のほほん異世界暮らし

みなと劉

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家での夜と三匹の活躍

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家に着くと、三匹は一瞬だけ疲れたように見えたが、次の瞬間には元気を取り戻し、玄関を飛び出した。ルシファンは庭の隅に駆け寄り、何かの匂いを嗅ぎ取っている。リッキーはその場でジャンプを繰り返し、シャズナは「まったく元気なんだから」とでも言いたげにゆっくりと尻尾を振りながら玄関マットの上でくつろいでいる。

僕はその様子を眺めつつ、夕飯の準備に取りかかる。

台所では、今日の収穫を活かした料理を作ることにした。採りたてのルーセリックを細かく刻み、スープの具材にする。香りが立つと、三匹が興味津々にキッチンへやって来た。

「待て待て、これはお前たちのじゃないぞ。」

僕が言うと、リッキーは悲しそうな目でこちらを見上げる。シャズナはそれを横目に見て、「それなら私に」と言わんばかりに優雅に座って待機。ルシファンはというと、こっそりとテーブルの上を覗き見しようとしている。

「はいはい、君たちの分もちゃんと用意してあるから。」

三匹のために作った特製ご飯をそれぞれの器に入れると、喜びの声を上げながら夢中で食べ始めた。その光景を見て、僕もほっと一息つく。

夕食を終えた後、僕は三匹を連れてリビングに向かう。ルシファンはいつものようにソファに飛び乗り、リッキーは僕の膝の上に陣取る。シャズナは少し離れた場所からそれを見つめ、ゆっくりと毛づくろいをしていた。

「今日は疲れたけど、楽しかったな。」

僕が言うと、ルシファンが尻尾を振り、リッキーは嬉しそうに喉を鳴らす。シャズナも一瞬こちらを見て、「そうね」とでも言いたげに目を細めた。

窓の外には月明かりが差し込み、庭の木々を静かに照らしている。こうした穏やかな時間が、僕にとって何よりの癒しだった。

夜も更け、三匹はそれぞれの寝床に戻った。僕も一日の疲れを癒そうとベッドに入るが、ふと妙な音が聞こえた。

「カサ……カサ……」

目を覚まし、音のする方に行ってみると、シャズナがキッチンで何かをしていた。

「シャズナ、こんな時間にどうしたんだ?」

僕が声をかけると、シャズナは振り返り、前足で何かを指し示した。それは、僕が夜食用にと残しておいたパンだった。

「なるほど、こっそりつまみ食いしようとしたんだな。」

シャズナは恥ずかしそうに耳を垂らしながらも、どこか満足げな表情を浮かべている。その様子に苦笑しながらパンを少しだけ分け与えると、シャズナは静かにそれを食べて満足そうに戻っていった。

朝日が昇り、新しい一日が始まる。今日も三匹と一緒に農場に向かう予定だ。昨日植えたルーセリックの様子を見に行くのが楽しみだし、次の交配計画についても考えをまとめておきたい。

「みんな、今日は何が待ってるかな?」

三匹は僕の声に応えるように、それぞれ元気な仕草を見せる。こんな何気ない日々が、僕にとっては何よりも大切な時間だと実感するのだった。

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