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Re:Memories of summer
常夏の恋-Re:Memories of Summer-⑦
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「って!な、なな、ななんで先輩のワイシャツと短パンを着てるんですかー!!」
「まぁその色々あってだな」
「それで……あなたは透也のお友達?」
「私は先輩の同級生です!クラスメイトですー!って話を逸らされましたぁ!?」
「じ、じゃあ、なんで先輩って……」
ドヤ顔で生徒手帳を見せるが、同級生ならばなぜ先輩と呼ぶのか。それは勉強を教えてからというもの、透也の事を先輩と勝手に言ってきているだけだ。別にそれ以上でもそれ以下でも何でもない。
「そっちは本当に幼馴染なのか証明できますか!?」
「……はぁ、めんどくせぇなぁ……てか写真とか実家にあるんだが」
「それなら心配ご無用だよ。透也の好きなものとか嫌いな物全部言えばいいんだからね」
「あぁ、なるほど……ってお前ら他人の家で張り合うな!」
彼の願いは虚しく終わり、和香羽は知っている限り透也の事を言う。それもなんでそこまで知ってるんだと不思議に思う事までも知っており、話の話題になっている彼は顔を真っ赤に染め上げていた。
「も、もういいだろ……さすがに恥ずかしい」
「せ、先輩が顔を真っ赤に……本当に幼馴染……というか先輩のこと知りすぎて少し気持ち悪いです……」
「失礼だなぁ……ってもうこんな時間!?買物まだだし、私一回帰るね!あ、私の家の電話番号忘れてないよね?」
「あ、あぁ何となく覚えてる」
「なら服洗濯し終わったら連絡してね!それじゃ!」
「また水かけられんなよー」
ふと和香羽は時計を見ると、時計の短針は十一に、長針がピッタリと十二を指していた。つまりは丁度十一時になっていたのだが、彼女が焦ったのは、もう時期昼時になるから。
元々彼の家に寄る予定はなく、買い物を済ませ、家で昼食を作る予定だった。故に髪を乾かずに傘を片手にその場を後にした。
彼女がいなくなった途端、ボソボソと透也のワイシャツ、短パンを彼女が履いていることに対し、愚痴やら文句やらが清宮から発せられていた。
直後、空腹の合図が清宮から聞こえる。
「も、もうそろそろお昼ですね!勉強の前にご飯食べましょう!腹が減っては戦はできぬ、なんて言葉もありますし、てことでいつものお願いします!」
「はぁ、ここはお前だけの食堂じゃねぇっての少しは自重しろよな……で、いつものって言うとあれだな」
「えへへ。先輩が作るあれはとても美味しくてたまらないのです……!」
しかし冷蔵庫の中にはこの間買った一人分の食料しかない。否、四人分の食料もあるのだがそれは一応非常用としてのインスタント麺。だが清宮が来た時は決まってこのインスタント麺を作る。
さらに清宮の要望もあり、麺の上には落し玉子を入れる。それが彼女の言う“いつもの”だ。
だが今は常夏の季節でましてや雨、湿度が高く、外と比べ部屋の中はかなり暑い。ならばと“いつもの”に一手間加え茹で卵乗りの冷麺を自身の分も合わせて作る。
それから数分後、清宮の前にインスタント冷麺が乗った皿が置かれた。
「待ってました!っていつものじゃないですか!!」
「当たり前だ。こんな暑苦しい時に熱いのなんて食ってみろ。余計暑くなって倒れるぞ」
「だから冷麺で玉子は茹で卵に?気遣いありがたいですが結局いつものじゃないですよね!!」
「そうだって言ってんだろ。嫌なら食うな」
「食べますー!」
文句を言いつつもパチンと割り箸を綺麗に割り、横髪が入らないようにと左手で髪を抑えながら麺を小さな口の中へと運ぶ。
「うー悔しいけどいつものより美味しい!冷たくて今日みたいに暑い日にピッタリですね!」
「さっきの文句はどこいったんだか……ま、口に合ってなによりだ……あ、意外と美味しいな」
一口食べれば先ほどの文句はどこへ行ったのか美味しいとスッと言い、食べ続ける。
彼もまた手製インスタント冷麺を食べ始めるが、予想していたよりも美味しいことに気付かされる。
「あ、おかわりはないからな」
