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第一章
2回目の来店(攻め視点)
あぁ~やっぱり可愛いなぁ、俺のみどりは。これで料理も上手いとか、大丈夫か…?襲われたり、彼氏が出来たりしてないよな…?………ないよな?
俺は今、この間の喫茶店に来ている。前はゆっくり出来なかったからな。店内は大分落ち着いた雰囲気で、今日も客は居ない。まあ、俺が開店直後に来たからな。
前回と同じようにお好きな席にと言われたので、カウンター席に座って、みどりを見つめる。
因みに注文はもうしてる。フレンチトーストとコーヒー。理由は店内に凄いコーヒーのいい匂いがするのと、俺が甘いものが好きだから。みどりも甘いものがすきだから、あわよくばそこから話を広げたい。
「へぇ、君って大学生だったんだ。ここではアルバイト?」
俺は営業部で鍛えられた会話スキル使って、ちゃっかりとみどりの大学を聞き出した。……〇〇大学か、いつか大学帰りのみどりを、迎えに行ったりしたいな。
そしてみどりの前ではちょっと口調も変えてる。余裕のある、かっこいい大人がコンセプトだ。惚れてくれみどり。
「はい。叔父が店長をしていて、昔から店を継がないか、と言われてるんですけど、いきなり継ぐのは不安なので、バイトから、という事で。」
「君は店を継ぐのに、結構乗り気なんだね。」
俺は親父の会社を継ぐのが嫌だったな。七光りみたいで。でも今は、親父を実力で負かして社長になってやろうと思ってるよ。親父の作った会社は好きだしな。
「昔から、この店が好きだったので。言われた時は急だったのでびっくりしましたけど、嬉しかったですよ。」
そう言ったみどりの顔は、本当に優しい笑顔をしていて、ちょっと嫉妬した。でも生き生きしてるみどりは可愛いな。
「ふふ、素敵だね。俺は昔、絶対につぐもんかって、思ってたよ。」
「そうなんですか?」
「うん。自分の力で何でもしたかったんだよ。今でもそうだけどね。」
なんでも自分の力で手に入れたかった。誰かに貰うなんて嫌だったんだ。
ま、今もそうだし、今一番欲しいのはみどりだけどな!
「翠、レンジなったぞ。」
「あ、ほんと?ありがとう。」
何やらレンジがなったらしい。俺のフレンチトーストか?みどりが奥に入って、奥から別の人が出てきた。多分みどりの叔父だろう。
四十代後半位で、体格がよく、コーヒーの香りを纏ったその人は、じっとこちらを試すように見つめた。
知らず知らず背が伸びて、こちらも見つめ返す。多分みどりを泣かせでもしたら殺されるな。
その時間が何十分にも感じたが、ふいっと背を向けて奥に戻っていった。それと入れ代わりにみどりが戻って来た。
「お待たせしました。ご注文のフレンチトーストとコーヒーのセットです。」
みどりぃぃ!俺の癒やし!天使!女神!ぜんっぜん待ってないぞ!かわいいな!
みどりが持って来てくれたフレンチトーストは、見るからに美味しそうで、美人な上に料理も上手いとか心配だぞ、俺は。
そう、みどりは美人なんだ。小さい頃は天使の様に無垢で可愛かったが、こう、大人になったみどりは、そこはかとなく色香が漂うように成長してる。体格は程よく筋肉が付いてて健康的だが、色が白く儚い印象の方が先にくる。
昔からのくせっ毛の髪は、一本一本は細くふわふわの髪質で、みどりが動く度にふわりと揺れる。思わず触れたくなるが、今の俺とみどりの関係は客と店員。セクハラになるし、みどりに気持ち悪いと思われたら、枕どころかベットをびしょびしょにするほど泣くぞ俺は。そして脱水症で死ぬ。
そんなちょっと誰かに聞かれると引かれそうな思考回路をしながら、俺はフレンチトーストを食べ始めた。
……いや美味いな?何だこの程よい甘さ。よく、しつこくない甘さ、とは言うがあれは甘さが足りない。それと違って、程よく絡んでくるというか……。あれだ、仲のいい友達みたいな甘さだ。四六時中ベタベタしてるカップルでも、2回くらいしか会ったことのない、会えば挨拶するくらいの知人でもなく。会えば話は弾み、予定より長いこと話してるみたいな関係の友達位の甘さだ!
