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第1部
喧嘩〜犬も食わねば2〜
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時計の針が重なる正午。
陰影の日差しがブラインドの隙間から鋭角な光を作り、沢海の座席にも垂直に線を描いていく。
薄く開いた窓の隙間から淡い風が通り、揺らめく新緑が硝子に反映し、季節の移ろいを楽しませていく。
芽吹く情緒に視線を奪われる事もない沢海はつまらなさそうに机に肩肘を付き、上の空で佇んでいた。
結局、沢海は朝練の後の居残り練習は行わずに終え、予鈴が鳴る直前までピッチの片隅で両膝を抱えて酷く項垂れていた。
藤本は沢海と宮原の痴話喧嘩の近因は分からないが、宮原が泣いている、沢海は頬を叩かれる、宮原の完全無視、沢海の逆切れと早朝からの下らない経緯があり、総じて沢海が悪いと結論付けた。
他人の恋路に口を挟む訳ではないが、流石に見飽きてしまい、沢海に声掛け、お互いの特進クラスの教室まで連れ帰ってきたのだ。
午前中の授業が終わり、昼休みの時間になっても未だに虚脱感に陥ったままの沢海が藤本の視界の中に入り、閉口する。
「ーーーあのさぁ…
その溜息の連チャン。
…腹立つんだけど」
力無く腑抜ける沢海に苛立つ藤本は好物のコーラを片手に席を立つと、ゆっくりとした仕草で前の椅子に座る。
沢海は面倒臭そうに藤本へ視線を流すと、藤本も沢海に対して煩わしそうに辟易とした仕草を見せる。
何故お互いに腹に据えかねるような態度で接しているのか沢海自身も分からず、それでもその原因も自分にあるのだと理解し、再び溜息を吐く。
「悪かったな…」
藤本は悪戯に沢海の眉間の深い皺を突付くと粗雑な行為を窘めようと手を払い除けられ、飴色の髪の隙間からジロリと睨み付けられる。
鋭い双眸が光り、鬱陶しそうに沢海の視線が眇められると藤本は更につまらなさそうに不満を表す。
そして、少しだけ声を顰め、沢海を窘めるように話す。
「まだ分からないみたいだから、一応、忠告しておく。
お前が好きな人を独り占めしたい、お前の好きな人を周囲に見せ付けたいっていう気持ちは分かるけど、当の本人がそれを嫌がっているんだから、好い加減に気付けよ。
それ以前にあんな露骨に束縛しなくても、いいだろ?
…お前、自己中心性にも程があるんだよ」
「ーーーえ?…
好きな人…?
束縛…?
…何、言ってんだよ」
沢海は藤本の理解し難い口説に硬質な表情が僅かに歪む。
未だに威勢ばかりの虚勢を張る仕草は藤本を呆れさせ、既に他人の言葉に聞く耳を持たない沢海は背凭れに身体を預けると肩を落とした。
「…はぁ…
だから、さ!
お前、あからさま過ぎるんだって!
何時も2人でイチャイチャしている癖に、オレでも否が応でも分かるわ。
今回みたいな事ばっかり繰り返していると嫌われるぞ」
流石に沢海も一体、自分と誰の事を話をしているのか分かったのか俯いたまま苦笑いを浮かべ、そして静かに嘆息する。
「そんなに他人に見せびらかせていたつもりはないんだけどな」
「自覚症状なし、か…
ーーー好きな人に意地悪するなんて、可愛い喧嘩だな。
…これじゃあ、あいつも苦労するわ」
「可愛い喧嘩なんて、言うなよ…
まるで全部、オレが悪いみたいだな」
「だから、そうなんだよ!
全部、お前が悪い。
…ったく…
沢海!
