セカンドライフ!

みなみ ゆうき

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番外編

その後11.誕生日を祝いました!【当日】2/2 ※R18

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舌先でお互いの舌をゆっくりと愛撫するようなキスをしながら、東條が超優しいタッチで俺の身体に触れてくる。

髪を撫で、耳、首筋、鎖骨を指で辿りながらもどかしいほどゆっくりとした動きで徐々に肌の感度を上げていく感じ。

くすぐったいと気持ちいいのギリギリのラインを保ちながら施される愛撫は、身体の中にじわじわと快感を溜めていくようなイメージで。
いつものように一気に煽られ追い上げられるような感じこそないものの、与えられる感覚のひとつひとつが着実に積み上がり脳と身体を溶かしていくようなものだった。


キングサイズのベッドの上に横たわっている俺は既に一糸纏わぬ姿にされており、東條はそんな俺の身体に余すことなく触れていく。
指先で唇で舌で俺の輪郭を全てなぞるかのように丁寧に触れられれば、性器以外の場所でも快感を拾えるようになっている俺の身体は顕著な反応を見せ、俺は無意識にその先の行為をねだるように腰をくねらせていた。

これはこれで気持ちいいし、時間を掛けて触れてもらえる分、身体だけじゃなく気持ちもちゃんと触れ合っている感じになれるんだけどさ……。

でも既にもっと深いところで繋がる快感を知っている身体は、やはりそれだけでは満足してはくれないようで。

身体の奥がいつも以上に疼いてしまい、堪らない気持ちにさせられた。


「先生……」


この熱をどうにかして欲しくて東條を見つめる。
しかし、東條は熱などまるで感じないような穏やかな表情で薄く笑った。


「どうして欲しいか言えよ。今日は光希の望みは何でも叶えてやるって言っただろ?」


これ、まったりセックスじゃなくて、単なる焦らしプレイなんじゃ……。

そう思ったところで軽く乳首を摘ままれ、それまでとは違った強い刺激に身体がビクリと大きく跳ねる。
俺の唇からは微かな喘ぎと熱い吐息が零れ落ちた。


「ん…ッ…!」

「光希」


名前を呼ばれ覚悟を決める。


「……早くアンタのが欲しい」


ねだるように自分の要望を口にする俺に、東條は満足そうな表情を見せると、俺の足を大きく拡げ、既に頭を擡げている中心部とその下で物欲しそうにヒクつく穴に触れた。

ゆるゆると屹立を扱かれながら、ゆっくりと後孔に指を差し入れられれば、焦らされまくった俺の身体は簡単に拓かれていく。

イキそうになると中断され、落ち着くとまた高められるということを繰り返し、向かい合う体勢でようやく東條のモノが入口にあてがわれた時は、あまりの期待に身体が震えた。

しかし、俺の期待とは裏腹に、東條は俺に濃厚なキスを仕掛けながら、もどかしいほどゆっくりとした動作で俺の中を埋めていく。

散々焦らされ煽られまくった後の挿入は圧倒的な快感だった。


「ん…ッ…、ふぅ……、はぁ……、んんッ……」


まるで自分の形を俺の中に丁寧に刻みつけるかのような行為は、より一層俺の快感を膨らませ、刺激を求めて疼いていた最奥に東條のモノが到達した時には思わず安堵のようなため息が漏れた。


「はぁ……、これ、ヤバい……。もうイキそ……」


まだ挿れられただけで全然動いてないっていうのに、早くも快感の波が押し寄せてきてゾクゾクする。

この状態のまま東條は俺の身体を抱き起こし自分の上に乗せると、キスをしながら抱きしめてくれた。

そして。

対面座位でキスをしながら乳首を弄られ下側から突き上げるようにゆるゆると腰を動かされただけで、あまりの気持ち良さに俺は呆気なく絶頂を迎えていた。……ドライで。


「もしかしてイッたのか? 光希の中、スゲェうねって俺のモノを締め付けてくる」


俺のモノがいよいよ正常に機能しなくなったのか、それとも時間をかけて愛撫されたせいなのか。
一気に追い上げられてイク時とは違った感じがするな、とは思ってたけど、まさかドライでイクとは。
しかもまだ射精してないせいか、ずっとイキっぱなしのような状態が続いている。

こんな感覚は初めてだ。


「ヤバい……。これメチャクチャ気持ちいい……」


身体中の力が抜けていく俺をしっかりと抱き締めながら、東條が満足そうに口の端をあげる。


「まだまだ十分時間はある。もっとじっくりスローセックスを楽しもうぜ」


その宣言に俺は東條の挑発に乗ってしまったことを激しく後悔した。



◇◆◇◆



「あらためて誕生日おめでとう」


その言葉と共に差し出されたのはいかにも高そうな何かが入ってます、って感じの四角い箱だった。

スローセックスという名の執拗な責め立ての影響で腰砕けになりベッドから出ることすら出来ずにいた俺は、ヘッドボードに上体を預けたままそれを受け取った。


恐る恐る箱を開ける。

するとそこにおさまっていたのは、普通の高校生が持つには明らかに高級過ぎる腕時計だった。

たぶん紅鸞の連中なら抵抗なく身に付けられるんだろうけど、庶民の俺はそれを受け取っていいものかどうか迷うような代物だ。

手に取ることすら躊躇っていると。


「あんまり大袈裟に考えるな。これはこれから先の光希の時間をずっと独占したいっていう俺のワガママだと思えばいい」


意味深過ぎる事を言われた挙げ句、さっさと腕につけられてしまった。


「これは光希のために用意したものだ。受け取ってもらえないなら処分するしかないな」


脅しのようなことまで言われてしまい、こうなったら受け取らないほうが失礼になる気がして、俺は苦笑いと共にこの時計の持ち主となることを受け入れた。


「……ありがとう。大事にする」




その後、朝食を兼ねたランチを二人で摂り、東條が用意してくれていたケーキを一緒に食べることになった。


東條と普通に穏やかな時間を過ごしているのが、なんか不思議な感じがする。

フルーツがたっぷりのったホールのケーキをサーブしてくれる東條をぼんやり見ていると。
フォークで一口サイズにカットしたものを口元まで運ばれた。

やたら甲斐甲斐しい東條を内心意外に思いながらも、俺は給餌される雛鳥よろしく口を開け、そのケーキを頬張った。


「美味いか?」

「……お陰様で」


元々美味いケーキなんだとは思うが、朝っぱらから疲れることをやったせいか、甘いものが美味く感じる。


「あ~ん」


もっと寄越せとばかりに口を開くと、東條は驚いたように目を見開いた後、笑いながらケーキを口に入れてくれた。

なんかバカップルみたいなやり取りだけど、こういうのも結構楽しいもんだと思えるのは、東條に対する俺の心の距離が近付いてきてるからなのか?


東條の誕生日は8月7日。
今度は俺が東條を祝う番。

今日俺が照れ臭いとか気恥ずかしいとか思いながらも、嬉しいとか楽しいって思えたみたいに、東條にもそんな気持ちになって欲しい。

でもさー。
何でも持ってる人に何かするってさ。正直ハードル高くね?
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