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101話

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「……ん?ここは……」
目が覚めると辺りはすっかり暗くなっていた。
「あれ?僕……一体何をしていたんだ?」
確かゴブリンと戦っている時に魔力切れを起こして……それからの記憶が無い。
するとその時扉が開いた。そしてそこに立っていたのは2人の少女だった。
「あっ、起きたんだ。よかった。全然目を覚まさないから死んだんじゃないかと思ったよ……」
アリスがホッとしたようにそう話す。
どうやらあの後、気絶してしまったみたいだ。そして彼女達が介抱してくれたようだ。なんて優しい子なんだ。そして僕はすぐに頭を下げて謝ると、彼らは笑いながら許してくれた。
「さて……これでやっと落ち着いて話ができるね。ところで真司くんは何者なの?」
アリスは唐突に聞いてきた。おそらく僕が普通の人間じゃないことに感づいているのだろう。だからこそこうして尋ねてきたのだ。そしてレイラも興味津々といった様子でこちらを見ていた。これは隠していても無駄だと悟った僕は素直に打ち明けることにした。もちろん異世界転生のことは伏せてだけど。
そして全てを話し終えた後に、アリスは驚きの表情を見せたが特に気にした様子を見せなかった。やはりこの子は良い人なのだなと感じた。しかしレイラは違った。明らかに怒っていますという顔をしていたのだ。
「ねぇレイラ、何か言いたいことがあるなら言ってくれてもいいんだよ?」
僕がそういうと、彼女はハッと我に帰ったような表情になり
「あ、えっと、ごめんなさい。その、勝手に真司さんの身体を使ってしまって……だから……」
そう言ってレイラは泣き出してしまった。おそらく僕が消えてしまったと思って泣いていたんだろう。
「ごめん、別に怒っているわけじゃ無いんだ。むしろ君が僕を助けてくれて感謝しているんだ。ただちょっと心配性なのかなって思っただけだよ。ありがとう、心配してくれて」
僕は優しく頭を撫でながら彼女に語りかけた。すると彼女はさらに大粒の涙を流し始めたのだ。そんな彼女を落ち着かせるため僕はずっと背中をさすり続けていた。
~sideアリス~ 真司さんは私達のことを心配しすぎだと思う。そりゃあ私達よりもレベルは遥かに上だろうけどそれでも1人で魔物を倒せるほどの力があるかと言えば怪しいところだし、それにまだ子供なのに……ってそれは私の方も同じか。まあとにかく!私は彼がいなくなると考えると胸がきゅっと苦しくなる。きっとレイラも同じ気持ちなんだろう。だからこそあんなにも怒ったのだ。
「えっと……落ち着いたかな?」
彼は困ったような顔をしながらレイラに尋ねる。
「ぐすっ……はい、大丈夫です」
「そっか。じゃあ今度はレイラの番だね」
「わ、わたしはべつに、何もないよ?」
彼女はそう答えるが彼の瞳は誤魔化せないとでもいうかのようにジッと見つめてくる。
彼女は諦めたのかゆっくりと話し出した。どうやら彼女は昔からあまり外に出ず家で本を眺めている時間が多かったらしい。
その為同年代の子とはあまり交流がなく友達と呼べる存在はアリスだけだったらしい。
そんな彼女が突然現れた同じ年の男の子に興味を示さない訳がなかった。だがいざ話しかけてみると何を話せばいいのかわからなかったらしく結局一言二言しか会話できなかったらしい。そこでレイラはその日から密かに彼を観察することにしたらしい。
その結果わかったことがいくつかあった。まずひとつめはレイラに対してとても甘いということ。これは多分妹のように思っているのだろう。次に2つ目は女の子の扱いに慣れているということだ。
おそらく昔はモテていたのだろう。まぁあくまで憶測に過ぎないんだけどね。
そして3つ目。彼についてわかったこと、というよりは予想していたこと。
