のほほん異世界暮らし

みなと劉

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翌朝の静寂と新しい一日

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朝日がゆっくりと昇り、窓から差し込む光が部屋を包む。僕は静かに目を覚まし、三匹を起こさないようベッドから抜け出した。リッキーは丸くなって眠り、シャズナはふわふわの尻尾を顔にかぶせたまま、ルシファンはどっしりとした体を僕の足元に広げている。

「今日はどんな日になるかな……」

静かにキッチンへ向かい、朝食の準備を始める。新鮮な野菜を刻み、香ばしいパンをトースターに入れる音が響く頃、三匹が気配を察したようだ。シャズナが最初に「にゃーん」と甘い声をあげ、リッキーとルシファンもそれに続いてキッチンへやってきた。

「おはよう、みんな。今日はルーセリックの様子を見に行く日だぞ。」

三匹は尻尾を振ったり、身体を僕の足に擦り寄せたりして、それぞれの方法で挨拶をしてくれる。その光景に、自然と笑みがこぼれる。

朝食を三匹と一緒に食べ終えた後、僕は農場へ向かう準備を始める。今日は肥料を追加するための資材をトラックに積み込む必要がある。ルシファンは早く行きたくてたまらないようで、玄関の前で尻尾を振りながら僕をじっと見つめている。

リッキーは台所で僕が持ち出そうとしたお弁当をくんくん嗅ぎながら興味津々だ。そしてシャズナは、まるで王様のように優雅にソファの上で身繕いをしている。

「みんな準備はいいか? 今日は忙しくなるぞ。」

そう声をかけると、三匹はトラックの荷台に飛び乗る。荷物を積み終え、エンジンをかけて出発する。

農場に到着し、まずはルーセリックの苗の様子を確認する。驚いたことに、苗の成長がさらに進んでおり、葉の色が濃くなり、しっかりとした茎が見える。

「おお、順調だな。この調子なら収穫も近いぞ。」

リッキーが苗の周りをくるくると回り、シャズナはその場に座って観察を始める。ルシファンはというと、畑の端に走っていき、何かを発見したようだ。

「ルシファン、何か見つけたのか?」

近づいてみると、どうやら小さな野ウサギが畑の周辺に現れていたらしい。野ウサギはすぐに逃げてしまったが、その様子を見てリッキーとシャズナも興味津々で駆け寄ってきた。

「畑の周りに動物が増えたのは、環境が良くなった証拠かな。」

三匹と一緒にその場を眺めながら、自然の豊かさを感じた。

昼食を済ませた後、午後の作業に取りかかる。今日はルーセリックの苗の間に雑草が生えないよう手入れをする日だ。シャズナはその手元を興味深げに眺めており、リッキーは自分も手伝いたそうに前足で土を掘る仕草を見せる。

「おいおい、そこは掘らないでくれよ!」

笑いながら手を止めると、リッキーは申し訳なさそうな顔をするが、シャズナとルシファンはまるで「やれやれ」と言いたげにその様子を見ている。

三匹の助け(?)もあって、午後の作業は無事に終わった。最後に水やりをして、今日の作業を締めくくる。

帰り道、三匹は満足そうに荷台に乗り、窓から吹き込む風を楽しんでいる。

「今日もよく頑張ったな。次はルーセリックが花を咲かせる頃だろう。その時が楽しみだ。」

ふと、交配のアイデアが頭をよぎる。ルーセリックの花を他の野菜と掛け合わせたら、どんな新しい作物ができるだろうか。

家に着く頃には、三匹もすっかり疲れて静かになっていた。トラックを停めると、彼らは自分たちの寝床に向かってふらふらと歩いていく。その後ろ姿を見て、また一つ、農場での夢が膨らむのだった。

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