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125話
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そう思って優斗はクエストボードに向かう。
(えーっと……なになに)
・初心者向け、ゴブリン退治。
報酬:一匹につき100G。
内容
:村の畑に最近、ゴブリンが現れるようになった。
そのため討伐して欲しい。
期限
:1週間以内。
(お、いいんじゃないか。よし、これを……って、ちょっと待てよ……これどうやって受けるの?)
優斗はギルドのルールを知らないのである。すると
「ねえ君……ゴブリン退治を受けるのかい?」
後ろの席に座っていた女冒険者が話しかけてきた。
「はい、受けようと……」
その返事を聞いてその女性は微笑む。
「へぇ~可愛いのに強いんだ……私はミーシャよろしく」
握手を求められて優斗は手を出す。
柔らかい手が触れる
(女の子の手って柔らかくて気持ちいな)
そう思いながら握り返した。
それから2人は受付に向かった。そして手続きを終えると
「それじゃ行こっか」
そう言われ、ギルドを出た。
優斗と女冒険者・ミーシャは森に来ていた。
(なんかワクワクするなぁ。ゲームの世界に入った感じ)
優斗は初めてのゲーム体験を楽しみにしていた。すると
(来たぞ!あれが村を襲ったゴブリンか……ってデカくない?あんなの相手に出来るのか……)
そこには身長140センチぐらいあり 顔は醜悪で歯が鋭く 棍棒や剣を持った緑色の生物がいた。その数は十体近く。
優斗は思った
(なんか、ヤバそうだ……逃げようかな)
そうも考えたが戦うことにした。
理由は 逃げる=カッコ悪い からである。
(よし、行くか……ん?なんだ?)
その時、優斗は不思議な感覚を覚えた。
その瞬間 優斗は消えていた。そして、目の前には二体の緑の怪物がいる。
(速い!それにこれは一体……これが『全知全能』の力か)
『全知全能』
それは全てを知り、全てのことが出来る。また イメージすることで魔法を発動させることも出来る。
今、優斗の頭には敵が何処にいるのか 何体いるのかが全て分かっていた。
まず、右側の敵に狙いを定める。
(イメージ……『光弾』!)
イメージによって魔法が発動した。
光の弾丸が飛び それが魔物に当たる。
命中と同時に爆発し それは一瞬で消えた。
(おお、すげぇ……って感心してる場合じゃない!次だ)
左側の敵を捕捉。そして 再び、魔法を放つ。
しかし、相手はそれを察したのか素早く回避行動を取る。だが、それも全て把握している。
今度は逃がさないように 魔法で敵の身体強化を解除してから
『闇刃』で斬り裂いた。
2体は倒した。
(残り7体か……)
次は魔法で倒すことにする。
(やっぱり魔法って言うからには派手にいかないとね)
優斗は右手を前に出し イメージをする。
魔力を圧縮させてから一気に放つ。
圧縮させた魔砲を発射する。
7体が一斉に消し飛んだ。
「これで終わりっと」
そう呟き優斗は倒れた魔物に近づく。
死体は残らず灰になるのだ。
「すげぇな……お前」
いつの間にか後ろに男の冒険者が立っていた。
「え?」
優斗は振り向くと驚いた。そこにいたのは見覚えのある人だった。
「あなたは……」
「久しぶりだな優斗。俺のこと分かるか?」
優斗は驚きを隠せない表情を浮かべている。なぜなら、その人物は
「兄さん?」
「ああ」
優斗の兄・真一だったからだ。
(どういうこと?)