おそらくこの子も……
~sideアリスend~
僕たちはアリスの話を聞き終えると2人は静かに彼女のことを見据える。その視線に気づいた彼女は恥ずかしそうに俯くと小声でこう呟いた。
「あのっ……やっぱりこんなのおかしいよね?普通に考えたらおかしいことなのはわかるの。だけどどうしても知りたくて……迷惑だっていうことはわかっていたのにごめんなさい!」
彼女は頭を下げる。僕はそれを黙って見ていると横から手が伸びてきて、僕の頬を引っ張ってきたのだ。もちろんレイラの仕業である。
「お兄ちゃん、何やってんの?この子を泣かせた責任取って慰めないと駄目じゃん!」
そう言いながら僕のほっぺたをむにむにしてくるレイラを見て、つい笑みが溢れてしまう。そして彼女の頭に手をやりよしよしと頭を撫でた。すると彼女は嬉しそうな顔をするのであった。
~sideレイラ~ 私が真司さんのことを好きなんだろうと思ったのは実は最近のことだったりする。それまではあくまで憧れに近い感情だったのだが彼と初めて出会って一緒にゴブリンを倒した時にそれは変わった。
彼に助けてもらったあの瞬間、今まで味わったことのないくらい心臓の鼓動が激しくなり顔が真っ赤になった。
これが恋なんだ。
私には恋愛の経験など無かったが直感的に感じたのだ。そしてその思いは日に日に強くなっていった。だからこのパーティを組んで一緒に過ごすことになった時はとても嬉しかった。
「ねえ、アリスさんは真司さんのどこが好きになって、そして好きになってもらえたら嬉しいと思う?」
私は勇気を出して聞いてみた。するとアリスは少し考え込むような仕草をした後に
「そうだなー……まずは何より優しいところだね。あとは時々見せてくれる笑顔とかかな。後は……」
そこまで話すと彼女は急に顔を赤くして黙ってしまった。そしてそのまましばらく経った後に彼女は小さな声で再び話し始めた。
「えっと、まだあるけどとりあえずはこのぐらいにしておいて……それでレイラさんはどうなの?」
「……わ、わたしは……」
どうやら答えを催促されてしまったようだ。
正直に言えば私はまだその段階にまで進んでいない。だけどこのままだとずっとこの気持ちに向き合えない気がした。だから意を決して私は話し始める。
「私は、その、よくわからないけど……彼がいなくなると寂しいなって思うの。それに彼がいなくなっちゃうのは絶対に嫌だな……」
私は自分の思いをアリスに伝えた。それを聞いたアリスは真剣な眼差しで
「そっか……うん、レイラが本当にその気持ちを持っているのなら大丈夫。きっといつか必ず届くはずだよ」
私はその言葉の意味を聞こうとしたがその時のアリスの顔を見るとなぜか聞くのをやめてしまった。それはまるでその事に気づいているような顔に見えたからだ。
私はアリスに礼を言うとその気持ちを確かめるために今日も頑張って戦おうと決意を固めるのであった。
~sideレイラend~
僕は彼女達の話を聞いた後、2人に今後のことについて説明していた。まず僕たちが今後狙っていく場所は王都と呼ばれる大きな街らしい。なんでもそこにはこの国の王族がいるとのことだ。
しかしそこに行く為のルートは2つある。1つは今通っている道をひたすら進むこと。もうひとつは山を越えて行くこと。どちらにもメリットとデメリットがあるが、今は山越えをすることに決めた。
その理由は2人がレベルを早く上げたいと言うことと僕がレベルを少しでも上げたいと言った理由がある。というのもアリスの話によるとこの森からはかなり強い魔物が出現することがあるらしいのだ。おそらくアリスでも勝てるかどうかという程らしい。つまりそれだけ危険だというわけなのだ。
そしてついに出発してから4日ほど経過した。ようやく木々の間から抜け出すとそこは一面草原が広がっていた。
僕は遠くに見える街を見つめながらこれからの旅路への不安を感じながらも期待に胸を膨らませるのであった。