「このフレンチトースト美味しいね。君が作ってるの?」
「え、ぁ、はい。俺が作ってます。コーヒーは、店長が作ってますけど。」
「そっかぁ。」
やっぱりみどりが作ってくれてたんだな。みどりが作ってくれた物なら炭だって美味いと言いながら食べられる自信があるが、贔屓目なしでもすっごくうまいぞ。
みどりの作ってくれたフレンチトーストを食べながらみどりを見る、というなんとも至福の時間を過ごし、みどりの叔父さんが作ってくれたというコーヒーを飲む。コーヒーも美味い。あの人を見た瞬間からコーヒーを作るのが上手いだろうとは思っていたが、並々ならぬ情熱をコーヒーから感じるぞ……。
さて、フレンチトーストも食べ終わってしまったから、また何か頼むか。何も注文していないのに長居するのは迷惑だろうからな。売上に貢献しながら、長居しよう。そして売上に貢献とか関係なく俺が食いたい。絶対に他のメニューもウマイやつだこれは。
その時、俺の携帯が鳴り出した。そして案の定仕事の呼び出し。
スゥーーー。…………………何で携帯を置いてこなかったんだ俺!!あわよくばみどりと連絡先を交換するためだよくそが!!!
電話などなかった事にしてここに居る事も出来なくはないが、多分みどりは電話の内容を察しているだろう。ここで仕事をほっぽりだせば、真面目なみどりの好感度は十中八九下がる。それだけは回避しなければ!
心の中で血涙を流しながら、表ではかっこいい大人の仮面を貼り付け、お会計をみどりに頼む。
「はい。ーーーー円になります。」
「ごちそうさまでした。美味しかったよ。」
みどりと目があい、思わずかっこよくない笑いが出る。みどりを前にすると表情筋がゆるゆるになってしまうからいけない。
「あ、そういえば、君名前は?」
名前は聞いておかないと、うっかり呼んでしまった時にストーカーだと思われたら大変だ。俺はストーカーじゃない。
「…へ?…えっと、鷹木、翠、です……?」
あぁぁごめんみどり、困惑させちゃって。確かに急に知らない奴に名前聞かれたらびっくりするよな!俺も自己紹介するからな!
「俺は白河朱鳥。是非、朱鳥って呼んでね。これ名刺。じゃ、またね、翠君。」
下の名前を呼んでほしいと願望も込めて自己紹介し、名刺を渡す。怪しい奴じゃないぞ。仲良くしてくれ。そして最後に、ありったけの好きを込めて、名前を呼ぶ。いつかまたみどりって呼ぶから、ちょっと待っててくれ。
そして心変わりしない内に背を向けて仕事に向かう。
………ちょっと待て、連絡先書いた方の名刺みどりに渡せてねえ!!普通に営業で配る方渡しちまった!!!
家に帰って枕は濡らした。水分補給はした。
俺は今、この間の喫茶店に来ている。前はゆっくり出来なかったからな。店内は大分落ち着いた雰囲気で、今日も客は居ない。まあ、俺が開店直後に来たからな。
前回と同じようにお好きな席にと言われたので、カウンター席に座って、みどりを見つめる。
因みに注文はもうしてる。フレンチトーストとコーヒー。理由は店内に凄いコーヒーのいい匂いがするのと、俺が甘いものが好きだから。みどりも甘いものがすきだから、あわよくばそこから話を広げたい。
「へぇ、君って大学生だったんだ。ここではアルバイト?」
俺は営業部で鍛えられた会話スキル使って、ちゃっかりとみどりの大学を聞き出した。……〇〇大学か、いつか大学帰りのみどりを、迎えに行ったりしたいな。
そしてみどりの前ではちょっと口調も変えてる。余裕のある、かっこいい大人がコンセプトだ。惚れてくれみどり。
「はい。叔父が店長をしていて、昔から店を継がないか、と言われてるんですけど、いきなり継ぐのは不安なので、バイトから、という事で。」
「君は店を継ぐのに、結構乗り気なんだね。」
俺は親父の会社を継ぐのが嫌だったな。七光りみたいで。でも今は、親父を実力で負かして社長になってやろうと思ってるよ。親父の作った会社は好きだしな。
「昔から、この店が好きだったので。言われた時は急だったのでびっくりしましたけど、嬉しかったですよ。」
そう言ったみどりの顔は、本当に優しい笑顔をしていて、ちょっと嫉妬した。でも生き生きしてるみどりは可愛いな。
「ふふ、素敵だね。俺は昔、絶対につぐもんかって、思ってたよ。」
「そうなんですか?」
「うん。自分の力で何でもしたかったんだよ。今でもそうだけどね。」
なんでも自分の力で手に入れたかった。誰かに貰うなんて嫌だったんだ。
ま、今もそうだし、今一番欲しいのはみどりだけどな!