優斗は状況が飲み込めず困惑している。
そんな優斗に構わず、話を続ける真一。
「実は俺は……異世界転移者で、この世界の人間じゃねぇんだ」
真一がそう言った時、優斗は言葉が出なかった。突然の告白と自分の置かれた立場が理解出来ずにいた。すると それを見ていた、先程の女冒険者が口を開く。
「あんた達……兄弟なの?」
「ええ……」
優斗は女冒険者の質問に答えた。
「じゃあ自己紹介しないとね。私はミーシャ。で、こっちが弟の……」
「マサシと言います」
真一は偽名を名乗った。自分が異世界から来たことを知られないための配慮である。
「僕はユウトです」
優斗は名前を偽らなかった。自分という存在を知って欲しかったからである。そして、続けて真一は優斗に話しかける。
「なあ優斗……俺たちはもう二度と離れないよな……今まで辛かったけどさ……これからは幸せになろうぜ」
真一は優斗の腰に手を回して優斗の顎に手を添える。
「ちょ!?……兄さん!?……んぅ……ちゅぷ……ぁ」
そのまま優斗にキスをした。舌を入れて濃厚なやつを……
そして、長い時間キスをしていた2人 ようやく離してくれた。
そして、顔を赤くして息切れしている優斗を見て真一は微笑みながら
「可愛いぞ優斗……もっとしたいが我慢するか」
そう言って、頭を撫でてくる。優斗はそれを受け入れた後
「ぁ……ふぁ……んぅ……ひぁ」
また声を上げてしまう。
すると女冒険者が口を挟む。
「ちょっと……いい加減にしてくれない?そういうの見るのはいいんだけど、やられるのは嫌いだから……って聞いてない」
(あれ……なんだろう……頭がクラクラしてきた)
するとミーシャが近づいてきて
「大丈夫かい?ほら、これを飲んで」
ミーシャは優斗に飲み物をあげる
「あり……がと」
優斗は渡された物を飲む。そして落ち着いた。
「ありがとうございます」
優斗はお礼を言う。
「どういたしまして」
女冒険者はそう言うと再び真一と優斗のイチャイチャを見ていた。すると 優斗が急に眠くなる。
そして優斗は寝てしまった。
「ありゃりゃ……まぁいいか」
優斗を抱き抱えたミーシャは呟く。
「それじゃ帰ろうか」
こうして、優斗と真一の感動的な再会(?)は幕を閉じた。
目を覚ました時、そこは宿の一室であった。
隣には裸の真一が眠っている。
(あれ?ここは?)
起き上がり部屋を見渡す。
(なんで僕と兄さん、裸なの?)
記憶を辿る優斗。
(確か……村に行って、クエスト受けて……)
(その後どうなったっけ?)
必死になって思い出そうとする。
(ゴブリン退治を終えて……それから……)
(そうだ……なんか……キスされたんだ)
徐々に昨日の出来事を思い出す優斗。
(ええええええ!嘘だろ!)
(なんで、どうして?)
(まさか……してないよね!?兄さん!!?)
焦った優斗は、慌てて布団を退けようとした。しかし
「う~ん……」
真一が起きたようである。
「あ……起きたのか……」
目が合う優斗。
(えーっと)
(これなんて言おうかな)
(って……待って)
(え……え……?今……兄さん、なんて言った?)
よく見ると、真一の目の下には隈が出来ていた。そして顔色も良くない。明らかに疲労していた。
「おはよう」
「お、おはよう……」
とりあえず挨拶を返した。しかし状況を理解していないため
「…………あの……ここどこですか?」
「ん……ああ……俺の部屋だよ。お前、気絶しちゃってさ……それで、ここに連れてきたんだ」
(え?じゃあ何……ここでずっと一緒にいたってことか?)
優斗は思考を巡らせる。しかし結論には至らなかった。その時 コンコンとノックする音が聞こえた。
「入っていいぞ」
真一は返事をする。
ドアが開きそこには、女冒険者のミーシャがいた。
ミーシャは手に料理を持っていて机の上に置くと退出した。
優斗はその姿を見て思う。
綺麗な人だと。真一と釣り合わないぐらい美しい女性である。そして、自分の兄に視線を向けると やはり、その美貌に見惚れているようだ。そんな兄を少し引いた目で見ている優斗。すると
「なあ優斗……俺たち付き合ってるんだよな?」
いきなり意味不明なことを言われた。その瞬間、優斗は混乱する
(いや……兄さんに告白した覚えはないんだけど……え?え?付き合うって……買い物とか)←混乱中
(……ああ……そっか……兄さんは僕のことが好きなんだな……じゃなくて!兄さんは……ホモなのか!!!!!!!!!??????)
優斗の脳はオーバーヒートしている。そんな様子の優斗に真一は続ける。
「俺はなぁ……優斗を愛してる……だから結婚したいんだ」
「え?けっ……結婚?」
「はいはい勝手に言ってなさいよ」
真一の発言を遮るように、ミーシャが会話に入る。
「でも……」
そう言って優斗に近づき、耳元で囁く。
「ユウトは私のものなんだから」
真一の顔が険しくなった。そして、真一は優斗の肩を掴むと揺すってくる。
「おい!どういうことだ!優斗!」
「知らない!知らない!なんの事か全く知らない!?」
必死になって弁解しようとする優斗
「はぁ……」
ため息をつく真一、優斗はそれを無視して続けた。
「とにかく……まず服を着てくれ」
「わ、わかった」
そう言って、真一は急いで着替え始める。その間、優斗は考えた。
どうしてこんな事になったのかを。
(やっぱり、あれしか思いつかない)
(僕たちはキスはしてるので付き合ってはいる??)
