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第一章_エルフなので魔法が使いやすい!
ルーナ様は嵐のような人です。
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「ルーカ!おきたって!?」
考え事をしていたら、女の子が一人乱入してきた。今の私がお仕えするルーナ様である。
「ルーナ様!使用人の寮へ遊びにきては行けませんと何度・・・!」
その後ろから、私とお母さんの上司であるメイド長が現れた。更にその後ろにはお母さんと白衣を来たお医者様が見える。
「・・・ってあなた、だれ?」
メイド長に捕まえられつつ、こっちを見てきたルーナ様。そうだった。私、髪の色が変わったんだっけ?
「ルーカであってます。ルーナ様」
メイド長の横をすり抜けたお母さんとお医者様に検査用の魔道機器をつけられながら答える。
「えーっ!あんなに綺麗な黒髪だったのに!」
ルーナ様が呆然とした表情をしている。
「もしかして・・・私のせい・・・?」
ルーナ様が泣きそうな表情になられたので慌てる。ルーナ様のおかげで魔力に目覚めることができたのだ。
これで今まで出来なかったお茶くみが出来るようになる。感謝してもし足りないぐらいだ。
「いえ!ルーナ様のおかげで自身にあった魔力を認識できるようになったのです。これで魔道機器を扱うことができます」
検査用の魔道機器に繋がれて、身体の様子をみられつつベッドの上から頭を下げる。それでも心配なのか、メイド長から離れ私の近くまで寄ってくる。
「ルーナ様。いま検査中ですので触れないでくださいね?」
お医者様が苦笑しつつ、ルーナ様に注意する。ルーナ様はこくりと頷き、赤色の瞳に涙を浮かべ、心配そうに私をみていえる。とても可愛い。
「先生、容態は?」
お母さんが機器を扱うお医者様に訪ねる。お医者様は機器にうつるデータを確認し、頷いた。
「魔法の影響が抜けているので、もう大丈夫でしょう。少々熱が出てるので今日一日はゆっくりと休ませてください」
お医者様の一言にお母さんがほっと息をつく。
「ただ・・・魔力値が異常値をしめしているので・・・もう一度魔力検査を行った方がいいかもしれません」
今まで0だったからね・・・。それがかなりの数値になっちゃっただろうし・・・。魔力水晶割れなきゃいいなぁ・・・。
「ルーカちゃん本人も魔力が認識出来るようになったと言ってますし」
お医者様がお母さんを安心させるためか、笑顔でおっしゃった。
「わかりました。今度の休息日に検査させに行きます」
「別に明日でも大丈夫ですよ?あなた達のシフトはずらしておきますので」
メイド長が苦笑しながらお母さんに言う。ルーナ様もこくこくと頷いた。
「私もみたい!明日いきましょ!お父様にお願いしてくる!」
言うが早いかルーナ様勢いよく部屋を飛び出した。
「まるで嵐のようね」
メイド長が頭を押さえながらぼやく。その一言に私とお母さんが吹いてしまう。
今日は一日ゆっくりできるとの事だったので、まだまだ前世と前前世の情報整理はできそうだ。
熱が出ない程度にしようかなと思いつつ、ふと今度の世界はどんな所なのかが気になる。
「お母さん、今日一日安静にするなら私、本が読みたいな」
「あら?じゃぁ持ってきましょうか?」
お母さんがお医者様とメイド長をお見送りするため立ち上がる。とそこへ・・・。
「そう言うと思って持ってきました!」
嵐、ルーナ様が舞い戻ってきました。その手にあったのは歴史書と地図。今まさに欲しい情報!
「ルーナ様、ワザワザありがとうございます」
ベッドの上で頭をさげると、ルーナ様が腰に手をあて胸をはる。どやぁ!って感じだ。
「一緒に読みましょ!今日の勉強は午前中だけだし」
そう言いながら私のベッドまで歩いてくる。お母さんがあわててルーナ様をとめた。
「ルーナ様!ここは使用人用の部屋です。さすがに・・・」
「えー!いいじゃない!私とルーカの仲だし!」
口を尖らせ、可愛く文句をいうルーナ様。お母さんも雇い主の娘でもあるので強くはいえない。
「ね?ね?おねがいっ!」
顔の前に手を合わせ、上目つかいにお願いするルーナ様。お母さんは困ったような顔をしたあと「ライラ様にお願いしてみます・・・」といって通信魔道器に手を翳し、魔力をながした。どうやらメールを送ってるみたい。
「ほらほらー!一緒に見よ!」
・・・本当に嵐のような人です。
考え事をしていたら、女の子が一人乱入してきた。今の私がお仕えするルーナ様である。
「ルーナ様!使用人の寮へ遊びにきては行けませんと何度・・・!」
その後ろから、私とお母さんの上司であるメイド長が現れた。更にその後ろにはお母さんと白衣を来たお医者様が見える。
「・・・ってあなた、だれ?」
メイド長に捕まえられつつ、こっちを見てきたルーナ様。そうだった。私、髪の色が変わったんだっけ?
