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第10話 頭を撫でる
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現代日本
ザーーーーー
雨の中、救助隊がシャベルで崩落現場の土砂を取り除いていた。宮川たち調査員はレインコートを着てそれを見守っている。かれこれ数日が経っているが谷崎はまだ見つかっていない。
すると救助隊の隊長らしき人が宮川たちに近づいた。
「崩落でできた土砂は大体取り除きました。……ですが要救助者は見つかりませんでした。
宮川は目を開ける。そして、大きな声で言う。
「どういうことですか!谷崎は確かにこの崩落に巻き込まれたんですよ!」
「分かっています。我々も捜索を続けますが見つからない可能性は高いです」
「……分かりました。よろしくお願いします」
「はい」
そう言い現場に戻っていく。
「……谷崎はどこにいるんだ?」
……………………………………………………
「あーあ、つまらないのう……」
将棋の駒を持って卑弥呼は言う。
先日、村の大工に頼んで将棋の駒を作ってもらった。文字は谷崎が書いた。
「大体、谷崎が弱すぎて、将棋にも飽きそうじゃ」
「……それは卑弥呼さんが強すぎるんです」
(高校の将棋部に入っていた時は部の中でもトップレベルの強さだったんだけど……)
「……何をしようか……とりあえず散歩でもするか」
「はい」
谷崎と卑弥呼は村の中を散歩する。
谷崎は村の中を歩くとつくづく思う。自分がいた時代と比べて気持ちよく、窮屈感がない。
(確かにここは不弁だらけだけど僕はこんなのが丁度いいのかな……ネットが無いのがキツすぎるけど)
「卑弥呼様ー!」
卑弥呼に走ってくる女の子達と、後ろからは女性達が近付いてくる。
女の子達は卑弥呼に抱き着く。
「おお!走ったら危ないぞ!」
卑弥呼は尻もちをつき、女の子達を受け止める。
「お主達、今日はどうしたのじゃ?」
「あのね!今から山に行って山菜を取りに行くの!卑弥呼様もどう?」
現代で考えられてる卑弥呼と実際の卑弥呼は全く違った。歴史書では立場の差があったと書かれていたが卑弥呼を見てみるとそれは全く無い。
後ろからついてきた女性が卑弥呼に話す。
「夏は春よりはあまり取れませんが山菜が取れるんです。卑弥呼様も御一緒になられますか?」
卑弥呼は笑顔で答える。
「勿論じゃ!今、つまらなくて外に出ていたんじゃ。晴人も大丈夫じゃろ?」
「はい」
「こやつも一緒で良いか?」
「勿論です」
「良し!では行こうか!」
「わーい!」
卑弥呼は女の子二人と手を繋ぎ歩いていく。
そしてこの前卑弥呼と一緒に登った山に入っていく。
「私達は山菜を取っていくので卑弥呼様はおくつろぎ下さい」
「いや、わらはも手伝わせてくれ」
「もう、本当にありがとうございます」
「晴人も手伝うぞ」
「あ、はい」
谷崎と卑弥呼は女性たちの手伝いをする。
そして、一時間ほどが経ち、籠が満杯ほどになった。
「このくらいで大丈夫です。本当にありがとうございます。あとで卑弥呼様にもお分けします」
「有難うな!」
みんなが帰る準備をしている時。
「あれ、いない……いない!」
「?どうしたのじゃ?」
「私の娘が居ないんです!」
「わ、分かった!急いで手分けして探そう!名前は確かチナだったな」
「そうです!」
みんなが手分けして探していく。
「晴人はあっちの方を探してくれ!」
「はい!」
晴人は森の中を一生懸命に探す。
「おーい!チナちゃん!いるなら返事をしてくれ!」
途中で谷崎が大嫌いなクモの巣がありながらも気にせずに探していく。
「はぁ……はぁ……クソ……運動部に入っていれば……ん?」
そこには女の子が山菜を取ろうとしていた。急斜面の中で。
「チナちゃん!危ないから、戻って来て!」
「……え?」
女の子は谷崎に気づきながらも目の前にある山菜を取ろうとする。
谷崎は女の子に近づいた時、女の子が山菜を取った。そして女の子は足を滑らせる。
「うわ!」
「危ない!」
谷崎は急いで駆けつけ、抱きかかえる様にして女の子を急斜面から守る。
「うあー!止まれぇ!……!?」
ドン!
