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第一章
51 戦闘開始②
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「グレン、しっかりついてこいよ!」
赤国攻撃隊の、盾を持った五名の兵士のうちの一人であるディッツが自分の後ろについたグレン=グランツに発破をかける。
「大きなお世話だ」
グレンは構える小銃の弾倉に『心』を込めながら、無愛想に返したが、それがディッツに届いたかはわからない。
もとい、ディッツもグレンに反応してほしくて言ったのではない。彼のいつもの一方的な軽口は彼なり鼓舞のしかた──仲間だけでなく自分自身へのものでもあった。
そんな彼は普段は、快活な性格をした少しお調子者な青年だ。
しかし、その能力は確かで、若くして攻撃隊に名を連ねており、『律動』で創り出した盾で部隊の進攻を牽引する『防盾手』を務めている。
攻撃隊の戦闘班は一組が三人で構成され、一人が『防盾手』で残り二人が攻撃を担当する。
彼の後ろに続くグレンは、攻撃担当の兵士であり、装備は基本的な歩兵の装備で、防弾装具と鉄帽を装着し、小銃で武装している。
「『姫』っ、勝手に出んなよっ!」
ディッツが再び軽口を飛ばす。
今度の言葉は、グレンとともにディッツの後ろについたもう一人の兵士、ベルニカ=リーヴァに向けられたものだった。
彼女も攻撃担当の兵士として、ディッツとグレンの後ろに続く。
ディッツが彼女を『姫』と呼んだのは、ベルニカを揶揄してのことだ。
彼女はこの攻撃隊唯一の女性の隊員であり、何より、他人を寄せ付けないその独特な雰囲気から、ディッツは彼女に対して折に触れてはそのように呼称していた。
現に今も、ベルニカは一人攻撃隊のなかで異彩を放っている。
彼女の装備は他の兵士とは異なり、通常、歩兵が身に付けるはずの防弾装具も鉄帽も身に付けていない。
代わりに、黒を基調とする国防軍の戦闘服の上に、武器や弾薬を携帯するためのホルスターをいくつも、体の各所にベルトで装着している。
ホルスターは両脇、腰の左右と後ろ、そして両の太腿に着けており、両脇のホルスターからは拳銃の銃床が覗いている。腰と大腿部のホルスターには弾薬が納められていた。
ホルスターを固定するために全身の各部位に回されたベルトが、まるで拘束具のように彼女の全身を引き締めており、彼女の華奢なシルエットが戦闘服の上からあらわになる。
身を守るための装備は一切なく、武器と弾薬だけを携帯した軽装備であった。
「……」
ベルニカはディッツの言葉には何も反応せず、無表情のまま口を閉ざしている。
ディッツ、グレン、そしてベルニカの三人の戦闘班は、他の戦闘班と並んで『アマネ』に直進していく。
その間も、『アマネ』甲板上からの射撃は続いたが、彼らの勢いは止まらなかった。
赤国攻撃隊の、盾を持った五名の兵士のうちの一人であるディッツが自分の後ろについたグレン=グランツに発破をかける。
「大きなお世話だ」
グレンは構える小銃の弾倉に『心』を込めながら、無愛想に返したが、それがディッツに届いたかはわからない。
もとい、ディッツもグレンに反応してほしくて言ったのではない。彼のいつもの一方的な軽口は彼なり鼓舞のしかた──仲間だけでなく自分自身へのものでもあった。
そんな彼は普段は、快活な性格をした少しお調子者な青年だ。
しかし、その能力は確かで、若くして攻撃隊に名を連ねており、『律動』で創り出した盾で部隊の進攻を牽引する『防盾手』を務めている。
攻撃隊の戦闘班は一組が三人で構成され、一人が『防盾手』で残り二人が攻撃を担当する。
彼の後ろに続くグレンは、攻撃担当の兵士であり、装備は基本的な歩兵の装備で、防弾装具と鉄帽を装着し、小銃で武装している。
「『姫』っ、勝手に出んなよっ!」
ディッツが再び軽口を飛ばす。
今度の言葉は、グレンとともにディッツの後ろについたもう一人の兵士、ベルニカ=リーヴァに向けられたものだった。
彼女も攻撃担当の兵士として、ディッツとグレンの後ろに続く。
ディッツが彼女を『姫』と呼んだのは、ベルニカを揶揄してのことだ。
彼女はこの攻撃隊唯一の女性の隊員であり、何より、他人を寄せ付けないその独特な雰囲気から、ディッツは彼女に対して折に触れてはそのように呼称していた。
現に今も、ベルニカは一人攻撃隊のなかで異彩を放っている。
彼女の装備は他の兵士とは異なり、通常、歩兵が身に付けるはずの防弾装具も鉄帽も身に付けていない。
代わりに、黒を基調とする国防軍の戦闘服の上に、武器や弾薬を携帯するためのホルスターをいくつも、体の各所にベルトで装着している。
ホルスターは両脇、腰の左右と後ろ、そして両の太腿に着けており、両脇のホルスターからは拳銃の銃床が覗いている。腰と大腿部のホルスターには弾薬が納められていた。
ホルスターを固定するために全身の各部位に回されたベルトが、まるで拘束具のように彼女の全身を引き締めており、彼女の華奢なシルエットが戦闘服の上からあらわになる。
身を守るための装備は一切なく、武器と弾薬だけを携帯した軽装備であった。
「……」
ベルニカはディッツの言葉には何も反応せず、無表情のまま口を閉ざしている。
ディッツ、グレン、そしてベルニカの三人の戦闘班は、他の戦闘班と並んで『アマネ』に直進していく。
その間も、『アマネ』甲板上からの射撃は続いたが、彼らの勢いは止まらなかった。
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