(でも、それは家族としての好きで……キスしたのは恋人同士でするようなやつで……え……まさか……)
(僕と兄さんは兄弟でありながら……男と女として……)
(ええぇ!?!?!?僕は男)
「優斗?どうしたの?」
優斗の顔を覗き込んでくる女冒険者
「なんでもないです……」
「なら良いけど……あんまりぼーっとしてはダメだよ」
「は、はぁ」
「ほら!兄さん!行くよ」
「おう」
こうして、3人は部屋を出た。
ギルドの食堂に向かうと朝食が用意されていた。
席につき、食事をしていると真一が話しかけてくる。
「実はさ、俺たちこれから旅に出ることにしたんだ」
それを聞いて、優斗は動揺するがなんとか抑えた。
「え?急にどうしたの?」
「うん、まあいろいろあってね」
ミーシャはそう答える。
そして優斗は考える。この場には自分以外2人だけ。
(ということはつまり……僕が邪魔だってことか)
(確かに、僕はこの世界の人間じゃない……むしろ異世界人だ。いつか帰ることを考えたら、いつまでもここに居れないか……仕方ないか……)
そう思いながら、真一の幸せそうな顔を見てると悲しくなってきた。
食事が終わると、優斗は立ち上がる。
「あ、ごめん……僕もう行かないと」
優斗の言葉を聞いた、ミーシャが反応する。
「どこにいくんだい?」
「……故郷に帰るんです」
「……いつまで居るの?」
「わかりません……僕にも事情があるもので……」
「そっか……じゃあ……私もついていくよ」
それを聞き、驚いた優斗。
(え……ついてくるって言った?)
(ちょっと待って……兄さんと……この人と一緒ってことは……)
(またイチャイチャを見ないといけないのか!?)
「あ、えっと……兄さんが嫌みたいですよ」
(えーっと……なになに)
・初心者向け、ゴブリン退治。
報酬:一匹につき100G。
内容
:村の畑に最近、ゴブリンが現れるようになった。
そのため討伐して欲しい。
期限
:1週間以内。
(お、いいんじゃないか。よし、これを……って、ちょっと待てよ……これどうやって受けるの?)
優斗はギルドのルールを知らないのである。すると
「ねえ君……ゴブリン退治を受けるのかい?」
後ろの席に座っていた女冒険者が話しかけてきた。
「はい、受けようと……」
その返事を聞いてその女性は微笑む。
「へぇ~可愛いのに強いんだ……私はミーシャよろしく」
握手を求められて優斗は手を出す。
柔らかい手が触れる
(女の子の手って柔らかくて気持ちいな)
そう思いながら握り返した。
それから2人は受付に向かった。そして手続きを終えると
「それじゃ行こっか」
そう言われ、ギルドを出た。
優斗と女冒険者・ミーシャは森に来ていた。
(なんかワクワクするなぁ。ゲームの世界に入った感じ)
優斗は初めてのゲーム体験を楽しみにしていた。すると
(来たぞ!あれが村を襲ったゴブリンか……ってデカくない?あんなの相手に出来るのか……)
そこには身長140センチぐらいあり 顔は醜悪で歯が鋭く 棍棒や剣を持った緑色の生物がいた。その数は十体近く。
優斗は思った
(なんか、ヤバそうだ……逃げようかな)
そうも考えたが戦うことにした。
理由は 逃げる=カッコ悪い からである。
(よし、行くか……ん?なんだ?)
その時、優斗は不思議な感覚を覚えた。
その瞬間 優斗は消えていた。そして、目の前には二体の緑の怪物がいる。
(速い!それにこれは一体……これが『全知全能』の力か)
『全知全能』
それは全てを知り、全てのことが出来る。また イメージすることで魔法を発動させることも出来る。
今、優斗の頭には敵が何処にいるのか 何体いるのかが全て分かっていた。
まず、右側の敵に狙いを定める。
(イメージ……『光弾』!)
