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第一章幕間:夏休み 相応しき器に想いを込めて
第112話 未来の為の小さな投資
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【前回】ルシウスの両親との邂逅を断った
第112話 未来の為の小さな投資
――お前達は何処までも育つからな。
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
「お前ら、買い物に行くぞ。」
「買い物?」
「何買いに行くん?」
「鎮魂の夜想曲の準備はしないのか?」
「その鎮魂の夜想曲の準備の一環として、天然石を買いに行くんだ。それぞれの灯籠に入れておかねばならんからな。」
「宝石……。」
「元より自然の力……魔力やマイナスイオンやら、あらゆる形なき物を集めるのに最も相応しいとされている最適の器。当然ながら、想いという物もそれなりに蓄積する。」
「そっか。ま、魔法もイメージが必要だって言ってましたもんね、せんせ。」
「あぁ。それと近しい構造というか、法則で扱う事が出来るのも法則だ。……まぁ、流石にこっちは元々無形の魔力とは違って有形の宝石。イメージなんて無形の物で有形の物を加工する事は出来ない。」
「言われてみれば確かに……。絵とかはイメージから出来るけど、建物は建材から出来るもんな。」
「そういう事だ。……話は逸れたが古来より、天然石や死人への気持ちを告げる為に用いられたり、除霊や守護の為に使われるのが殆どだ。細かい使い方は後で説明するが……とりあえず、出掛けよう。外でディール達も待ってる。」
「も、もう帰ってきたのか……。」
「あぁ~~また小言言われるぅ~……。」
小言?
「“いつまで帰宅部してるつもりなの”って。」
「あぁ~……。」
どの学校もあまり部活に対してうるさく言う場所は少ないものの、シャレル魔導学校ではかなり違う。
ディールが所属している剣術部。あそこは“剣術部に所属しているから”という条件の元、参加権利を与えられる大会があったり。その手の大会に、出場出来る事が条件で取得出来る資格だったり、就職出来る職種なども多くある。
当然、リシェラが所属している考古学研究部。あそこも“考古学研究部に所属しているから”という条件の元、インターン権利が貰える研究所があったり。遺跡発掘や論文発表会の場に何かしらの形でバイトがてら勉強しに行ける権利などを貰える場合もある。
その為、シャレル学園内に存在している部活はそれなりに意味を持つ物が多い。
仮に新しい部活を作ったとしても、当然ながらそれには必ず何かしらの付加価値が就くと聞く。
何だかんだ関係が悪そうに見える彼らだが、ディールの方が色々と不得手なだけでそういう事をちゃんと伝えている辺り、良くも悪くも気にはしてくれているのだろう。まぁ、言い方は色々と問題かとは思うが。
そういう意味では俺も普通にこの国に生まれてたら通いたかったなぁとは思わなくもない内容だがな、そういう学生支援完備体勢を見ると。
「でも……あれやな。先生ってやっぱ凄いわ。」
「何の話だ?」
「やって先生、非常勤なのもそうやけど俺らとおんなじシャレル魔導学校1年生なんやろ?」
「言い方が気に喰わんがまぁ1年目である事は確かだな。それで?」
「やのに、俺らより学校の事詳しいやん。」
「言われてみれば確かに。先生、何でなんだ?」
「せんせの話を聞く限り、あんまり乗り気じゃなかったのに結構呑み込みが早いような。」
「答える必要性を感じないのが1つ。お前らはいつまでディール達を待たせるのに抵抗がないのかの方が気になるのが1つ。何より、そんな事を明らかにするよりもさっさと俺が出掛けたい。良い加減、行くぞ。」
❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖❖
――次回「第113話 命はいつか、果てる物」
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
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今後とも『夜に煌めく炉は蒼銀で』をよろしくお願いいたします。
第112話 未来の為の小さな投資
――お前達は何処までも育つからな。
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「お前ら、買い物に行くぞ。」
「買い物?」
「何買いに行くん?」
「鎮魂の夜想曲の準備はしないのか?」
「その鎮魂の夜想曲の準備の一環として、天然石を買いに行くんだ。それぞれの灯籠に入れておかねばならんからな。」
「宝石……。」
「元より自然の力……魔力やマイナスイオンやら、あらゆる形なき物を集めるのに最も相応しいとされている最適の器。当然ながら、想いという物もそれなりに蓄積する。」
「そっか。ま、魔法もイメージが必要だって言ってましたもんね、せんせ。」
「あぁ。それと近しい構造というか、法則で扱う事が出来るのも法則だ。……まぁ、流石にこっちは元々無形の魔力とは違って有形の宝石。イメージなんて無形の物で有形の物を加工する事は出来ない。」
「言われてみれば確かに……。絵とかはイメージから出来るけど、建物は建材から出来るもんな。」
「そういう事だ。……話は逸れたが古来より、天然石や死人への気持ちを告げる為に用いられたり、除霊や守護の為に使われるのが殆どだ。細かい使い方は後で説明するが……とりあえず、出掛けよう。外でディール達も待ってる。」
「も、もう帰ってきたのか……。」
「あぁ~~また小言言われるぅ~……。」
小言?
「“いつまで帰宅部してるつもりなの”って。」
「あぁ~……。」
どの学校もあまり部活に対してうるさく言う場所は少ないものの、シャレル魔導学校ではかなり違う。
ディールが所属している剣術部。あそこは“剣術部に所属しているから”という条件の元、参加権利を与えられる大会があったり。その手の大会に、出場出来る事が条件で取得出来る資格だったり、就職出来る職種なども多くある。
当然、リシェラが所属している考古学研究部。あそこも“考古学研究部に所属しているから”という条件の元、インターン権利が貰える研究所があったり。遺跡発掘や論文発表会の場に何かしらの形でバイトがてら勉強しに行ける権利などを貰える場合もある。
その為、シャレル学園内に存在している部活はそれなりに意味を持つ物が多い。
仮に新しい部活を作ったとしても、当然ながらそれには必ず何かしらの付加価値が就くと聞く。
何だかんだ関係が悪そうに見える彼らだが、ディールの方が色々と不得手なだけでそういう事をちゃんと伝えている辺り、良くも悪くも気にはしてくれているのだろう。まぁ、言い方は色々と問題かとは思うが。
そういう意味では俺も普通にこの国に生まれてたら通いたかったなぁとは思わなくもない内容だがな、そういう学生支援完備体勢を見ると。
「でも……あれやな。先生ってやっぱ凄いわ。」
「何の話だ?」
「やって先生、非常勤なのもそうやけど俺らとおんなじシャレル魔導学校1年生なんやろ?」
「言い方が気に喰わんがまぁ1年目である事は確かだな。それで?」
「やのに、俺らより学校の事詳しいやん。」
「言われてみれば確かに。先生、何でなんだ?」
「せんせの話を聞く限り、あんまり乗り気じゃなかったのに結構呑み込みが早いような。」
「答える必要性を感じないのが1つ。お前らはいつまでディール達を待たせるのに抵抗がないのかの方が気になるのが1つ。何より、そんな事を明らかにするよりもさっさと俺が出掛けたい。良い加減、行くぞ。」
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――次回「第113話 命はいつか、果てる物」
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