ちょっと、付き合え」
藤本は大袈裟に頭を掻くと立ち上がり、鬱陶しいとあからさまに訴えてくる目線をいとも容易くへし折り、沢海を離席させる。
沢海の撓むワイシャツの首元を飾るネクタイを軽く小突くように引っ掛け、強引に廊下へ連れ出す。
2人共不本意な顔をベッタリと貼り付けたまま階下へ出ると藤本はケータイを取り出し、LIMEを開いた。
□■□■□■□■
普通科進学コース、1年2組。
宮原は机に突っ伏したままケータイのホームボタンの指紋認証を繰り返し、メッセージの入らないLIMEのトップ画面を何時までも眺めていた。
気分転換にゲームを開くがチャンピオンイレブンしかインストールされておらず、是非もなく諦念すると机にケータイを放り投げる。
『何も、連絡、ない…
ーーー直哉の馬鹿…』
だらける身体を持て余していると膨れっ面の頬を松下は悪戯に人差し指で突かれ、宮原の顔を自由に弄ばれる。
過干渉される行為を払うのも億劫な程、宮原は重怠く滅入っていた。
その反面、感情が疲弊を表している宮原に付け込もうとする松下は沢海の煩わしい悪手から宮原を擁護し、自分の胸の中に残る身体の感触を何度も反芻し、酷く満悦していた。
当然、何故、宮原が憧憬を抱く程の沢海をあからさまに拒絶する行為の理由は考える事は一切ない。
悦に浸る松下は口元をニヤニヤと歪めそうになる表情を叱咤し、優しく声を掛ける。
「宮原、どうしたんだよ?元気ないな。
腹、減ってんのか?」
「ーーー減ってない。
でも、購買に売ってるクリームパンだったら食べる」
「…オレをパシリに使う気か?」
「だって、先に聞いてきたのは松下だろ?」
「そうだけどさぁ…
コンビニだったら行ってくるけど、コンビニのクリームパンでいい?」
自堕落に耽る宮原は松下の打診を拒否し、もう一度音沙汰のないケータイを眺めた後、また机に伏せてしまう。
「ーーーじゃあ、いらない。
購買のクリームパンがいいなぁ…」
「ーーーったく、我儘だな…
購買も行けばいいんだろ?」
普段であれば悪態のひとつ、ふたつも吐くのだが、今日だけは宮原の傲慢な我儘さえも可愛らしく見えてしまう。
素直に甘えてくる宮原を盲愛したい衝動を抑え、口先では仕方なしに促されてみるが、松下の足元は華麗なボールトラップのように浮き足立つ。
松下が廊下へ向かう途中、宮原のケータイに聞き慣れたLIMEの着信音が鳴る。
宮原は沢海からのメッセージが入ったのだと先入観だけでフリックし、嬉々として画面を見入る。
「ーーーあれ?
藤本先輩からだ…
…なんだろ?」
1年2組の廊下の扉が開き、藤本が教室の中を覗くと一部の女子生徒が奇声を上げる。
藤本は甲高い声を立てられても気遣う事もなく、辺りをキョロキョロと見回した後、廊下へと向かっていた松下を見付ける。
「松下!
丁度良かった。
ーーー宮原、いる?」
「藤本先輩!
いますよ。
おい!宮原!藤本先輩が…
…あ…」
藤本の背後から沢海の容姿が見えると松下は途端に顔色を悪く変え、不快感を示した表情を描いてしまう。
そんな松下の葛藤には一切触れず、藤本は沢海の背中を押し、教室の中に入らせる。
「ほら、行けよ」
嗾けられるように室内に入ると小さく嘆息した後、不貞寝したままケータイを眺めている宮原の元へ真っ直ぐに歩き出す。
蒼敬学園サッカー部のイケメンと席巻する沢海の乱入によって女子生徒の悲鳴が更にヒートアップし、宮原は耳障りな声に煩わしそうに顔を上げる。
その瞬間、ここに存在する筈のない沢海の形姿が表れ、驚愕する。
沢海は宮原の目の前で立ち止まると微かに口元を緩め、視線を合わせるように軽く背中を屈める。
真正面から沢海の色素の薄い眸に覗き込まれ、宮原は伝えたかった言葉を全て失ってしまう。
太陽の斜光が風に揺れ、前髪の隙間から宮原だけを見詰める視線が現れると居た堪れずに顔を背けてしまう。
「…宮原…」
「…なんで、ここまで来るんですか…」
「…宮原…
こっち、向いてよ」
「ーーーはい…」
「…ごめん…」
突然の沢海の謝罪に図らずも振り向くと自省した面貌で薄い唇を噛み締め、宮原を真っ直ぐに見詰める。
「ごめんね…
オレのどこが悪かった?
