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閑話、魔導師の独白。その一
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あの方を見た時、何て綺麗な瞳だろうと驚いた。
金の瞳が、どんな宝石よりも輝いていて、まるで吸い込まれる様な感覚に陥った。そして、夜を閉じ込めたかの様な艶やかな黒髪、知性を感じる眉、すっと通った鼻筋。全てが計算されたかの様に美しい。王族ともなれば見目が良い者を囲うのは世の常。それがこんなにも美しい生き物を生み出すなんて。
王族が廃嫡されて流れて来たと、噂は砦内で瞬く間に広がっていた。
金の瞳は王族の証。
昔、そう生まれる様に妖精と取り引きしたとも、今は失われた魔法を使ったとも言われているけれど、定かではないけれど、実しやかに言われる言い伝え。
誰もがお近付きになりたいと思っていたのに、彼の横にはあの冴えない薬師が居る。
何処で知り合ったのか、彼が砦に入る時には既にぴったりと付いて回っていたと聞くから腹立たしい。眼鏡で、いつも居るんだか居ないんだかはっきりしない存在感の薄い女。
それが従者だか何だか知らないけれど、部屋を特別に与えられ、毎日お側に居るだなんて、納得出来ない。薬師なんて補助も補助の立ち位置だし、戦闘では何の役にも立たないし、寧ろお荷物だし。あんなのがあの方の世話をするなら、私の方が遥かに役に立つというもの。
あの方の目に留まり、考えを改めて頂かねば。
そう思っていたら、薬師達の薬草採取の日がやって来た。はっきり言えば、そんなもの騎士達だけで同行すれば済むでしょうと常々思っていたけれど、あの方が一緒に散策されると聞いて、私は名乗りを上げた。これでも実力はある方だし、誰にも譲る気は無い。そう思って挑んでみれば、治癒術師のジェナが居る。こいつは元貴族だからって高飛車でいけ好かない。
でも今日は相手が元貴族だろうと負ける訳には行かないのだ。
「治癒術師のジェナと申します。治癒の女神、アルステナの信徒です。どうぞ良しなに」
「魔導師のメイネです。炎系が得意です、宜しくお願い致します。うふふ」
早速色目を使うジェナに、挨拶の先を越されてしまったけれど、私は出来るだけ穏やかに自己紹介した。けれど、彼の反応は返って来ない。
「ご挨拶遅れました、今日の隊を指揮するルイーズ・メニスです。安全に終えられる様、私の指示には従って下さい」
「はい。宜しくお願い致します」
ああ、声まで何て綺麗なのだろう。優しく響いて心地よい。もっと、お話ししたい。
けれど、彼はちらりとも此方を見ないで、森を興味深げに見ている。どうしたら、私を見てくれるの?
『…………』
あら? 何か今日は森が騒がしいわね?
「今日は貴方方運が良くてよ? この様な散策で私がお供するのですから。普段でしたら考えられない待遇だわ。フェリクス様に感謝しなければ」
いきなり後ろのジェナが自慢気に話し出した。彼を名前呼びなんて、親しくなったつもりなのかしら?
「あらぁ? 普段から『許されてもいない内から、勝手に人の名前を呼ぶのは失礼だ』とか何とか仰ってる方が、嫌だわ。礼儀を何処へ置いて来たのかしら」
ふん、と鼻で笑ってやれば、ジェナは面白いくらいに顔を歪めた。ほらほら、もっとその顔を晒しなさいよ。
「なあ、リサ。どうせならいつか『暗き森』に行ってみたくはないか? 」
「…………」
突然有り得ない事を言い出して、私は慌てて彼を見た。けれど、彼はあの地味女を見つめていて、気付いてもくれない。そんなにその女が良いのかしら? どうして?!
「ま、まあ、あそこは危ない場所でしてよ」
「あら、でしたら私がお力添え致しますわ」
取り繕う様に声を掛けても無反応。
『…………』
また何か……? 何か聞こえる。
「閣下、閣下」
もう一人の薬師の地味眼鏡がひそひそ声でフェリクス様に話しかけている。気軽に話しかけないでよ。
「面白い話が……」
「ネネ、言ったら二度と行かないからね」
「ネネ。私達の死活問題になりかねない。辞めなさい」
「面白い話なら聞かせて欲しい。リサの事だろうか? 」
「まぁ、リサの事でもあり、私達の事でもあります」
何を話しているのかしら? 気軽に下らない話を……
「リサは私にとってとても大切な人だからね。小さな事でも知っておきたいんだ」
「わー、そうなんですねぇ。リサは大切にされてますねぇ、良かった良かった」
許せない。何でこんな奴が大切にされてるの?! ……まあ、どうせお世辞でしょうけど。
「まあ、大切な従者という事でしょう。閣下は下の者にもお優しくありますのね」
「懐の大きさを見せられましたわ。とても素敵です、うふふ」
それから彼と地味女はこそこそと内緒話をしている。どうしてそんなに親し気なの? 暗い気持ちがもやもやと渦巻いて来る。あれ、私普段からこんなに感情をコントロール出来なかったかしら?