イメージによって魔法が発動した。
光の弾丸が飛び それが魔物に当たる。
命中と同時に爆発し それは一瞬で消えた。
(おお、すげぇ……って感心してる場合じゃない!次だ)
左側の敵を捕捉。そして 再び、魔法を放つ。
しかし、相手はそれを察したのか素早く回避行動を取る。だが、それも全て把握している。
今度は逃がさないように 魔法で敵の身体強化を解除してから
『闇刃』で斬り裂いた。
2体は倒した。
(残り7体か……)
次は魔法で倒すことにする。
(やっぱり魔法って言うからには派手にいかないとね)
優斗は右手を前に出し イメージをする。
魔力を圧縮させてから一気に放つ。
圧縮させた魔砲を発射する。
7体が一斉に消し飛んだ。
「これで終わりっと」
そう呟き優斗は倒れた魔物に近づく。
死体は残らず灰になるのだ。
「すげぇな……お前」
いつの間にか後ろに男の冒険者が立っていた。
「え?」
優斗は振り向くと驚いた。そこにいたのは見覚えのある人だった。
「あなたは……」
「久しぶりだな優斗。俺のこと分かるか?」
優斗は驚きを隠せない表情を浮かべている。なぜなら、その人物は
「兄さん?」
「ああ」
優斗の兄・真一だったからだ。
(どういうこと?)
優斗は状況が飲み込めず困惑している。
そんな優斗に構わず、話を続ける真一。
「実は俺は……異世界転移者で、この世界の人間じゃねぇんだ」
真一がそう言った時、優斗は言葉が出なかった。突然の告白と自分の置かれた立場が理解出来ずにいた。すると それを見ていた、先程の女冒険者が口を開く。
「あんた達……兄弟なの?」
「ええ……」
優斗は女冒険者の質問に答えた。
「じゃあ自己紹介しないとね。私はミーシャ。で、こっちが弟の……」
「マサシと言います」
真一は偽名を名乗った。自分が異世界から来たことを知られないための配慮である。
「僕はユウトです」
優斗は名前を偽らなかった。自分という存在を知って欲しかったからである。そして、続けて真一は優斗に話しかける。
「なあ優斗……俺たちはもう二度と離れないよな……今まで辛かったけどさ……これからは幸せになろうぜ」
真一は優斗の腰に手を回して優斗の顎に手を添える。
「ちょ!?……兄さん!?……んぅ……ちゅぷ……ぁ」
そのまま優斗にキスをした。舌を入れて濃厚なやつを……
そして、長い時間キスをしていた2人 ようやく離してくれた。
そして、顔を赤くして息切れしている優斗を見て真一は微笑みながら
「可愛いぞ優斗……もっとしたいが我慢するか」
そう言って、頭を撫でてくる。優斗はそれを受け入れた後
「ぁ……ふぁ……んぅ……ひぁ」
また声を上げてしまう。
すると女冒険者が口を挟む。
「ちょっと……いい加減にしてくれない?そういうの見るのはいいんだけど、やられるのは嫌いだから……って聞いてない」
(あれ……なんだろう……頭がクラクラしてきた)
するとミーシャが近づいてきて
「大丈夫かい?ほら、これを飲んで」
ミーシャは優斗に飲み物をあげる
「あり……がと」
優斗は渡された物を飲む。そして落ち着いた。
「ありがとうございます」
優斗はお礼を言う。
「どういたしまして」
女冒険者はそう言うと再び真一と優斗のイチャイチャを見ていた。すると 優斗が急に眠くなる。
そして優斗は寝てしまった。
「ありゃりゃ……まぁいいか」
優斗を抱き抱えたミーシャは呟く。
「それじゃ帰ろうか」
こうして、優斗と真一の感動的な再会(?)は幕を閉じた。
目を覚ました時、そこは宿の一室であった。
隣には裸の真一が眠っている。
(あれ?ここは?)
起き上がり部屋を見渡す。
(なんで僕と兄さん、裸なの?)
記憶を辿る優斗。
(確か……村に行って、クエスト受けて……)
(その後どうなったっけ?)
必死になって思い出そうとする。
(ゴブリン退治を終えて……それから……)
(そうだ……なんか……キスされたんだ)
徐々に昨日の出来事を思い出す優斗。
(ええええええ!嘘だろ!)
(なんで、どうして?)
(まさか……してないよね!?兄さん!!?)