「ルーカであってます。ルーナ様」
メイド長の横をすり抜けたお母さんとお医者様に検査用の魔道機器をつけられながら答える。
「えーっ!あんなに綺麗な黒髪だったのに!」
ルーナ様が呆然とした表情をしている。
「もしかして・・・私のせい・・・?」
ルーナ様が泣きそうな表情になられたので慌てる。ルーナ様のおかげで魔力に目覚めることができたのだ。
これで今まで出来なかったお茶くみが出来るようになる。感謝してもし足りないぐらいだ。
「いえ!ルーナ様のおかげで自身にあった魔力を認識できるようになったのです。これで魔道機器を扱うことができます」
検査用の魔道機器に繋がれて、身体の様子をみられつつベッドの上から頭を下げる。それでも心配なのか、メイド長から離れ私の近くまで寄ってくる。
「ルーナ様。いま検査中ですので触れないでくださいね?」
お医者様が苦笑しつつ、ルーナ様に注意する。ルーナ様はこくりと頷き、赤色の瞳に涙を浮かべ、心配そうに私をみていえる。とても可愛い。
「先生、容態は?」
お母さんが機器を扱うお医者様に訪ねる。お医者様は機器にうつるデータを確認し、頷いた。
「魔法の影響が抜けているので、もう大丈夫でしょう。少々熱が出てるので今日一日はゆっくりと休ませてください」
お医者様の一言にお母さんがほっと息をつく。
「ただ・・・魔力値が異常値をしめしているので・・・もう一度魔力検査を行った方がいいかもしれません」
今まで0だったからね・・・。それがかなりの数値になっちゃっただろうし・・・。魔力水晶割れなきゃいいなぁ・・・。
「ルーカちゃん本人も魔力が認識出来るようになったと言ってますし」
お医者様がお母さんを安心させるためか、笑顔でおっしゃった。
「わかりました。今度の休息日に検査させに行きます」
「別に明日でも大丈夫ですよ?あなた達のシフトはずらしておきますので」
メイド長が苦笑しながらお母さんに言う。ルーナ様もこくこくと頷いた。
「私もみたい!明日いきましょ!お父様にお願いしてくる!」
言うが早いかルーナ様勢いよく部屋を飛び出した。
「まるで嵐のようね」
メイド長が頭を押さえながらぼやく。その一言に私とお母さんが吹いてしまう。
今日は一日ゆっくりできるとの事だったので、まだまだ前世と前前世の情報整理はできそうだ。
熱が出ない程度にしようかなと思いつつ、ふと今度の世界はどんな所なのかが気になる。
「お母さん、今日一日安静にするなら私、本が読みたいな」
「あら?じゃぁ持ってきましょうか?」
お母さんがお医者様とメイド長をお見送りするため立ち上がる。とそこへ・・・。
「そう言うと思って持ってきました!」
嵐、ルーナ様が舞い戻ってきました。その手にあったのは歴史書と地図。今まさに欲しい情報!
「ルーナ様、ワザワザありがとうございます」
ベッドの上で頭をさげると、ルーナ様が腰に手をあて胸をはる。どやぁ!って感じだ。
「一緒に読みましょ!今日の勉強は午前中だけだし」
そう言いながら私のベッドまで歩いてくる。お母さんがあわててルーナ様をとめた。
「ルーナ様!ここは使用人用の部屋です。さすがに・・・」
「えー!いいじゃない!私とルーカの仲だし!」
口を尖らせ、可愛く文句をいうルーナ様。お母さんも雇い主の娘でもあるので強くはいえない。
「ね?ね?おねがいっ!」
顔の前に手を合わせ、上目つかいにお願いするルーナ様。お母さんは困ったような顔をしたあと「ライラ様にお願いしてみます・・・」といって通信魔道器に手を翳し、魔力をながした。どうやらメールを送ってるみたい。
「ほらほらー!一緒に見よ!」
・・・本当に嵐のような人です。
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