そうこうしていると、あの地味女は彼の従者だと言うのに、側を離れて一人歩き出した。
「待ちなさいよ、さっきのあれどーゆー意味よ? 」
「嫌だわ、身の程も弁えない恥知らずって、見ていて滑稽なのね」
振り向きもしない地味女。ああ、腹立たしい。
けれど、私達を無視して地味女は奥へと行ってしまう。そんな事よりあの方の元へ戻ろうと踵を返せば、ジェナと目が合った。
「貴方、何なのさっきから」
「こっちの台詞ね? 邪魔なのよ、偉そうに」
『……くすくす…』
ああ、さっきから煩いわね! 思わず虫を追い払う様に手を振る。
「……何なの? 手なんか振り回して」
「煩いのよ、邪魔しないで! 」
私は耳を抑えて元居た場所へ戻った。けれど、彼の姿は見えない。
暫くしてあの地味と共に戻って来られた。きっと探しに行かれたのだろう、何てお優しいのだろう。やっぱり、あんな身勝手な女より、私の方が!
帰りも彼と言葉を交わせない。一体どうしたら良いの??
「……ああ、思い出した。リシュニアって、マーブルクのリシュニア辺境伯令嬢の事だわ。病に伏せっているって噂だったけれど。……あ、違ったわね。婚約破談されて心労で倒れた……だったかしら」
「え……お嬢様だとは思っていたけど、リサ、辺境伯様の娘なの? 」
「ネネ、流石にそこは知っておこうよ。第八騎士団とマーブルク家は切っても切れない間柄だよ? 」
……辺境伯の娘? この地味女が?! 何だか隊長が慌てていたとは思ったけれど。
「大方、もう誰も相手にしてくれなくて、新しくお相手を探しにコネで砦に入って来たのでしょうけど、まさか閣下に擦り寄るなんて身の程知らずも良いところね」
だから彼の従者になったと言う事?? 親の力を使うなんて卑怯だわ!!
「先程から聞いていれば言いたい放題。誰が倒れただ。誰が男漁りに来ただ。治癒術師の癖に無駄に肌を出している貴女に言われたくない」
「ぶっ」
思わず吹出してしまう。何よ、令嬢なんて程遠い言葉使いじゃない。それにジェナの奴、いい気味よ。
「リシュニア嬢は私が希望して無理に助手にしたのだ。彼女の魔力は質が良いので、研究にとても役立ちそうだからな。ついでに言えば、汝等の格好、魔物が闊歩するこの地に相応しくない。何を考えている。死にたいのか。まあ、死のうが何だろうが好きすれば良いが」
え? どうしてそんな事を言うの?? 可愛い格好をしてはいけないの? だって、見て欲しいもの。それはいけない事??
「私が選んだ人選に文句があるのなら私に言え。気分が悪い」
なんて素敵な笑顔で酷い事を言うのだろう。
『ねぇ? 聴こえているよね? 無視しないでよ?? 』
ああ、煩い。
金の瞳が、どんな宝石よりも輝いていて、まるで吸い込まれる様な感覚に陥った。そして、夜を閉じ込めたかの様な艶やかな黒髪、知性を感じる眉、すっと通った鼻筋。全てが計算されたかの様に美しい。王族ともなれば見目が良い者を囲うのは世の常。それがこんなにも美しい生き物を生み出すなんて。
王族が廃嫡されて流れて来たと、噂は砦内で瞬く間に広がっていた。
金の瞳は王族の証。
昔、そう生まれる様に妖精と取り引きしたとも、今は失われた魔法を使ったとも言われているけれど、定かではないけれど、実しやかに言われる言い伝え。
誰もがお近付きになりたいと思っていたのに、彼の横にはあの冴えない薬師が居る。
何処で知り合ったのか、彼が砦に入る時には既にぴったりと付いて回っていたと聞くから腹立たしい。眼鏡で、いつも居るんだか居ないんだかはっきりしない存在感の薄い女。
それが従者だか何だか知らないけれど、部屋を特別に与えられ、毎日お側に居るだなんて、納得出来ない。薬師なんて補助も補助の立ち位置だし、戦闘では何の役にも立たないし、寧ろお荷物だし。あんなのがあの方の世話をするなら、私の方が遥かに役に立つというもの。
あの方の目に留まり、考えを改めて頂かねば。
そう思っていたら、薬師達の薬草採取の日がやって来た。はっきり言えば、そんなもの騎士達だけで同行すれば済むでしょうと常々思っていたけれど、あの方が一緒に散策されると聞いて、私は名乗りを上げた。これでも実力はある方だし、誰にも譲る気は無い。そう思って挑んでみれば、治癒術師のジェナが居る。こいつは元貴族だからって高飛車でいけ好かない。
でも今日は相手が元貴族だろうと負ける訳には行かないのだ。
「治癒術師のジェナと申します。治癒の女神、アルステナの信徒です。どうぞ良しなに」
「魔導師のメイネです。炎系が得意です、宜しくお願い致します。うふふ」
早速色目を使うジェナに、挨拶の先を越されてしまったけれど、私は出来るだけ穏やかに自己紹介した。けれど、彼の反応は返って来ない。
「ご挨拶遅れました、今日の隊を指揮するルイーズ・メニスです。安全に終えられる様、私の指示には従って下さい」
「はい。宜しくお願い致します」
ああ、声まで何て綺麗なのだろう。優しく響いて心地よい。もっと、お話ししたい。
けれど、彼はちらりとも此方を見ないで、森を興味深げに見ている。どうしたら、私を見てくれるの?
