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10.ジェットコースターみたいな夜に
しおりを挟む「まあ、いいから。深く考えるだけ損だよ」
「えっ、あっ、そ、うわあ」
…凄い。
何が凄いってココに至るまでの流れが余りにも自然過ぎて、もしや私、狐につつまれているのかな?
「ん?なに?どうかした?」
「いや、何か私、狐につつまれているみたいだな…って」
ベッドの上でペタンと膝を曲げて座っていると、考える隙を与えませんと言わんばかりに郷田さんがVネックのカットソーを脱がせていく。
「あははは、華ちゃん面白すぎ」
「な、なになになに?」
「狐は包まないよ。『つままれる』の言い間違いだな、カワイイね」
「あ…ああ。そう、それですね」
恥ずかしい…って、そうじゃなくて今この状況よりも言い間違いの方が恥ずかしいって、いったいどんな貞操観念を持っているんだ、私ッ。
スポーツジムを出て、2人仲良くランチを食べました。まあ、カップルがワンサカいるお洒落なイタリアンレストランでしたけどね、でもそこまではヨシとしておこう。さすが接客業を生業にしているからか、郷田さんとの会話は本当に面白くて、緊張することもなく楽しいひとときを過ごせたと思う。
んで。
ワリカンにさせてくれなかったから『じゃあお茶でも奢りますよ』と私が言い出し、そのまま郷田さんの知人が営んでいるというカフェへと移動した。それも電車を利用して郷田さんのマンション最寄りのカフェに!!
知人というのがこれまたモテモテのイケイケそうなナイスガイで、その人がこれまた話し上手だったから、そのままズルズルとディナータイムまで居座ってしまい、夜はバーになるとかでお酒まで飲んでしまったんだな、うん。
『日曜はいつも仕事が休みだけど昼夜逆転してる生活を送っているせいか、日曜の晩に一人だと無性に寂しく感じてしまうんだ』とか何とかボヤく郷田さんを慰めていたら、
はいコレ、ベッドの上にいますよ!!
いつの間に??
私、OKしたっけ??
ほんと流れる様にココまで辿り着いたって感じ。え、別に褒めてないから!どうせこんな風にして毎回女を引っ掛けているんでしょ?おー、ヤダヤダ。
「やっぱり華ちゃんって、スタイルいいよね」
「くうう」
気の利いた返しも出来ない、戦闘力ゼロの自分が恨めしい。…そんなことを考えているうちに、ブラとショーツのみの姿にさせられてしまった。
自慢じゃないけど、いつでも準備だけは万全でしたからね。というか、高級下着を購入しても、見せる相手がいなかったからスポーツジムに着ていくしか無かったというのが本音だろうか。女性更衣室で出会う、名も知らぬオバサマ達しか見ちゃくれなかったんですよ、今までは。
「おっぱい、マシュマロみたいに柔らかいな」
「ふああ」
女体に触れることを一切躊躇しないこの男にひたすら驚いていると、いつの間にやら全裸で胡坐をかいていた郷田さんは、膝上に私を向き合う形でヨイショと乗せた。
「取り敢えず、ハグしよっか」
「ハグ?」
ニッコリ微笑みながらブラホックを片手で外し、ポイっとブラを遠くに投げたかと思うと、今度は私をグイグイ抱き締めてくる。
「あー、イイ。この大きさじゃないとこの質量感は味わえないよね」
「……」
ハグとか言いながら、結局目的はそっちかい。この私の豊満なバストを、己の胸にぐいぐいと押し付けて感触を楽しみたかっただけなんだな。
なんだかもう、悩む暇を与えて貰えない。
次から次へとジェットコースターの如く事態が進んでいく。ちょ、まさかこのまま私、処女を喪失することになったり…いや、なる。このままだと絶対にそうなる!
「あのっ、郷田さんにお伝えしたいことが有るんですけど」
「んー、何?」
そんなワケで私は今から、衝撃のカミングアウトをしようと思う。
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