
(零くんが倒して、幹部の人が零くんの中に入ってきて零くんの体を乗っ取ったみたいな感じかな?)
(そっか、そうだったな、なら俺はあいつを倒して元の世界に帰らなくちゃいけないな)
(でも……その前に……)
(ああ、わかっている、この世界も救わないとな)
(さすが零くん!頼もしいよ!)
「おい、何やってるんだよ」
俺達がベッドの上で話をしているのに気づいたザックが部屋に入って来た。
「ああ、悪いな、邪魔したみたいで……所で優斗はいつみても可愛いなぁ」
「ザックくん!男に可愛いはないと思いますが?」
「だって本当のことじゃん」
「ザック!俺の優斗に手を出すな」
「はいはい、わかったよ」
「ところでお前たち、もうすぐ勇者認定試験があるらしいぞ」
ザックの言葉を聞いて俺達は驚いた。
「まじか!?」
「でも確か俺達はまだFランクだったよな?」
「ああ、でも今回は特例でEランクの実力が有ればいいそうだ」
「そうか……なら頑張らないとな」
「ああ、そうだな、お前たちが一緒についてくれると安心だぜ」
「ああ、まかせろ!」
~~1ヶ月後~~
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するとギルド長らしき人物が話しを始めた。
「皆のもの良く集まってくれた、今年もまたこの季節がやってきた。
この認定試験に合格すれば君たちは晴れてD級の冒険者となれる。
しかし中にはこの資格を取り消す者もいるだろう。その事を肝に銘じてこれからの戦いに挑んで欲しい。それではこれから勇者認定を開始する。
第一試合はAクラス『ザッハ』とBクラスの
『ガレッド』だ!」
そして戦いが始まった。最初はザッハが優勢だったがガレッドが最後の一撃を決めようとする直前、
「スキル発動!」
ザッハは防御魔法を発動させなんとか難を逃れた。
「危ない……助かった……」
(流石だな……あれを初見で避けるなんて……だけど……次で終わりにする!)
(このままだとやられる。こうなったら……やるしかないのか……)
「スキル解放」
(これは……まさか『奥義』か!?だがそんなことをしても無駄だ。『絶対破壊』の盾で守られている限り絶対に負けることはありえない。それに、こっちの方が手数は多いしスピードもある!)
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(勝者『ガレッド』)
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