セカンドライフ!

みなみ ゆうき

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生徒会室の雑談

お気に入り1000件突破感謝SS『生徒会室の雑談』

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【光希が最初に役員補佐になって一週間ほど経った時のお話です】



「ねぇねぇ。みっきぃ、これやろうよー」


放課後。役員補佐として生徒会で黙々と仕事をこなしていると、今までどこかに行っていて留守だった壱琉先輩が一枚の紙を持って戻ってきた。

いつも不思議なんだけど、壱琉先輩ってどこかに行ってて生徒会室にいないことも多いし、いてもこうやって遊んでるようにしか見えないのにちゃんと仕事してるんだもんな……。

面倒くさいとは思いつつも、そう言ってしまったら更に厄介なことになりそうな気がするので、ここは適当に答えて会話を終わらせるのが一番だと判断し、一旦手を止める。


「……なんですか?」


パソコン画面から視線を外し、壱琉先輩が手に持っている紙をチラリと見ると、そこには『あなたの本心がまるわかり!色でイメージする心理テスト』と書かれていた。

色の心理テストね……。そういえば前にクラスの女の子達とやってみたことがあったような。

確か茶色が嫌いな人。緑が友達。青が結婚相手で、紫がセックスしたい人。後はなんだっけ?

朧気な記憶を呼び起こしながら用紙に書かれている内容を見たところ。

……結果を知ってる色がひとつもなかった。


「じゃあこの色で連想する生徒会メンバーを言ってみて!
えーとまずは水色!」


水色ってことは青系だよな。ということは結婚相手か?
男同士で結婚相手って……。


「……壬生先輩で」


どことなく不毛なものを感じつつも、役員メンバーで俺的好感度がブッチギリな壬生先輩の名前を答えると。


「水色はねー、『差し障りのない人』。つまりは印象が薄いってことみたい。翔ちゃんは生徒会役員で一番影が薄いってことだね!」

「え!?」


予想とは全く違う結果を聞かされ驚かずにはいられない。


「じゃあ次は灰色!」


灰色……。これまた難しそうな色が……。

少しだけ悩んでいると、役員メンバー全員の視線が俺に集まっているのがわかった。

心なしか壬生先輩の表情が硬いのは、遊んでないで仕事しろってことかもしれない。

さっさと答えて終わりにしないと。


「朝比奈先輩で」

「オッケー。灰色は『何かと鼻に付く人』だって!」


あー、それ何となくわかる気が……。

朝比奈は胡散臭い笑顔を張り付けて余裕そうに見せてはいるが、眉毛がピクピク動いているところを見ると、ちょっとムカついてんだろうな。


「次、ピンク!」


これは色の印象的に壱琉先輩って感じがしないでもないけど。


「……佐伯先輩かな?」


普段からピンクオーラ垂れ流しだから。


「ピンクは『参考にはしたくない。格下だと思ってる相手』だって」

「ヒドイよ~。光希ちゃん」


佐伯が文句を言ってくるが、俺的には納得だ。


「後は僕と清ちゃんかぁ。じゃあ当てはまると思う色をこの中から選んでもらおうかな」


残っているのは、紺、黄緑、臙脂、オレンジというどれも微妙に結果が連想しづらい色だった。

この中だったら……。


「会長様は紺。壱琉先輩は……、黄緑?」

「紺は『苦手な人。頭が固くて融通がきかない人』だって!」


正直言って会長様は他に当てはまる色が無かっただけだけど、正しくピッタリ。


「壱琉先輩の黄緑は?」

「黄緑はね、『話が噛み合わない人』だって。えー。僕達こんなに仲良しなのにおかしいねぇ。この心理テストも案外あてになんないなぁ」


壱琉先輩は不満そうに口を尖らせているが、たぶんこの結果が一番合ってる気がする。


「そういった心理テストは色んな解釈があるようですし、その時の心理状態によって回答も変わるでしょうから、鵜呑みにする必要はないと思いますよ」


すかさず朝比奈がフォローしてくるが、俺には灰色に朝比奈を選んだことを根に持ってるようにしか思えない。


俺はというと。

とりあえず全員分答えて義務を果たしたのをいいことに、まだごちゃごちゃ何か言っている壱琉先輩の話をほぼ聞き流しながら仕事に集中することにした。

残りの二色の結果が何だったのか気にならないと言ったら嘘になるけどな……。
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