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14.完落ちしました
しおりを挟む私たちはヤッてます!
私たちはきっとこの後もヤリまくります!
──カップルになるとは、つまりそういう仲だと公言している様なものだ。
生まれて初めて彼氏が出来て薔薇色の日々が待っているかと思ったのに、現実はただひたすら恥ずかしい。だって絶対にこの人たち、私と郷田さんが絡む姿を想像してるよね?しかも私、ここに来る前の店で、何も知らなかったとは言え思いっきり夜の営みについて暴露しちゃってるし。
ああ、爬虫類と中性的からの視線が痛い。
須賀さん、助けて!
チラリと左側に座っている須賀さんを見ると、反対隣りにいた郷田さんが分かり易く拗ねた。
「なんてそっちばっか見るの?華ちゃんは俺だけを見ててくれないと」
「あ…、ごめんなさい」
きゅん。
こんなベタな台詞に心をときめかせるって、チョロイな私。そのまま郷田さんはギュッと手を握り、驚くほど自然にキスをする。
おいおいおい。
こんな人前で何してくれてんだ?!そんで、爬虫類も中性的もニヤニヤしてんじゃねえぞ!何なら見物料を徴収すっからな!…って、動揺のあまりに脳内の叫びが乱暴なのは許して頂きたい。
「へ~、恥じらったりするんだ」
「ほんとほんと、もっとノリノリで応じるのかと思ってたよ」
心無い男共の言葉に郷田さんが反論してくれる。
「お前ら失礼だぞ!見た目は確かにエロいけど、華ちゃんはとってもシッカリした真面目なお嬢さんなんだ。何たって俺が初めての男だからな!さっきの店で『27歳で処女を卒業したばかり』って言ってただろ、もう忘れたのか?!」
おいおいおい。
深夜3時にも関わらず、この店、結構繁盛してるぞ。だからそんな大声で言うと皆さんに聞かれてしまうじゃないか。
ビビる私とは対照的に男性陣はこのテの話が大好物らしく、『参考のために』とこぞって男性の悦ばせ方を伝授してくださり、そして枕詞の如く必ずこう付け加えるのだ。
>とにかくジェイはさ、
>1人の女と長続きしないから。
>キミもあまり本気になっちゃダメだよ、
>後で泣くことになっちゃうからね。
…………
解散後は郷田さんのマンションに向かい、そのままベッドへと直行する。
「はあ、疲れたね~。ごめん、あいつらが華ちゃんを弄りまくってたのを止められなくて」
「大丈夫、全然気にしてないからっ」
会話もそこそこにキスをされ、それがどんどん深くなっていく。
あー、気持ちいい。どうしてこの人とのキスはこれほど幸せな気分になれるのだろうか。もっと触れて欲しいし、もっと触れたい。いっそこのまま溶けて、混ざり合えればいいのに。
「…ん、はっ。可愛いな、華ちゃん。大好きだよ」
「わ、私も好き…」
自分で言うのも何だが、
私は非常に真面目な性格だ。
だから、嘘は吐きたくないと思うワケで。『好き』と言ったのであればその言葉に責任を持ちたい…って、あー、もう、ゴチャゴチャ言い訳するのはもうヤメだ。こんなの本気になるに決まってるじゃん!だってこんなにしょっちゅう体をくっつけ合って、好きとか言われたらこっちも好きになるよ!
それもズブズブにッ!!
「華ちゃん、もっと俺のこと好きって言って」
「好き、好き、んもう大好き!」
…残念ながら中島華、
この男に完落ちしてしまいました。
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よろしくお願いします。
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