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23.願い
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翌日の正午、ウィルと一緒にアルベルト家の前まで来ていた。
家の場所なんて知らなかったので、そこら辺の人に尋ねたら教えてくれた。
ていうか、近くまでいけばすぐわかった。
他と家の規模が違いすぎるのだ。
ハリウッドスターの家みたいと言えば分かりやすいだろうか。
さすが、この街を治めているだけのことはある。
「貴様、この家になんのようだ!」
家の大きさに圧倒されていると門番に怪しまれたようだ。
「あ、すいません、エリナさんから今日来るように言われたバルトという者なのですが……」
「し、失礼しました!あなた様がバルト様ですね。お待ちしておりました。どうぞ中へ!」
俺が名前を言うと、門番は慌てて中に通し案内してくれた。
門番が家まで案内してくれるのだが、家から庭だけでもかなりの距離がある。
ようやく家につき、門番が扉を開け家の中にはいる。
もう、すべてが驚かされる。
家の中ももちろん豪華であり、一目で高いと分かる絨毯や壺がたくさんある。
部屋も何個あるんだというぐらい扉がある。
「バルト様がお見えになりました。」
門番が使用人のメイドに言い、案内はメイドに引き継がれた。
この世界にもメイドはいるんだな。
メイドに案内されたのは、30畳以上ありそうな大きな広間。
その中央には長い机があり、椅子が何十個も並べてあった。
「こちらの椅子にお座りもうしばらくお待ちください。ウィル様はこちらに。」
メイドに椅子を引かれたので、その椅子に座る。
ウィルはふかふかの絨毯の上に案内される。
そして、待つこと5分、扉が開いた。
そこから入ってきたのは、中年の男性。
白い髭を生やし、黒のロングコートを着ている。
雰囲気だけで、この人がアルベルト家当主ランバートだと言うことが分かる。
親しみやすいという感じではなく、逆に近寄りがたい雰囲気だ。
その後ろから現れたのは、淡いブルーのドレスを着たエリナだった。
その姿を見たとき、また心臓が跳ねたような気がした。
そして、エリナの後ろには、騎士のマルスがいた。
その3人が部屋の中に入ってきた。
3人が入ってきたのを見た俺はすぐに立ち上がった。
座ったままだと失礼かなと思ったからだ。
「君がバルト君か。娘を助けてくれてありがとう。」
ランバートは、俺に近づいてきて握手を求めてきた。
見た目とは違い声は優しかった。
「いえ、当然のことをしたまでです。」
「そうか……それでも礼を言わせてもらう。本当にありがとう。そこに座りなさい。」
ランバートと握手をし、言われた席に座る。
ランバートとエリナは向かいの席に座り、マルスはその後ろに立っている。
「知っているとは思うが、私はこの街を治めているアルベルト家当主ランバートだ。まず、礼をするのが遅くなってすまなかった。少し立て込んでいてね。エリナは私の妻であるアリスが残してくれた大切な娘でね。私の宝物なんだ。これはほんのお礼の一部だ。受け取ってくれたまえ。」
妻が残してくれたということは、エリナの母親はもうー
ランバートから渡されたのは、袋に入った金貨だった。
100枚ぐらい入っているかもしれない。
これだけあれば、一生遊んで暮らせる。
「こんなにですか?さすがにこれは……」
この額はさすがに躊躇してしまう。
「君がしたことはそれだけの価値があることなんだ。」
「ですが……」
助けを求めるように、エリナを見る。
「バルト様、ぜひお受け取りください。私たちの感謝の気持ちですので。」
これは受けとる以外道はないのか。
まあ、これから俺がしようと思うことには金がかかるし、貰っておいて損はない。
ただ、想像していたより多かっただけだ。
「わかりました。ありがたく頂くとします。」
「そうか、それは良かった。他に何か願いはないかね?」
そう、俺が待っていたのはこの言葉だ。
「あります。私を貴族にしていただきたい。」
この言葉を聞いたとき、3人は驚いた顔をしていた。
俺はこの3日間で気づいた。
エリナのことを思い出すたび、ドキドキする。
初めての感覚。
それがなんなのか気づいた。
これを恋と言うのだと。
一目惚れだった。
仮にこの気持ちが恋じゃなかったとしても、好意を寄せていることは間違いない。
元の世界では、学校もないため出会いなどなく、そもそも恋に落ちる相手がいなかった。
普通なら学校で青春をしているような年齢だ。
それが、この世界に来てやっと青春をできる相手を見つけたのだ。
しかし、だからといって相手は貴族。
俺がどうこうできることはない。
なら諦めのか?
それはイヤだ。
じゃあ、どうするか。
俺が貴族になるしかない。
それも早く。
エリナは予想だと15歳ぐらい。
ということは、いつどこの貴族に嫁ぐかわからない。
だから、急がなければならない。
貴族の第一条件は魔法が使えること。
それはクリアしている。
なら理屈的には俺も貴族になることができるはずだ。
だが、貴族の第二の条件は治める土地を持っていることだ。
これは現段階ではどうすることも出来ない。
そして、最後の一番重要な条件として、この国の王に貴族の位を貰うことだ。
魔法が使え領地があり、王に認められれば貴族になることができる。
アルベルト家は政治にも影響を及ぼす力があると聞く。
ということは、王ともかなり親密な関係の可能性が高い。
なら俺が貴族になれる可能性はゼロではないはずだ。
また、俺は2つ魔法の属性を持っている。
王としても、大きな戦力となる2つ持ちは国内に置いておきたいはずだ。
勝算はある!
