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1章
食堂で
しおりを挟むルゼに連れられてというか、抱き上げられて食堂へきた私達はとりあえず空いている席に着いた。そこでやっとルゼから解放された。やっと。
「リーリアは何が食べたい?」
「…何があるの?」
「う~ん。説明するのが難しいな。おすすめでもいい?」
ここに何があるのか分からない私はおすすめでいいかと思い頷いた。
「わかった。注文してくるから待ってて?」
ルゼはそう言うと席を立ち厨房の方へと向かっていった。
食堂は、意外と…って言うのは失礼かなと思ったけど食事するところだろうかピカピカしていて、清潔に保たれている。毎日掃除してるんだろうなと感じられる場所だった。
「お待たせ。これがここのおすすめの料理だよ」
そう言って出てきたのはトマトベースのパスタだった。ベーコンにマッシュルームも入っていてとても美味しそうだった。
「いただきます」
手を合わせてから食べ始める。パスタを1口口へ入れるとトマトの味がしっかりしていて、ベーコンの旨みもきちんと入っている。
「美味しい…」
「でしょ?ここの料理人の料理は1番美味しいんだよ」
ルゼが褒められた訳では無いのに嬉しそうにしている。犬耳と尻尾が見えるのは今に始まったことではないけど…もぐもぐと食べていると目の前の席に誰かが座った。
「よく寝れたか?」
その人は昨日ギルと話していた人だった。寝れたかと言えば寝れたので頷いておく
「フェルさん!お疲れ様です!」
その人はフェルと言うらしい。ギルも知ってたのかな…
そんなことを思いながらパスタを食べ続ける。
フェルという人はルゼとは違ったかっこよさが滲み出ていた。じっと見すぎていたのか、目が合ったので慌てて逸らした。
「…口の周り付いてる」
そういうと、どこからか取り出したハンカチで私の口の周りを吹く。トマトのソースが付いていたらしい。
「…むぐっ」
「ふっ、可愛いな」
さっきまでムスッとしていたのに、私の口周りを拭いて笑っている
「ふ、フェルさんが笑った!?!?」
ガタガタっとルゼは勢いよく立ち上がり大声を出した。うるさいほどの。それほど珍しいのだろうか。フェルが笑うのは。ずっと拭いてる時も口元があがってたしな…
「うるさいぞルゼ。食堂では静かにしろ」
注意されたルゼはしょぼんと犬耳を垂れ下げ椅子に座り直した
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