「翠、レンジなったぞ。」
「あ、ほんと?ありがとう。」
何やらレンジがなったらしい。俺のフレンチトーストか?みどりが奥に入って、奥から別の人が出てきた。多分みどりの叔父だろう。
四十代後半位で、体格がよく、コーヒーの香りを纏ったその人は、じっとこちらを試すように見つめた。
知らず知らず背が伸びて、こちらも見つめ返す。多分みどりを泣かせでもしたら殺されるな。
その時間が何十分にも感じたが、ふいっと背を向けて奥に戻っていった。それと入れ代わりにみどりが戻って来た。
「お待たせしました。ご注文のフレンチトーストとコーヒーのセットです。」
みどりぃぃ!俺の癒やし!天使!女神!ぜんっぜん待ってないぞ!かわいいな!
みどりが持って来てくれたフレンチトーストは、見るからに美味しそうで、美人な上に料理も上手いとか心配だぞ、俺は。
そう、みどりは美人なんだ。小さい頃は天使の様に無垢で可愛かったが、こう、大人になったみどりは、そこはかとなく色香が漂うように成長してる。体格は程よく筋肉が付いてて健康的だが、色が白く儚い印象の方が先にくる。
昔からのくせっ毛の髪は、一本一本は細くふわふわの髪質で、みどりが動く度にふわりと揺れる。思わず触れたくなるが、今の俺とみどりの関係は客と店員。セクハラになるし、みどりに気持ち悪いと思われたら、枕どころかベットをびしょびしょにするほど泣くぞ俺は。そして脱水症で死ぬ。
そんなちょっと誰かに聞かれると引かれそうな思考回路をしながら、俺はフレンチトーストを食べ始めた。
……いや美味いな?何だこの程よい甘さ。よく、しつこくない甘さ、とは言うがあれは甘さが足りない。それと違って、程よく絡んでくるというか……。あれだ、仲のいい友達みたいな甘さだ。四六時中ベタベタしてるカップルでも、2回くらいしか会ったことのない、会えば挨拶するくらいの知人でもなく。会えば話は弾み、予定より長いこと話してるみたいな関係の友達位の甘さだ!
「このフレンチトースト美味しいね。君が作ってるの?」
「え、ぁ、はい。俺が作ってます。コーヒーは、店長が作ってますけど。」
「そっかぁ。」
やっぱりみどりが作ってくれてたんだな。みどりが作ってくれた物なら炭だって美味いと言いながら食べられる自信があるが、贔屓目なしでもすっごくうまいぞ。
みどりの作ってくれたフレンチトーストを食べながらみどりを見る、というなんとも至福の時間を過ごし、みどりの叔父さんが作ってくれたというコーヒーを飲む。コーヒーも美味い。あの人を見た瞬間からコーヒーを作るのが上手いだろうとは思っていたが、並々ならぬ情熱をコーヒーから感じるぞ……。
さて、フレンチトーストも食べ終わってしまったから、また何か頼むか。何も注文していないのに長居するのは迷惑だろうからな。売上に貢献しながら、長居しよう。そして売上に貢献とか関係なく俺が食いたい。絶対に他のメニューもウマイやつだこれは。
その時、俺の携帯が鳴り出した。そして案の定仕事の呼び出し。
スゥーーー。…………………何で携帯を置いてこなかったんだ俺!!あわよくばみどりと連絡先を交換するためだよくそが!!!
電話などなかった事にしてここに居る事も出来なくはないが、多分みどりは電話の内容を察しているだろう。ここで仕事をほっぽりだせば、真面目なみどりの好感度は十中八九下がる。それだけは回避しなければ!
心の中で血涙を流しながら、表ではかっこいい大人の仮面を貼り付け、お会計をみどりに頼む。
「はい。ーーーー円になります。」
「ごちそうさまでした。美味しかったよ。」
みどりと目があい、思わずかっこよくない笑いが出る。みどりを前にすると表情筋がゆるゆるになってしまうからいけない。
「あ、そういえば、君名前は?」
名前は聞いておかないと、うっかり呼んでしまった時にストーカーだと思われたら大変だ。俺はストーカーじゃない。
「…へ?…えっと、鷹木、翠、です……?」
あぁぁごめんみどり、困惑させちゃって。確かに急に知らない奴に名前聞かれたらびっくりするよな!俺も自己紹介するからな!
「俺は白河朱鳥。是非、朱鳥って呼んでね。これ名刺。じゃ、またね、翠君。」
下の名前を呼んでほしいと願望も込めて自己紹介し、名刺を渡す。怪しい奴じゃないぞ。仲良くしてくれ。そして最後に、ありったけの好きを込めて、名前を呼ぶ。いつかまたみどりって呼ぶから、ちょっと待っててくれ。
そして心変わりしない内に背を向けて仕事に向かう。
………ちょっと待て、連絡先書いた方の名刺みどりに渡せてねえ!!普通に営業で配る方渡しちまった!!!
家に帰って枕は濡らした。水分補給はした。
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