家の場所なんて知らなかったので、そこら辺の人に尋ねたら教えてくれた。
ていうか、近くまでいけばすぐわかった。
他と家の規模が違いすぎるのだ。
ハリウッドスターの家みたいと言えば分かりやすいだろうか。
さすが、この街を治めているだけのことはある。
「貴様、この家になんのようだ!」
家の大きさに圧倒されていると門番に怪しまれたようだ。
「あ、すいません、エリナさんから今日来るように言われたバルトという者なのですが……」
「し、失礼しました!あなた様がバルト様ですね。お待ちしておりました。どうぞ中へ!」
俺が名前を言うと、門番は慌てて中に通し案内してくれた。
門番が家まで案内してくれるのだが、家から庭だけでもかなりの距離がある。
ようやく家につき、門番が扉を開け家の中にはいる。
もう、すべてが驚かされる。
家の中ももちろん豪華であり、一目で高いと分かる絨毯や壺がたくさんある。
部屋も何個あるんだというぐらい扉がある。
「バルト様がお見えになりました。」
門番が使用人のメイドに言い、案内はメイドに引き継がれた。
この世界にもメイドはいるんだな。
メイドに案内されたのは、30畳以上ありそうな大きな広間。
その中央には長い机があり、椅子が何十個も並べてあった。
「こちらの椅子にお座りもうしばらくお待ちください。ウィル様はこちらに。」
メイドに椅子を引かれたので、その椅子に座る。
ウィルはふかふかの絨毯の上に案内される。
そして、待つこと5分、扉が開いた。
そこから入ってきたのは、中年の男性。
白い髭を生やし、黒のロングコートを着ている。
雰囲気だけで、この人がアルベルト家当主ランバートだと言うことが分かる。
親しみやすいという感じではなく、逆に近寄りがたい雰囲気だ。
その後ろから現れたのは、淡いブルーのドレスを着たエリナだった。
その姿を見たとき、また心臓が跳ねたような気がした。
そして、エリナの後ろには、騎士のマルスがいた。
その3人が部屋の中に入ってきた。
3人が入ってきたのを見た俺はすぐに立ち上がった。
座ったままだと失礼かなと思ったからだ。
「君がバルト君か。娘を助けてくれてありがとう。」
ランバートは、俺に近づいてきて握手を求めてきた。
見た目とは違い声は優しかった。
「いえ、当然のことをしたまでです。」
「そうか……それでも礼を言わせてもらう。本当にありがとう。そこに座りなさい。」
ランバートと握手をし、言われた席に座る。
ランバートとエリナは向かいの席に座り、マルスはその後ろに立っている。
「知っているとは思うが、私はこの街を治めているアルベルト家当主ランバートだ。まず、礼をするのが遅くなってすまなかった。少し立て込んでいてね。エリナは私の妻であるアリスが残してくれた大切な娘でね。私の宝物なんだ。これはほんのお礼の一部だ。受け取ってくれたまえ。」
妻が残してくれたということは、エリナの母親はもうー
ランバートから渡されたのは、袋に入った金貨だった。
100枚ぐらい入っているかもしれない。
これだけあれば、一生遊んで暮らせる。
「こんなにですか?さすがにこれは……」
この額はさすがに躊躇してしまう。
「君がしたことはそれだけの価値があることなんだ。」
「ですが……」
助けを求めるように、エリナを見る。
「バルト様、ぜひお受け取りください。私たちの感謝の気持ちですので。」
これは受けとる以外道はないのか。
まあ、これから俺がしようと思うことには金がかかるし、貰っておいて損はない。
ただ、想像していたより多かっただけだ。
「わかりました。ありがたく頂くとします。」
「そうか、それは良かった。他に何か願いはないかね?」
そう、俺が待っていたのはこの言葉だ。
「あります。私を貴族にしていただきたい。」
この言葉を聞いたとき、3人は驚いた顔をしていた。
俺はこの3日間で気づいた。
エリナのことを思い出すたび、ドキドキする。
初めての感覚。
それがなんなのか気づいた。
これを恋と言うのだと。
一目惚れだった。
仮にこの気持ちが恋じゃなかったとしても、好意を寄せていることは間違いない。
元の世界では、学校もないため出会いなどなく、そもそも恋に落ちる相手がいなかった。
普通なら学校で青春をしているような年齢だ。
それが、この世界に来てやっと青春をできる相手を見つけたのだ。
しかし、だからといって相手は貴族。
俺がどうこうできることはない。
なら諦めのか?
それはイヤだ。
じゃあ、どうするか。
俺が貴族になるしかない。
それも早く。
エリナは予想だと15歳ぐらい。
ということは、いつどこの貴族に嫁ぐかわからない。
だから、急がなければならない。
貴族の第一条件は魔法が使えること。
それはクリアしている。
なら理屈的には俺も貴族になることができるはずだ。
だが、貴族の第二の条件は治める土地を持っていることだ。
これは現段階ではどうすることも出来ない。
そして、最後の一番重要な条件として、この国の王に貴族の位を貰うことだ。
魔法が使え領地があり、王に認められれば貴族になることができる。
アルベルト家は政治にも影響を及ぼす力があると聞く。
ということは、王ともかなり親密な関係の可能性が高い。
なら俺が貴族になれる可能性はゼロではないはずだ。
また、俺は2つ魔法の属性を持っている。
王としても、大きな戦力となる2つ持ちは国内に置いておきたいはずだ。
勝算はある!
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