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第四章 聖樹世界エルファリア編
第40話ダークエルフ侵攻3
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ダークエルフに投降を呼びかける声は、城の前面に展開したエルフの軍勢にも届いた。
両手を上げたダークエルフの兵士達が、森から次々に現れる。
エルフ軍からは、歓声と勝鬨が上がった。
史郎が予想していた通り、若いエルフの指揮官に率いられた一団が、投降したダークエルフ達へ駆け足で近づいていく。
「奴らに、目にもの見せてやれ!」
ヨレヨレで泥まみれの軍服を着たダークエルフの兵士達は、武器も無く、抗える術は無かった。
勢い勇んで駆けよるエルフ兵の前に白髪の老人が現れた。
「貴様、人族だな! 奴らの味方をするなら、生かしてはおかんぞ」
若い指揮官が、目を吊りあげて老人に詰めよる。
「やれやれ。馬鹿な若者は、どこにでもいますな」
老人は、苦笑いしている。
落ちつきはらったその態度に、若い指揮官は一瞬ひるんだが、剣を抜いて叫んだ。
「こいつもろとも、殺してしまえ」
若い指揮官の剣が老人を袈裟懸けにした、と見えたが、それは彼が動いた後の残像に過ぎなかった。
剣を抜いていた者、全員の手首から先が、宙を舞った。
剣を抜いていなかった者も、あっというまに見えない何かに取りおさえられた。
エルフの軍勢から、騎乗した一人の文官が駆けつける。
「リーヴァス様、お手数をおかけします」
「ははは。まあ、彼らには良い教訓になるでしょう」
利き手を失った者は、突然姿を現した三人の獣人が応急手当している。
「なんか、面倒を押しつけられてる気もするけど……」
「ミミ、何言ってるの? リーダーは、二万人の兵士を無力化したんだよ。
ぐずぐず言わずに手を動かす」
「はいはい。もー、ポン太ったら、偉そうなんだから」
リーヴァスの所に、ダークエルフの武人が近づく。彼だけは、腰に剣を差したままである。
胸に手を当て、軽く礼をする。
「名のあるお方とお見受けする。部下の命を助けていただき、感謝する。
私は、プーダと申すもの。是非、お名前をお聞かせねがいたい」
リーヴァスも、軽く会釈をする。
「リーヴァスと申します。部下の方々のことは、お礼には及びませんぞ。
彼らを守るのが、エルフ王からの依頼ですからな」
「依頼……冒険者ですか。冒険者でリーヴァスという名前……。もしや、『雷神リーヴァス』殿では?」
「ははは。誰かが付けた二つ名ですが、確かに私の名ですよ」
「リーヴァス殿、あなたを見こんで頼みがある。是非、私と手あわせ願いたい」
「手あわせ? なぜですかな?」
「わが軍は、既にエルフ軍に降った。しかし、私はどうしても戦ってから身を処したい。
愚か者のたわごととお笑いください」
「私が受けねば、どうするおつもりで?」
「エルフ軍に切りこんで、彼らを一人でも倒します」
「うむ。分かりました。お相手しよう」
「おお! 受けてくれるか。雷神殿ならば、相手にとって不足は無い」
二人は、5mくらいの距離を取って対峙した。
「リーヴァス様、無駄なことは止めてください」
ミミが叫ぶ。
「ミミ、これは彼の武人の血から止められぬもの。黙って見ていなさい」
二人の手が、剣の柄にかかる。
一瞬、二人の姿がぶれたと思ったら、それぞれの位置が入れかわっていた。
「見事!」
ダークエルフの将軍は、そう言うと前のめりに倒れた。
「コルナさん、頼めるかな」
コルナが、プーダに駆けよって治癒魔術を掛ける。
「……大丈夫です」
彼女には、リーヴァスが急所を避けて剣を振るったのがすぐに分かった。
こうして、王城付近で行われた戦闘は全て終わった。
----------------------------------------------------------------------
どうして、戦闘があのようなことになったか、知りたいって?
最初、城に向けて襲いかかった魔獣の群れを闇魔術から解き放ったのは、俺の点魔法だった。
聖属性の魔術を点に付与し、それを魔獣に付けた。
魔獣を操っている闇魔術を、その魔術が打ち消したのだ。
グリフォン隊の上空に現れた飛行獣は、ナルとメルだ。
透明化の魔術をかけたボードにルルが乗りこんでサポートしていた。
ナルとメルがグリフォンのコントロールを奪うとすぐに、俺は彼女らとルルを、『西の島』フェアリスの集落にある、「土の家」の二階に転送した。点魔法の「連結」と「付与 空間」の合わせ技である。
この合わせ技は、『メテオ』を地面に誘導するときにも使った。
一つの点で魔術を吸いこみ、もう一つの点から出したのだ。
ダークエルフには、吸収した『メテオ』を使うと脅したが、実のところ、点に収納した魔術が時間をおいて再び使えるかどうかは、定かでない。
だから、あそこでダークエルフが降参しなかったら、いろいろ面倒な手順が必要になっていた。
結局、その手順は不要になったんだけどね。
点ちゃん、今回も大活躍だったね。
『(^▽^)/いっぱい遊べて楽しかったー』
まあね。いつもの点ちゃんだね。
俺は1号機の中でコケットに横になりながら、明日から、いかにゴロゴロするか、その計画を練っていた。
いつもごろごろする計画を練っている、この史郎という少年、実のところ勤勉なのでは?