…直すから…
オレの悪いところ、直すから…
ちゃんと言ってよ。
何も言ってくれないと、オレ、分かんないよ。
ーーー意地悪、しないようにするから…
だから…
…オレの事、嫌いにならないでよ…」
真情を吐露する口吻は沢海自身の気持ちを全て反映し、嘘も偽りもない言葉に宮原は身体を甘く束縛され、僅かな身動きでさえ取れない。
本質的に沢海は宮原に対して呆れる程に真率な態度で接しているが故に完全に拒絶をする事は出来ない。
優しい手がぎこちない仕草で宮原の頬を包み、指先で擽られるように撫でていく感覚に肌が真っ赤に染まってしまう。
口元から下唇の膨らみをなぞられ、口付けをされる行為に宮原はギュッと目を瞑ると衝動的に立ち上がってしまう。
「沢海先輩!
ちょっと、来てっ!!」
宮原は沢海の腕を乱暴に解くとその腕を強引に引っ張り、大股で教室を出て行く。
2人の背後から女子生徒の興奮を抑え切れない金切り声のような叫声が響き、羞恥の的にされた宮原は脱兎の如く廊下を走ってしまう。
宮原は咄嗟に沢海の手を繋ぐと「早く!」と急かし、沢海を連れ去っていく。
そして、物事が全く理解出来ずに茫然とする松下と一仕事を終えた藤本が廊下で取り残される。
「ーーー松下、財布持っているけど、購買行くの?」
「…もう行く気力ないです…」
「オレ、購買のクリームパン食べたいんだけど、買ってきてよ。
あと、コーラね」
「ーーーはい…」
陰影の日差しがブラインドの隙間から鋭角な光を作り、沢海の座席にも垂直に線を描いていく。
薄く開いた窓の隙間から淡い風が通り、揺らめく新緑が硝子に反映し、季節の移ろいを楽しませていく。
芽吹く情緒に視線を奪われる事もない沢海はつまらなさそうに机に肩肘を付き、上の空で佇んでいた。
結局、沢海は朝練の後の居残り練習は行わずに終え、予鈴が鳴る直前までピッチの片隅で両膝を抱えて酷く項垂れていた。
藤本は沢海と宮原の痴話喧嘩の近因は分からないが、宮原が泣いている、沢海は頬を叩かれる、宮原の完全無視、沢海の逆切れと早朝からの下らない経緯があり、総じて沢海が悪いと結論付けた。
他人の恋路に口を挟む訳ではないが、流石に見飽きてしまい、沢海に声掛け、お互いの特進クラスの教室まで連れ帰ってきたのだ。
午前中の授業が終わり、昼休みの時間になっても未だに虚脱感に陥ったままの沢海が藤本の視界の中に入り、閉口する。
「ーーーあのさぁ…
その溜息の連チャン。
…腹立つんだけど」
力無く腑抜ける沢海に苛立つ藤本は好物のコーラを片手に席を立つと、ゆっくりとした仕草で前の椅子に座る。
沢海は面倒臭そうに藤本へ視線を流すと、藤本も沢海に対して煩わしそうに辟易とした仕草を見せる。
何故お互いに腹に据えかねるような態度で接しているのか沢海自身も分からず、それでもその原因も自分にあるのだと理解し、再び溜息を吐く。
「悪かったな…」
藤本は悪戯に沢海の眉間の深い皺を突付くと粗雑な行為を窘めようと手を払い除けられ、飴色の髪の隙間からジロリと睨み付けられる。
鋭い双眸が光り、鬱陶しそうに沢海の視線が眇められると藤本は更につまらなさそうに不満を表す。
そして、少しだけ声を顰め、沢海を窘めるように話す。
「まだ分からないみたいだから、一応、忠告しておく。
お前が好きな人を独り占めしたい、お前の好きな人を周囲に見せ付けたいっていう気持ちは分かるけど、当の本人がそれを嫌がっているんだから、好い加減に気付けよ。
それ以前にあんな露骨に束縛しなくても、いいだろ?