~side 真司~
4日目の夜を迎えた頃、ようやく僕たちは目的地である王都へと辿り着いたのだ。
だがここでひとつの誤算があったのだ。それは道中で何度か遭遇した魔物達がかなり強く、レベルを上げるどころではなかったのだ。
それでもなんとかギリギリで勝利を収めることはできたが正直疲れ果てた状態で王様と会うのは少し気乗りしなかった。
そんなことを考えているうちに城門までたどり着いたのだがそこで思わぬ人物と再会することになるとは夢にも思わなかった……。
城門の前にはたくさんの兵士や冒険者らしき人達がいたのでそれぞれ身分証のようなものを提示すると中に入ることができた。その際レイラ達と一緒にいる僕を兵士達は驚いた様子で見ていた。多分あの時はレイラの関係者としか思われていなかっただろう
(あー、優斗とセックスしてえ)
ベッドに寝転びながら天井を眺め、そんなことを考えた。
コンコンと部屋のノックする。
「真司いる?」
優斗だ。扉を開ける。
「どうぞ~」
俺の言葉に従い部屋に入ってくる。俺はいつも通り部屋の鍵を閉める。
優斗は俺に抱きつく。
(おお!……優斗……)
「キスしよっか…………んちゅ」
「うん……ちゅっ、れろぉ……ぷはぁ、ゆうとくぅ~んちゅーしたいよおー」
「僕もだよー真司……はぁ……好きだよ真司……愛してる……っ!」
「ああ……はあっ……んくっ……ゆうと……おれも……すきっ!」
お互いを貪り合うように舌を絡ませあう。
(くっ、やばい、気持ち良すぎるっ!)
興奮しているせいか口内を弄られているだけなのに、イキそうになる。
「ふぅ、ごめん真司……もう限界、いれていい?」
「……お、おう……あ……きつ」
「んやぁ!……あ……あぅ……真司の……おちんちん……おっきぃ」
「ぐっ、動くよ……」
「あん……はやい……はげしすぎ……んっ!」
パンッパンッパァン!!
「は、はやい……だめぇ……いく、イクゥ!!」
「俺も、中に出すぞ」
「ああぁあ!!!」
ドクンドクンと中で出される感覚。
「は、はは……真司のお腹の上に僕の精子出てるよ……ひぁ」
「ん……」
真司は優斗の背中に腕を巻きつけ、脚も絡めて抱きしめる。
そして唇を重ねた。
「なあ、真司、また……お願い……あう……もう……おっきぃ」
優斗はさっき出したばかりのモノを再び勃起させる。
そして腰を動かす。
グチョ、ヌチュ……パンッパン
「ゆうと……好き、大好き……」
「ぼ、ぼくも……」
「「イク……うっ!!!」」
ビュルルと再び優斗の中に注ぎ込む。
優斗はビクビク震えながら、身体を密着させて余韻に浸っている。
そして数分経ってから引き抜く。ゴポッと精液が流れ出る。
「ねえ……もういっかい……」
「ちょ、待って、もうむり、休ませて……やば……死ぬ……あ……」
~~
「おはようございます……」
「おっす、お前昨日大丈夫だったのか?顔死んでるぞ?」
「ま、まさか……ちょっと風邪気味で……」
真司は必死に誤魔化そうとする。が
「そっか……無理すんなよ」
(嘘だ。本当はめちゃくちゃ元気です。なんならまだヤリ足りないくらいだ。ただ流石に体力の限界でダウンしただけだ。というより今日学校に行けるのだろうか?)
そんなことを思いながら教室に入る。すると ガラガラッ
「え、優斗!?」
優斗が教室に現れたのだ。
だが優斗はまるで生気を失ったかのように真っ青になっていた。
俺はそのことに驚きつつ自分の席に着く。優斗はフラフラと歩いてきたが俺に倒れ込んできた。
そしてそのまま俺の膝の上でスヤスヤ寝てしまう。
(襲っちまうぞ……)
なんて考えながら俺は優斗の頭を撫でた。
放課後になり、俺は優斗を背負って家まで送った。
「ありがとね、じゃ、明日はちゃんとするから……おやすみ」
「はいよ、お休み」
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