前世の記憶持ちの私は、異世界で王女として生きていく?!

禕餓邏祀

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おもしろいこと

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次の日、私は普段通り馬車に乗り学園へと向かった。
ゼル兄様が仰られたおもしろいこととは一体どの様なものだろうかと考えを巡らせてみるが、一向に答えに辿り着く気配がない。
ここは、ただ純粋にそのおもしろいことを楽しみにしていようと思考を切り替える。

馬車が学園に着くまでの30分間アマリヤは、少し心を踊らせながら。
それでも顔は平静を装って外の景色へと目を向けていた。

***
ゆっくりと馬車を降り、学園の生徒に挨拶を返しながら自分の教室へ向かう。
確か、今日は模擬試合を一日かけて行うはずだ。
どんな武器を使った戦い方をしようか悩んでいると、目の前にミゼルが立ちふさがる。

「ミゼル?」

普段であればそのような事をしない相手に少し戸惑う。
どうかしたの?と声をかける前にミゼルが口を開いた。

「アマリヤ。……いや、アマリヤ・ジルシフ・サニリーナ王女殿下。今日の試合、私と一戦交えてもらってもよろしいでしょうか?」

アマリヤ。ではなくアマリヤ・ジルシフ・サニリーナ王女殿下。とミゼルは言った。
これはつまり、下克上と言うやつだろうか。
他にも意味がいくつかあるから一概に言えないのだけれど…。
下克上だと仮定した場合、ミゼルが私に何かして欲しいことがあるのだろう。

下克上で勝てば、相手に一つどんなことでも命令をすることが出来る。
なんだ、恋人の解消か。
それとも、王女の座を失脚されるのか。
いろいろと想像してみるが、どんな事であれ真剣勝負で手を抜くのは失礼なこと。
全力で戦おう。

「ミゼル・ヨデン。その勝負、我が名にかけて受けましょう。」

これで、下克上が認められる。
さて、本当にどうしようか。
アマリヤは、頭の中で戦術を組み立てる。
サニリーナの名に恥じない様な戦いをしよう。

朝の挨拶を終えた教室。
アマリヤは、胸の中で独りごちた。
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