『…………』
あら? 何か今日は森が騒がしいわね?
「今日は貴方方運が良くてよ? この様な散策で私がお供するのですから。普段でしたら考えられない待遇だわ。フェリクス様に感謝しなければ」
いきなり後ろのジェナが自慢気に話し出した。彼を名前呼びなんて、親しくなったつもりなのかしら?
「あらぁ? 普段から『許されてもいない内から、勝手に人の名前を呼ぶのは失礼だ』とか何とか仰ってる方が、嫌だわ。礼儀を何処へ置いて来たのかしら」
ふん、と鼻で笑ってやれば、ジェナは面白いくらいに顔を歪めた。ほらほら、もっとその顔を晒しなさいよ。
「なあ、リサ。どうせならいつか『暗き森』に行ってみたくはないか? 」
「…………」
突然有り得ない事を言い出して、私は慌てて彼を見た。けれど、彼はあの地味女を見つめていて、気付いてもくれない。そんなにその女が良いのかしら? どうして?!
「ま、まあ、あそこは危ない場所でしてよ」
「あら、でしたら私がお力添え致しますわ」
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『…………』
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「閣下、閣下」
もう一人の薬師の地味眼鏡がひそひそ声でフェリクス様に話しかけている。気軽に話しかけないでよ。
「面白い話が……」
「ネネ、言ったら二度と行かないからね」
「ネネ。私達の死活問題になりかねない。辞めなさい」
「面白い話なら聞かせて欲しい。リサの事だろうか? 」
「まぁ、リサの事でもあり、私達の事でもあります」
何を話しているのかしら? 気軽に下らない話を……
「リサは私にとってとても大切な人だからね。小さな事でも知っておきたいんだ」
「わー、そうなんですねぇ。リサは大切にされてますねぇ、良かった良かった」
許せない。何でこんな奴が大切にされてるの?! ……まあ、どうせお世辞でしょうけど。
「まあ、大切な従者という事でしょう。閣下は下の者にもお優しくありますのね」
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そうこうしていると、あの地味女は彼の従者だと言うのに、側を離れて一人歩き出した。
「待ちなさいよ、さっきのあれどーゆー意味よ? 」
「嫌だわ、身の程も弁えない恥知らずって、見ていて滑稽なのね」
振り向きもしない地味女。ああ、腹立たしい。
けれど、私達を無視して地味女は奥へと行ってしまう。そんな事よりあの方の元へ戻ろうと踵を返せば、ジェナと目が合った。
「貴方、何なのさっきから」
「こっちの台詞ね? 邪魔なのよ、偉そうに」
『……くすくす…』
ああ、さっきから煩いわね! 思わず虫を追い払う様に手を振る。
「……何なの? 手なんか振り回して」
「煩いのよ、邪魔しないで! 」
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……辺境伯の娘? この地味女が?! 何だか隊長が慌てていたとは思ったけれど。
「大方、もう誰も相手にしてくれなくて、新しくお相手を探しにコネで砦に入って来たのでしょうけど、まさか閣下に擦り寄るなんて身の程知らずも良いところね」
だから彼の従者になったと言う事?? 親の力を使うなんて卑怯だわ!!
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え? どうしてそんな事を言うの?? 可愛い格好をしてはいけないの? だって、見て欲しいもの。それはいけない事??
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