のほほん異世界暮らし

みなと劉

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休憩とお弁当の時間

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昼前になり、作業も一段落したところで休憩を取ることにした。農場の片隅には、僕が手作りした簡易なベンチとテーブルがある。木漏れ日が差し込むその場所は、風が気持ちよく通り抜け、休憩にはぴったりの場所だ。

トラックに戻り、お弁当を取り出す。朝早くに用意した手作りのお弁当は、炊きたての白米に自家製の梅干し、卵焼き、そして昨晩の残りの煮物が詰まっている。蓋を開けると、香ばしい匂いが漂い、疲れた体に元気が戻ってくるようだった。

ベンチに座ると、早速シャズナが「にゃー」と鳴いて膝に飛び乗ってきた。彼女はじっと弁当の中身を見つめながら、前足で軽く僕の手を押してくる。

「お前にはちゃんとおやつがあるからな。」
そう言って、シャズナ用に持ってきた鶏ささみスティックを取り出して渡すと、満足そうに目を細めてそれを食べ始めた。

ルシファンはというと、リッキーと一緒にトラックの荷台に座り込んで僕の方を見つめている。小さな鳴き声「ちちっ!」を何度か響かせながら、やや不満げな表情だ。

「はいはい、お前たちにもちゃんと分けるから。」
お弁当箱から、小さな卵焼きの端を切り分けてそれぞれに渡す。ルシファンはすぐに飛びつき、リッキーは鼻をぴっぴっと鳴らしてからゆっくり食べ始めた。彼らが喜んでくれる姿を見るのは、やっぱり何よりも嬉しい。

昼食を終えると、僕はトラックの側に立てかけた水筒を取り出して、冷たい麦茶を一口飲んだ。柔らかい春の風が頬を撫で、遠くで鳥の鳴き声が聞こえる。シャズナは僕の膝の上で丸くなり、居心地良さそうに目を閉じている。

ルシファンとリッキーは少し離れた場所で遊んでいた。リッキーが地面を掘るような仕草を見せると、ルシファンが「ちちっ!」と鳴いてそれを真似している。その無邪気な姿に思わず笑みがこぼれる。

「さて、そろそろ午後の作業を始めるか。」
三匹に声をかけながら腰を上げる。シャズナは伸びをしながら、リッキーとルシファンも駆け寄ってきた。

午後は苗の植え替えと、既存の作物の手入れが主な作業だ。この農場で育てた作物は、次に訪れる市場でも喜ばれるだろう。三匹と共に、自然の中で働く充実感が僕を支えてくれる。

僕たちの農場での生活は、こんな風に穏やかな日々が続いていく。けれど、どこかに新たな挑戦や出会いの予感が漂っているような気がしてならなかった。

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