女の子を守ろうとした結果。体を木に強打した。
「!痛たた……大丈夫?」
「お兄さんこそ痛くない?大丈夫?」
「そんなに……痛くはないさ」
すると誰かが近づいてきた。
「チナー!居ないか!……あ、晴人!それにチナも!」
「卑弥呼さん!早く、お母さんを!」
「わ、分かった!」
少し時間が経ち、
「チナ!」
「お母さん!」
「もう、何やってるのよ。心配したんだから」
「……ごめんなさい」
女性は谷崎にお礼を言う。
「チナを守って下さってありがとうございます」
「いえいえ」
「ほら、チナも」
女の子は恥ずかしながら言う。
「……ありがとう。お兄さん」
「どうも」
谷崎は女の子の頭を撫でる。
「念の為、数日間は注意してください」
「はい。ほら、帰るわよ」
「うん」
こうして事なきを得て村に帰ることになった。
「晴人、有難うな」
「いえ、当たり前の事です」
「大丈夫か?怪我などしてないか?」
「少しだけ体が痛いだけで大丈夫です」
「そうか……」
卑弥呼は振り向く
「頭を撫でてくれんかの?」
「え?」
「さっき子供にしていただろう。して欲しいのじゃ」
「え、でも……」
「して!して!して!!」
卑弥呼は子供の様におねだりをする。
「はぁ……」
谷崎は卑弥呼の頭を撫でる。
「おお!こんな感じか!いいのう!」
「はい、終わりです」
「ええ……もう終わりか?」
卑弥呼は拗ねる。
「早く帰りますよ」
「もう……晴人のケチ」
こうして一日は終わった。
ザーーーーー
雨の中、救助隊がシャベルで崩落現場の土砂を取り除いていた。宮川たち調査員はレインコートを着てそれを見守っている。かれこれ数日が経っているが谷崎はまだ見つかっていない。
すると救助隊の隊長らしき人が宮川たちに近づいた。
「崩落でできた土砂は大体取り除きました。……ですが要救助者は見つかりませんでした。
宮川は目を開ける。そして、大きな声で言う。
「どういうことですか!谷崎は確かにこの崩落に巻き込まれたんですよ!」
「分かっています。我々も捜索を続けますが見つからない可能性は高いです」
「……分かりました。よろしくお願いします」
「はい」
そう言い現場に戻っていく。
「……谷崎はどこにいるんだ?」
……………………………………………………
「あーあ、つまらないのう……」
将棋の駒を持って卑弥呼は言う。
先日、村の大工に頼んで将棋の駒を作ってもらった。文字は谷崎が書いた。
「大体、谷崎が弱すぎて、将棋にも飽きそうじゃ」
「……それは卑弥呼さんが強すぎるんです」
(高校の将棋部に入っていた時は部の中でもトップレベルの強さだったんだけど……)
「……何をしようか……とりあえず散歩でもするか」
「はい」
谷崎と卑弥呼は村の中を散歩する。
谷崎は村の中を歩くとつくづく思う。自分がいた時代と比べて気持ちよく、窮屈感がない。
(確かにここは不弁だらけだけど僕はこんなのが丁度いいのかな……ネットが無いのがキツすぎるけど)
「卑弥呼様ー!」
卑弥呼に走ってくる女の子達と、後ろからは女性達が近付いてくる。
女の子達は卑弥呼に抱き着く。
「おお!走ったら危ないぞ!」
卑弥呼は尻もちをつき、女の子達を受け止める。
「お主達、今日はどうしたのじゃ?」
「あのね!今から山に行って山菜を取りに行くの!卑弥呼様もどう?」
現代で考えられてる卑弥呼と実際の卑弥呼は全く違った。歴史書では立場の差があったと書かれていたが卑弥呼を見てみるとそれは全く無い。
後ろからついてきた女性が卑弥呼に話す。
