有能課長のあり得ない秘密

みなみ ゆうき

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結局のところ。

課長と同じ部屋に泊まる=何かしらムフフな出来事があるかもしれないという誘惑に勝てず、俺はあっさりホテルへの宿泊を決めた。

頭がバカになっているせいでこんなミスをしたばかりだというのに、全く懲りていない自分の脳ミソに呆れるが、例えそういうことが無かったとしても課長と腹を割って話せる良い機会にすればいいと腹を括ったというか開き直ったのだ。

──たぶん俺は課長のことが好きなんだと思う。

ホテルにチェックインする前に寄ったコンビニで、普段会社でもミーティング前の自慰行為の時ですら見せないような柔らかい表情で商品を選んでいる課長を見た時に、唐突にそう自覚した。

そうじゃなければいくらなんでも男のオナニーをオカズに毎晩抜いたり出来るはずがない。

仕事が手につかなかったのも一種の恋患いというものだと考えたら、今までモヤモヤしていたものが一気に晴れた気がした。



そんな課長は部屋に着いて早々シャワーを浴びた後、ビールを飲みながら寛いでいる。

俺はというと。
課長と入れ違いに入ったバスルームで、ある決意を固めてから、この後の展開に備え入念に身体を洗っておいた。



ホテルのバスローブを身に纏って部屋に戻ると、同じくバスローブ姿の課長が俺を手招きする。
意外とアルコールに弱いのか、ほんのりと目元が赤くなっているのが色っぽい。

ドキドキしながらベッドに座っている課長の隣に腰を下ろすと。


「キミ、俺のこと好きだろう?」


出し抜けにそう聞かれ、俺の思考は停止した。


「好きだよな? 好きって言えよ。言ったらチョコやるぞ」


まるでご主人様が犬にご褒美をやるようなその言い方に少しだけガッカリしながらも、既に酔っているらしい課長相手に一世一代の告白をするのはどうかと思い、好きだという言葉を口にするのを躊躇った。

すると。


「あー、もう!キミがなかなかはっきりしないからチョコが溶けちゃったじゃないか!」


課長の指先には体温で溶け始めているらしいチョコが一粒。

それを課長が自分の口元へと運んだ瞬間。

俺は溜まらずそのチョコを課長の指ごとパクリと口に入れた。

チョコを舌先で絡めとると、ついでに指についていたものも綺麗に舐めとる。

そのまま勢いでもっと色んなところを味わいたい衝動に駆られたが、そうするより先に今は言わなければならないことがあると気付き、なけ無しの理性を総動員させて課長の指を解放した。


「あなたのことが好きです。チョコもっと下さい」


予定とは全く違った告白になってしまったが、勢いだろうと何だろうとここで言わなかったら男が廃る。そんな気がしたのだ。

そして、俺の勢いに押されキョトンとしている課長の唇にチュッと軽く口づけると。


「あなたのことも全部下さい」


思いきってその身体を抱き締めた。
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