両手を上げたダークエルフの兵士達が、森から次々に現れる。
エルフ軍からは、歓声と勝鬨が上がった。
史郎が予想していた通り、若いエルフの指揮官に率いられた一団が、投降したダークエルフ達へ駆け足で近づいていく。
「奴らに、目にもの見せてやれ!」
ヨレヨレで泥まみれの軍服を着たダークエルフの兵士達は、武器も無く、抗える術は無かった。
勢い勇んで駆けよるエルフ兵の前に白髪の老人が現れた。
「貴様、人族だな! 奴らの味方をするなら、生かしてはおかんぞ」
若い指揮官が、目を吊りあげて老人に詰めよる。
「やれやれ。馬鹿な若者は、どこにでもいますな」
老人は、苦笑いしている。
落ちつきはらったその態度に、若い指揮官は一瞬ひるんだが、剣を抜いて叫んだ。
「こいつもろとも、殺してしまえ」
若い指揮官の剣が老人を袈裟懸けにした、と見えたが、それは彼が動いた後の残像に過ぎなかった。
剣を抜いていた者、全員の手首から先が、宙を舞った。
剣を抜いていなかった者も、あっというまに見えない何かに取りおさえられた。
エルフの軍勢から、騎乗した一人の文官が駆けつける。
「リーヴァス様、お手数をおかけします」
「ははは。まあ、彼らには良い教訓になるでしょう」
利き手を失った者は、突然姿を現した三人の獣人が応急手当している。
「なんか、面倒を押しつけられてる気もするけど……」
「ミミ、何言ってるの? リーダーは、二万人の兵士を無力化したんだよ。
ぐずぐず言わずに手を動かす」
「はいはい。もー、ポン太ったら、偉そうなんだから」
リーヴァスの所に、ダークエルフの武人が近づく。彼だけは、腰に剣を差したままである。
胸に手を当て、軽く礼をする。
「名のあるお方とお見受けする。部下の命を助けていただき、感謝する。
私は、プーダと申すもの。是非、お名前をお聞かせねがいたい」
リーヴァスも、軽く会釈をする。
「リーヴァスと申します。部下の方々のことは、お礼には及びませんぞ。
彼らを守るのが、エルフ王からの依頼ですからな」
「依頼……冒険者ですか。冒険者でリーヴァスという名前……。もしや、『雷神リーヴァス』殿では?」
「ははは。誰かが付けた二つ名ですが、確かに私の名ですよ」
「リーヴァス殿、あなたを見こんで頼みがある。是非、私と手あわせ願いたい」
「手あわせ? なぜですかな?」
「わが軍は、既にエルフ軍に降った。しかし、私はどうしても戦ってから身を処したい。
愚か者のたわごととお笑いください」
「私が受けねば、どうするおつもりで?」
「エルフ軍に切りこんで、彼らを一人でも倒します」
「うむ。分かりました。お相手しよう」
「おお! 受けてくれるか。雷神殿ならば、相手にとって不足は無い」
二人は、5mくらいの距離を取って対峙した。
「リーヴァス様、無駄なことは止めてください」
ミミが叫ぶ。
「ミミ、これは彼の武人の血から止められぬもの。黙って見ていなさい」
二人の手が、剣の柄にかかる。
一瞬、二人の姿がぶれたと思ったら、それぞれの位置が入れかわっていた。
「見事!」
ダークエルフの将軍は、そう言うと前のめりに倒れた。
「コルナさん、頼めるかな」
コルナが、プーダに駆けよって治癒魔術を掛ける。
「……大丈夫です」
彼女には、リーヴァスが急所を避けて剣を振るったのがすぐに分かった。
こうして、王城付近で行われた戦闘は全て終わった。
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どうして、戦闘があのようなことになったか、知りたいって?
最初、城に向けて襲いかかった魔獣の群れを闇魔術から解き放ったのは、俺の点魔法だった。
聖属性の魔術を点に付与し、それを魔獣に付けた。
魔獣を操っている闇魔術を、その魔術が打ち消したのだ。
グリフォン隊の上空に現れた飛行獣は、ナルとメルだ。
透明化の魔術をかけたボードにルルが乗りこんでサポートしていた。
ナルとメルがグリフォンのコントロールを奪うとすぐに、俺は彼女らとルルを、『西の島』フェアリスの集落にある、「土の家」の二階に転送した。点魔法の「連結」と「付与 空間」の合わせ技である。
この合わせ技は、『メテオ』を地面に誘導するときにも使った。
一つの点で魔術を吸いこみ、もう一つの点から出したのだ。
ダークエルフには、吸収した『メテオ』を使うと脅したが、実のところ、点に収納した魔術が時間をおいて再び使えるかどうかは、定かでない。
だから、あそこでダークエルフが降参しなかったら、いろいろ面倒な手順が必要になっていた。
結局、その手順は不要になったんだけどね。
点ちゃん、今回も大活躍だったね。
『(^▽^)/いっぱい遊べて楽しかったー』
まあね。いつもの点ちゃんだね。
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