…お前、自己中心性にも程があるんだよ」
「ーーーえ?…
好きな人…?
束縛…?
…何、言ってんだよ」
沢海は藤本の理解し難い口説に硬質な表情が僅かに歪む。
未だに威勢ばかりの虚勢を張る仕草は藤本を呆れさせ、既に他人の言葉に聞く耳を持たない沢海は背凭れに身体を預けると肩を落とした。
「…はぁ…
だから、さ!
お前、あからさま過ぎるんだって!
何時も2人でイチャイチャしている癖に、オレでも否が応でも分かるわ。
今回みたいな事ばっかり繰り返していると嫌われるぞ」
流石に沢海も一体、自分と誰の事を話をしているのか分かったのか俯いたまま苦笑いを浮かべ、そして静かに嘆息する。
「そんなに他人に見せびらかせていたつもりはないんだけどな」
「自覚症状なし、か…
ーーー好きな人に意地悪するなんて、可愛い喧嘩だな。
…これじゃあ、あいつも苦労するわ」
「可愛い喧嘩なんて、言うなよ…
まるで全部、オレが悪いみたいだな」
「だから、そうなんだよ!
全部、お前が悪い。
…ったく…
沢海!
ちょっと、付き合え」
藤本は大袈裟に頭を掻くと立ち上がり、鬱陶しいとあからさまに訴えてくる目線をいとも容易くへし折り、沢海を離席させる。
沢海の撓むワイシャツの首元を飾るネクタイを軽く小突くように引っ掛け、強引に廊下へ連れ出す。
2人共不本意な顔をベッタリと貼り付けたまま階下へ出ると藤本はケータイを取り出し、LIMEを開いた。
□■□■□■□■
普通科進学コース、1年2組。
宮原は机に突っ伏したままケータイのホームボタンの指紋認証を繰り返し、メッセージの入らないLIMEのトップ画面を何時までも眺めていた。
気分転換にゲームを開くがチャンピオンイレブンしかインストールされておらず、是非もなく諦念すると机にケータイを放り投げる。
『何も、連絡、ない…
ーーー直哉の馬鹿…』
だらける身体を持て余していると膨れっ面の頬を松下は悪戯に人差し指で突かれ、宮原の顔を自由に弄ばれる。
過干渉される行為を払うのも億劫な程、宮原は重怠く滅入っていた。
その反面、感情が疲弊を表している宮原に付け込もうとする松下は沢海の煩わしい悪手から宮原を擁護し、自分の胸の中に残る身体の感触を何度も反芻し、酷く満悦していた。
当然、何故、宮原が憧憬を抱く程の沢海をあからさまに拒絶する行為の理由は考える事は一切ない。
悦に浸る松下は口元をニヤニヤと歪めそうになる表情を叱咤し、優しく声を掛ける。
「宮原、どうしたんだよ?元気ないな。
腹、減ってんのか?」
「ーーー減ってない。
でも、購買に売ってるクリームパンだったら食べる」
「…オレをパシリに使う気か?」
「だって、先に聞いてきたのは松下だろ?」
「そうだけどさぁ…
コンビニだったら行ってくるけど、コンビニのクリームパンでいい?」
自堕落に耽る宮原は松下の打診を拒否し、もう一度音沙汰のないケータイを眺めた後、また机に伏せてしまう。
「ーーーじゃあ、いらない。
購買のクリームパンがいいなぁ…」
「ーーーったく、我儘だな…
購買も行けばいいんだろ?」
普段であれば悪態のひとつ、ふたつも吐くのだが、今日だけは宮原の傲慢な我儘さえも可愛らしく見えてしまう。
素直に甘えてくる宮原を盲愛したい衝動を抑え、口先では仕方なしに促されてみるが、松下の足元は華麗なボールトラップのように浮き足立つ。
松下が廊下へ向かう途中、宮原のケータイに聞き慣れたLIMEの着信音が鳴る。
宮原は沢海からのメッセージが入ったのだと先入観だけでフリックし、嬉々として画面を見入る。
「ーーーあれ?