「夏は春よりはあまり取れませんが山菜が取れるんです。卑弥呼様も御一緒になられますか?」
卑弥呼は笑顔で答える。
「勿論じゃ!今、つまらなくて外に出ていたんじゃ。晴人も大丈夫じゃろ?」
「はい」
「こやつも一緒で良いか?」
「勿論です」
「良し!では行こうか!」
「わーい!」
卑弥呼は女の子二人と手を繋ぎ歩いていく。
そしてこの前卑弥呼と一緒に登った山に入っていく。
「私達は山菜を取っていくので卑弥呼様はおくつろぎ下さい」
「いや、わらはも手伝わせてくれ」
「もう、本当にありがとうございます」
「晴人も手伝うぞ」
「あ、はい」
谷崎と卑弥呼は女性たちの手伝いをする。
そして、一時間ほどが経ち、籠が満杯ほどになった。
「このくらいで大丈夫です。本当にありがとうございます。あとで卑弥呼様にもお分けします」
「有難うな!」
みんなが帰る準備をしている時。
「あれ、いない……いない!」
「?どうしたのじゃ?」
「私の娘が居ないんです!」
「わ、分かった!急いで手分けして探そう!名前は確かチナだったな」
「そうです!」
みんなが手分けして探していく。
「晴人はあっちの方を探してくれ!」
「はい!」
晴人は森の中を一生懸命に探す。
「おーい!チナちゃん!いるなら返事をしてくれ!」
途中で谷崎が大嫌いなクモの巣がありながらも気にせずに探していく。
「はぁ……はぁ……クソ……運動部に入っていれば……ん?」
そこには女の子が山菜を取ろうとしていた。急斜面の中で。
「チナちゃん!危ないから、戻って来て!」
「……え?」
女の子は谷崎に気づきながらも目の前にある山菜を取ろうとする。
谷崎は女の子に近づいた時、女の子が山菜を取った。そして女の子は足を滑らせる。
「うわ!」
「危ない!」
谷崎は急いで駆けつけ、抱きかかえる様にして女の子を急斜面から守る。
「うあー!止まれぇ!……!?」
ドン!
女の子を守ろうとした結果。体を木に強打した。
「!痛たた……大丈夫?」
「お兄さんこそ痛くない?大丈夫?」
「そんなに……痛くはないさ」
すると誰かが近づいてきた。
「チナー!居ないか!……あ、晴人!それにチナも!」
「卑弥呼さん!早く、お母さんを!」
「わ、分かった!」
少し時間が経ち、
「チナ!」
「お母さん!」
「もう、何やってるのよ。心配したんだから」
「……ごめんなさい」
女性は谷崎にお礼を言う。
「チナを守って下さってありがとうございます」
「いえいえ」
「ほら、チナも」
女の子は恥ずかしながら言う。
「……ありがとう。お兄さん」
「どうも」
谷崎は女の子の頭を撫でる。
「念の為、数日間は注意してください」
「はい。ほら、帰るわよ」
「うん」
こうして事なきを得て村に帰ることになった。
「晴人、有難うな」
「いえ、当たり前の事です」
「大丈夫か?怪我などしてないか?」
「少しだけ体が痛いだけで大丈夫です」
「そうか……」
卑弥呼は振り向く
「頭を撫でてくれんかの?」
「え?」
「さっき子供にしていただろう。して欲しいのじゃ」
「え、でも……」
「して!して!して!!」
卑弥呼は子供の様におねだりをする。
「はぁ……」
谷崎は卑弥呼の頭を撫でる。
「おお!こんな感じか!いいのう!」
「はい、終わりです」
「ええ……もう終わりか?」
卑弥呼は拗ねる。
「早く帰りますよ」
「もう……晴人のケチ」
こうして一日は終わった。
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