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第一章
22 右舷、魚雷接近!
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(すげえ……)
一撃で敵の戦闘機を落としたシーナに、カウルはただ唖然として彼を見上げていた。
すると、そんなカウルに、
「おい!」とシーナが険しい顔をして怒鳴る。
「何してやがる!立て!」
「あ……は、はい!」
カウルはあわてて立ち上がる。
「弾を準備しろ!」
シーナは対装甲狙撃銃を構えながら、上空に目を遣り、次の標的を探す。
「了解!」カウルはシーナのそばに控え、掩体のそばに置いてあったままの背嚢を手繰り寄せた。
シーナは先ほどのダメージからもう立ち直ったのだろうか、と彼を案じるカウルであったが、ひとまず自分の役割に集中する。
カウルは背嚢から対装甲狙撃銃の弾倉を取り出し、それに『心』を込めた。
ガン!ガン!ガン!ガン!
シーナが対装甲狙撃銃を連射する。
カウルは頭を低くして、その衝撃に備えた。
「ハートクレア准尉!」
「ノベル!」
銃座で敵機を迎撃していたセーグネルのもとに、ジオたち負傷者を艦内に運んでいたノベルたちが戻ってきた。
「応戦しろ!敵の雷撃機が来る!」
「了解!」
すばやく応じたノベルは、他の二人に目配せし、自身はセーグネルと同じく銃座に入った。
残る二人の分隊員は、右手の掩体で応戦を始める。
ダダダダダッ!ダダダダダッ!
セーグネルは、接近中の敵の雷撃機の編隊に機銃を撃ちかける。
敵の雷撃機部隊は『アマネ』の対空砲火をかわして飛行しつつ、魚雷を投下する機会を伺っていた。
「──くっ!」
敵戦闘機はノベルたちに任せ、雷撃機部隊に照準を絞っていたセーグネルであったが、低空を飛ぶ敵の雷撃機の一機が魚雷を海に投下したのを目にした。
機体から切り離された物体の影が海へと消える。
「通信士、魚雷だ!」
セーグネルが分隊通信士に叫ぶ。
「了解!──右舷、魚雷接近!!」
無線機を背負う分隊通信士はすぐさま、自身の肩口に下げていた無線機の子機を外し、声を張り上げる。
無線により彼の報告はすぐさま、『アマネ』艦橋に伝達された。
ダダダダダッ!ダダダダダッ!
なお接近する他の雷撃機に向かってセーグネルは機銃を撃ち続ける。
「くっ──」
すると、不意に右舷の外側に向けて遠心力が働き、その方に体がよろめいた。
右舷方面から魚雷が放たれたとの報告を受け、『アマネ』が魚雷を回避すべく左へと舵を切っているのだ。
運動性能の良い重巡洋艦である『アマネ』が、急速に転針する。
そうして、魚雷を回避したと思われたが──
(……?)
セーグネルが何かを感じ取った。
機銃の射撃を止め、眼前の海面を注視するセーグネル。
「ハートクレア准尉!?」
セーグネルの様子を訝しく思ったノベルが声を掛ける。
「何か来る!ノベル、ここを頼む!」
そう言うや否や、セーグネルは機銃から離れ、自身の小銃を携えて甲板を舷の外側──舷を囲む柵に向かって走っていく。
一撃で敵の戦闘機を落としたシーナに、カウルはただ唖然として彼を見上げていた。
すると、そんなカウルに、
「おい!」とシーナが険しい顔をして怒鳴る。
「何してやがる!立て!」
「あ……は、はい!」
カウルはあわてて立ち上がる。
「弾を準備しろ!」
シーナは対装甲狙撃銃を構えながら、上空に目を遣り、次の標的を探す。
「了解!」カウルはシーナのそばに控え、掩体のそばに置いてあったままの背嚢を手繰り寄せた。
シーナは先ほどのダメージからもう立ち直ったのだろうか、と彼を案じるカウルであったが、ひとまず自分の役割に集中する。
カウルは背嚢から対装甲狙撃銃の弾倉を取り出し、それに『心』を込めた。
ガン!ガン!ガン!ガン!
シーナが対装甲狙撃銃を連射する。
カウルは頭を低くして、その衝撃に備えた。
「ハートクレア准尉!」
「ノベル!」
銃座で敵機を迎撃していたセーグネルのもとに、ジオたち負傷者を艦内に運んでいたノベルたちが戻ってきた。
「応戦しろ!敵の雷撃機が来る!」
「了解!」
すばやく応じたノベルは、他の二人に目配せし、自身はセーグネルと同じく銃座に入った。
残る二人の分隊員は、右手の掩体で応戦を始める。
ダダダダダッ!ダダダダダッ!
セーグネルは、接近中の敵の雷撃機の編隊に機銃を撃ちかける。
敵の雷撃機部隊は『アマネ』の対空砲火をかわして飛行しつつ、魚雷を投下する機会を伺っていた。
「──くっ!」
敵戦闘機はノベルたちに任せ、雷撃機部隊に照準を絞っていたセーグネルであったが、低空を飛ぶ敵の雷撃機の一機が魚雷を海に投下したのを目にした。
機体から切り離された物体の影が海へと消える。
「通信士、魚雷だ!」
セーグネルが分隊通信士に叫ぶ。
「了解!──右舷、魚雷接近!!」
無線機を背負う分隊通信士はすぐさま、自身の肩口に下げていた無線機の子機を外し、声を張り上げる。
無線により彼の報告はすぐさま、『アマネ』艦橋に伝達された。
ダダダダダッ!ダダダダダッ!
なお接近する他の雷撃機に向かってセーグネルは機銃を撃ち続ける。
「くっ──」
すると、不意に右舷の外側に向けて遠心力が働き、その方に体がよろめいた。
右舷方面から魚雷が放たれたとの報告を受け、『アマネ』が魚雷を回避すべく左へと舵を切っているのだ。
運動性能の良い重巡洋艦である『アマネ』が、急速に転針する。
そうして、魚雷を回避したと思われたが──
(……?)
セーグネルが何かを感じ取った。
機銃の射撃を止め、眼前の海面を注視するセーグネル。
「ハートクレア准尉!?」
セーグネルの様子を訝しく思ったノベルが声を掛ける。
「何か来る!ノベル、ここを頼む!」
そう言うや否や、セーグネルは機銃から離れ、自身の小銃を携えて甲板を舷の外側──舷を囲む柵に向かって走っていく。
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