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第29話 再外出②
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翌日、智也は純を連れて家を出る。駅までの道中、お互い無言であったが、そんなことを気にしている場合ではない。歩いているうちに、駅に着いた。
智也は改札を通過した後、足を止める。純を待つためだ。
程なくして、智也の前にコウモリが飛んできた。この辺りにコウモリはいない。おまけに日も出ている。珍しい光景だが、誰も立ち止まるものはいない。
コウモリは智也の目の前で、人の姿をとる。正体は、純であった。
早朝のコウモリよりも珍しい光景だが、やはり誰も立ち止まらなかった。
成程これが以前に言っていた変身能力か。智也は合点した。
乗降場に向かい、乗車する。車内でも、純の存在に気をとめているものはいないように見えた。関心がないだけかもしれないが。
周囲には純がどう見えているのか。それとも見えていないのか。智也は気もそぞろになる。
会社に着いた智也は、純を入口付近に待たせることにした。職場にまでついてこられると困るからである。
純は何も言わず、ただそこにつっ立っていた。
終業時刻が来た。今日も定時で上がる。智也はタイムカードを押し、会社を出る。純は朝いたところに立っていた。
智也は純の肩を叩く。そのついでに、飲料ゼリーを渡す。純はそれを受け取ると、蓋を開ける。智也が歩き出すと、純もあとをついて行くように歩き出した。ゼリーをすすりながら。
歩いていくうちに、レストランが見えてきた。美咲はまだ来ていない。智也と純は、店の前に立った。
「おい。美咲が来たら、俺たちはレストランに入る。お前はここで待ってろよ」
智也は純に言い含める。純は「わかった」と返す。
しばらくして、美咲がやってきた。
紺のジャケットに、デニムのスカート。インナーは白のブラウスだ。足元はスニーカーだということもある。
ジャケットを羽織っているところから、ある程度はフォーマル感を出したいのだろうが、全体としてはカジュアルだ。
脇に抱えた茶色のボストンバッグが、よりラフ感を出している。
「ごめんなさい。待った?」
美咲が、はにかみながら尋ねてくる。
「ううん。俺も今来たところだよ」
智也は笑顔で答えた。
ボストンバッグを抱えているところを見るに、職場から着替えてきたのだろうか。
美咲は保育士だ。仕事着のままではカジュアルすぎてしまうのだろう。それに、汚れがあったとしてもおかしくはない。
ひとえに、レストランでディナーだからだろう。
理由はどうあれ「わざわざ着替えてくれた」ということが嬉しいと、智也は感じていた。
美咲は智也の方ばかり見ており、純には目をくれない。この様子を見るに、美咲には、認識阻害が効いているようだ。智也は一安心した。
「えーと、今は何時だ」
スマホで時刻をチェックする。画面には十七時四十五分と表示されていた。
「よし、入るか」
智也はレストランに入る。美咲もそれに続くように入室する。純はその場に残った。
智也は改札を通過した後、足を止める。純を待つためだ。
程なくして、智也の前にコウモリが飛んできた。この辺りにコウモリはいない。おまけに日も出ている。珍しい光景だが、誰も立ち止まるものはいない。
コウモリは智也の目の前で、人の姿をとる。正体は、純であった。
早朝のコウモリよりも珍しい光景だが、やはり誰も立ち止まらなかった。
成程これが以前に言っていた変身能力か。智也は合点した。
乗降場に向かい、乗車する。車内でも、純の存在に気をとめているものはいないように見えた。関心がないだけかもしれないが。
周囲には純がどう見えているのか。それとも見えていないのか。智也は気もそぞろになる。
会社に着いた智也は、純を入口付近に待たせることにした。職場にまでついてこられると困るからである。
純は何も言わず、ただそこにつっ立っていた。
終業時刻が来た。今日も定時で上がる。智也はタイムカードを押し、会社を出る。純は朝いたところに立っていた。
智也は純の肩を叩く。そのついでに、飲料ゼリーを渡す。純はそれを受け取ると、蓋を開ける。智也が歩き出すと、純もあとをついて行くように歩き出した。ゼリーをすすりながら。
歩いていくうちに、レストランが見えてきた。美咲はまだ来ていない。智也と純は、店の前に立った。
「おい。美咲が来たら、俺たちはレストランに入る。お前はここで待ってろよ」
智也は純に言い含める。純は「わかった」と返す。
しばらくして、美咲がやってきた。
紺のジャケットに、デニムのスカート。インナーは白のブラウスだ。足元はスニーカーだということもある。
ジャケットを羽織っているところから、ある程度はフォーマル感を出したいのだろうが、全体としてはカジュアルだ。
脇に抱えた茶色のボストンバッグが、よりラフ感を出している。
「ごめんなさい。待った?」
美咲が、はにかみながら尋ねてくる。
「ううん。俺も今来たところだよ」
智也は笑顔で答えた。
ボストンバッグを抱えているところを見るに、職場から着替えてきたのだろうか。
美咲は保育士だ。仕事着のままではカジュアルすぎてしまうのだろう。それに、汚れがあったとしてもおかしくはない。
ひとえに、レストランでディナーだからだろう。
理由はどうあれ「わざわざ着替えてくれた」ということが嬉しいと、智也は感じていた。
美咲は智也の方ばかり見ており、純には目をくれない。この様子を見るに、美咲には、認識阻害が効いているようだ。智也は一安心した。
「えーと、今は何時だ」
スマホで時刻をチェックする。画面には十七時四十五分と表示されていた。
「よし、入るか」
智也はレストランに入る。美咲もそれに続くように入室する。純はその場に残った。
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