焦った優斗は、慌てて布団を退けようとした。しかし
「う~ん……」
真一が起きたようである。
「あ……起きたのか……」
目が合う優斗。
(えーっと)
(これなんて言おうかな)
(って……待って)
(え……え……?今……兄さん、なんて言った?)
よく見ると、真一の目の下には隈が出来ていた。そして顔色も良くない。明らかに疲労していた。
「おはよう」
「お、おはよう……」
とりあえず挨拶を返した。しかし状況を理解していないため
「…………あの……ここどこですか?」
「ん……ああ……俺の部屋だよ。お前、気絶しちゃってさ……それで、ここに連れてきたんだ」
(え?じゃあ何……ここでずっと一緒にいたってことか?)
優斗は思考を巡らせる。しかし結論には至らなかった。その時 コンコンとノックする音が聞こえた。
「入っていいぞ」
真一は返事をする。
ドアが開きそこには、女冒険者のミーシャがいた。
ミーシャは手に料理を持っていて机の上に置くと退出した。
優斗はその姿を見て思う。
綺麗な人だと。真一と釣り合わないぐらい美しい女性である。そして、自分の兄に視線を向けると やはり、その美貌に見惚れているようだ。そんな兄を少し引いた目で見ている優斗。すると
「なあ優斗……俺たち付き合ってるんだよな?」
いきなり意味不明なことを言われた。その瞬間、優斗は混乱する
(いや……兄さんに告白した覚えはないんだけど……え?え?付き合うって……買い物とか)←混乱中
(……ああ……そっか……兄さんは僕のことが好きなんだな……じゃなくて!兄さんは……ホモなのか!!!!!!!!!??????)
優斗の脳はオーバーヒートしている。そんな様子の優斗に真一は続ける。
「俺はなぁ……優斗を愛してる……だから結婚したいんだ」
「え?けっ……結婚?」
「はいはい勝手に言ってなさいよ」
真一の発言を遮るように、ミーシャが会話に入る。
「でも……」
そう言って優斗に近づき、耳元で囁く。
「ユウトは私のものなんだから」
真一の顔が険しくなった。そして、真一は優斗の肩を掴むと揺すってくる。
「おい!どういうことだ!優斗!」
「知らない!知らない!なんの事か全く知らない!?」
必死になって弁解しようとする優斗
「はぁ……」
ため息をつく真一、優斗はそれを無視して続けた。
「とにかく……まず服を着てくれ」
「わ、わかった」
そう言って、真一は急いで着替え始める。その間、優斗は考えた。
どうしてこんな事になったのかを。
(やっぱり、あれしか思いつかない)
(僕たちはキスはしてるので付き合ってはいる??)
(でも、それは家族としての好きで……キスしたのは恋人同士でするようなやつで……え……まさか……)
(僕と兄さんは兄弟でありながら……男と女として……)
(ええぇ!?!?!?僕は男)
「優斗?どうしたの?」
優斗の顔を覗き込んでくる女冒険者
「なんでもないです……」
「なら良いけど……あんまりぼーっとしてはダメだよ」
「は、はぁ」
「ほら!兄さん!行くよ」
「おう」
こうして、3人は部屋を出た。
ギルドの食堂に向かうと朝食が用意されていた。
席につき、食事をしていると真一が話しかけてくる。
「実はさ、俺たちこれから旅に出ることにしたんだ」
それを聞いて、優斗は動揺するがなんとか抑えた。
「え?急にどうしたの?」
「うん、まあいろいろあってね」
ミーシャはそう答える。
そして優斗は考える。この場には自分以外2人だけ。
(ということはつまり……僕が邪魔だってことか)
(確かに、僕はこの世界の人間じゃない……むしろ異世界人だ。いつか帰ることを考えたら、いつまでもここに居れないか……仕方ないか……)
そう思いながら、真一の幸せそうな顔を見てると悲しくなってきた。
食事が終わると、優斗は立ち上がる。
「あ、ごめん……僕もう行かないと」
優斗の言葉を聞いた、ミーシャが反応する。
「どこにいくんだい?」
「……故郷に帰るんです」
「……いつまで居るの?」
「わかりません……僕にも事情があるもので……」
「そっか……じゃあ……私もついていくよ」
それを聞き、驚いた優斗。
(え……ついてくるって言った?)
(ちょっと待って……兄さんと……この人と一緒ってことは……)
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皆様ありがとうございます😘
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ありがとうございます💞
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