藤本先輩からだ…
…なんだろ?」
1年2組の廊下の扉が開き、藤本が教室の中を覗くと一部の女子生徒が奇声を上げる。
藤本は甲高い声を立てられても気遣う事もなく、辺りをキョロキョロと見回した後、廊下へと向かっていた松下を見付ける。
「松下!
丁度良かった。
ーーー宮原、いる?」
「藤本先輩!
いますよ。
おい!宮原!藤本先輩が…
…あ…」
藤本の背後から沢海の容姿が見えると松下は途端に顔色を悪く変え、不快感を示した表情を描いてしまう。
そんな松下の葛藤には一切触れず、藤本は沢海の背中を押し、教室の中に入らせる。
「ほら、行けよ」
嗾けられるように室内に入ると小さく嘆息した後、不貞寝したままケータイを眺めている宮原の元へ真っ直ぐに歩き出す。
蒼敬学園サッカー部のイケメンと席巻する沢海の乱入によって女子生徒の悲鳴が更にヒートアップし、宮原は耳障りな声に煩わしそうに顔を上げる。
その瞬間、ここに存在する筈のない沢海の形姿が表れ、驚愕する。
沢海は宮原の目の前で立ち止まると微かに口元を緩め、視線を合わせるように軽く背中を屈める。
真正面から沢海の色素の薄い眸に覗き込まれ、宮原は伝えたかった言葉を全て失ってしまう。
太陽の斜光が風に揺れ、前髪の隙間から宮原だけを見詰める視線が現れると居た堪れずに顔を背けてしまう。
「…宮原…」
「…なんで、ここまで来るんですか…」
「…宮原…
こっち、向いてよ」
「ーーーはい…」
「…ごめん…」
突然の沢海の謝罪に図らずも振り向くと自省した面貌で薄い唇を噛み締め、宮原を真っ直ぐに見詰める。
「ごめんね…
オレのどこが悪かった?
…直すから…
オレの悪いところ、直すから…
ちゃんと言ってよ。
何も言ってくれないと、オレ、分かんないよ。
ーーー意地悪、しないようにするから…
だから…
…オレの事、嫌いにならないでよ…」
真情を吐露する口吻は沢海自身の気持ちを全て反映し、嘘も偽りもない言葉に宮原は身体を甘く束縛され、僅かな身動きでさえ取れない。
本質的に沢海は宮原に対して呆れる程に真率な態度で接しているが故に完全に拒絶をする事は出来ない。
優しい手がぎこちない仕草で宮原の頬を包み、指先で擽られるように撫でていく感覚に肌が真っ赤に染まってしまう。
口元から下唇の膨らみをなぞられ、口付けをされる行為に宮原はギュッと目を瞑ると衝動的に立ち上がってしまう。
「沢海先輩!
ちょっと、来てっ!!」
宮原は沢海の腕を乱暴に解くとその腕を強引に引っ張り、大股で教室を出て行く。
2人の背後から女子生徒の興奮を抑え切れない金切り声のような叫声が響き、羞恥の的にされた宮原は脱兎の如く廊下を走ってしまう。
宮原は咄嗟に沢海の手を繋ぐと「早く!」と急かし、沢海を連れ去っていく。
そして、物事が全く理解出来ずに茫然とする松下と一仕事を終えた藤本が廊下で取り残される。
「ーーー松下、財布持っているけど、購買行くの?」
「…もう行く気力ないです…」
「オレ、購買のクリームパン食べたいんだけど、買ってきてよ。
あと、コーラね」
「ーーーはい…」
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