「え!?」
彼女は冷麺の美味しさに惹かれ、二食目を食べる気満々だったようだ。
ーーそれから数分後それぞれが食べ終わりようやく勉強会へと移った。
「まぁその色々あってだな」
「それで……あなたは透也のお友達?」
「私は先輩の同級生です!クラスメイトですー!って話を逸らされましたぁ!?」
「じ、じゃあ、なんで先輩って……」
ドヤ顔で生徒手帳を見せるが、同級生ならばなぜ先輩と呼ぶのか。それは勉強を教えてからというもの、透也の事を先輩と勝手に言ってきているだけだ。別にそれ以上でもそれ以下でも何でもない。
「そっちは本当に幼馴染なのか証明できますか!?」
「……はぁ、めんどくせぇなぁ……てか写真とか実家にあるんだが」
「それなら心配ご無用だよ。透也の好きなものとか嫌いな物全部言えばいいんだからね」
「あぁ、なるほど……ってお前ら他人の家で張り合うな!」
彼の願いは虚しく終わり、和香羽は知っている限り透也の事を言う。それもなんでそこまで知ってるんだと不思議に思う事までも知っており、話の話題になっている彼は顔を真っ赤に染め上げていた。
「も、もういいだろ……さすがに恥ずかしい」
「せ、先輩が顔を真っ赤に……本当に幼馴染……というか先輩のこと知りすぎて少し気持ち悪いです……」
「失礼だなぁ……ってもうこんな時間!?買物まだだし、私一回帰るね!あ、私の家の電話番号忘れてないよね?」
「あ、あぁ何となく覚えてる」
「なら服洗濯し終わったら連絡してね!それじゃ!」
「また水かけられんなよー」
ふと和香羽は時計を見ると、時計の短針は十一に、長針がピッタリと十二を指していた。つまりは丁度十一時になっていたのだが、彼女が焦ったのは、もう時期昼時になるから。
元々彼の家に寄る予定はなく、買い物を済ませ、家で昼食を作る予定だった。故に髪を乾かずに傘を片手にその場を後にした。
彼女がいなくなった途端、ボソボソと透也のワイシャツ、短パンを彼女が履いていることに対し、愚痴やら文句やらが清宮から発せられていた。
直後、空腹の合図が清宮から聞こえる。
「も、もうそろそろお昼ですね!勉強の前にご飯食べましょう!腹が減っては戦はできぬ、なんて言葉もありますし、てことでいつものお願いします!」
「はぁ、ここはお前だけの食堂じゃねぇっての少しは自重しろよな……で、いつものって言うとあれだな」
「えへへ。先輩が作るあれはとても美味しくてたまらないのです……!」
しかし冷蔵庫の中にはこの間買った一人分の食料しかない。否、四人分の食料もあるのだがそれは一応非常用としてのインスタント麺。だが清宮が来た時は決まってこのインスタント麺を作る。
さらに清宮の要望もあり、麺の上には落し玉子を入れる。それが彼女の言う“いつもの”だ。
だが今は常夏の季節でましてや雨、湿度が高く、外と比べ部屋の中はかなり暑い。ならばと“いつもの”に一手間加え茹で卵乗りの冷麺を自身の分も合わせて作る。
それから数分後、清宮の前にインスタント冷麺が乗った皿が置かれた。
「待ってました!っていつものじゃないですか!!」
「当たり前だ。こんな暑苦しい時に熱いのなんて食ってみろ。余計暑くなって倒れるぞ」
「だから冷麺で玉子は茹で卵に?気遣いありがたいですが結局いつものじゃないですよね!!」
「そうだって言ってんだろ。嫌なら食うな」
「食べますー!」
文句を言いつつもパチンと割り箸を綺麗に割り、横髪が入らないようにと左手で髪を抑えながら麺を小さな口の中へと運ぶ。
「うー悔しいけどいつものより美味しい!冷たくて今日みたいに暑い日にピッタリですね!」
「さっきの文句はどこいったんだか……ま、口に合ってなによりだ……あ、意外と美味しいな」
一口食べれば先ほどの文句はどこへ行ったのか美味しいとスッと言い、食べ続ける。
彼もまた手製インスタント冷麺を食べ始めるが、予想していたよりも美味しいことに気付かされる。
「あ、おかわりはないからな」
「え!?」
彼女は冷麺の美味しさに惹かれ、二食目を食べる気満々だったようだ。
ーーそれから数分後それぞれが食べ終わりようやく勉強会へと移った。
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