異世界ハニィ

ももくり

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50.スプラッターな展開

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 ここからは、後にアーサーヴェルトから聞いた『経緯』である。
 
 まず、私がアーサーヴェルトに救助要請。→相手がエズモント公爵家だったため、自分ひとりでは懲罰を与えることが難しいと考え、王太子であるコンスタンティンに精神感応テレパシーを使って相談。→コンスタンティンが現場に来ることとなったが、自力では転移出来ないためアーサーヴェルト経由で国境にいる師匠に依頼。→師匠、快諾。その場にいたノノくんにも知らされる。→ノノくんが怒り狂ったせいで、他4名にも話が伝わる。→その結果、コンスタンティンは転移、それ以外は徒歩で現地集合。
 
 ええ、そうです。国境の警護が疎かになるかも…などという心配は不要でした。何故ならココは、国境軍人専用の竜舎だったのですから!…って言うかさあ、エズモント親子さんよお。アンタたち、バカじゃないの?!どうしてそんな見つかり易い場所で私を殺そうとしたりするワケ?コンスタンティンも、『まさかこんな場所で犯行に及ぶとは思ってもみなかった』と呆れていましたけど。
 
 とにかく、竜はクロさん専用だったとかで。彼が命令するとすぐ定位置に戻り、大人しく鎖に繋がれていた。そして親分と子分も、王太子の登場で即座に手のひらを返し。むしろエズモント親子の捕縛を手伝ったほどの世渡り上手っぷり。でも、だからと言って刑が軽くなるワケでも無いんですけどね。
 
 両手両足を縄でぐるぐる巻きにされたバカ親は、コンスタンティンからの指示で私を鑑定し。そして、暫くのあいだ放心したかと思うと、いきなり暴れ出した。
 
「は?ははは、はは。まさか、あんな荒唐無稽な話が全部本当だったとは…。だ、だってッ、こんな人間がいるなんて、信じられるはず無いだろう?!なあ、どうして所持している固有魔法の数がこんなにも多いんだ?!それに、この魔力量の多さは尋常じゃ無いよな?!普通の人間であれば容量オーバーで壊れ、廃人になってもおかしく無いレベルなんだぞっ。有り得ない、この女は化け物だ!わああああああっ、助けてくれ、化け物が笑ってるううッ」
  
 バキッ、ドガッ、ザシュ。
 
 あー、痛そう。バカ親ったら、親バカなノノくんの前でそんな暴言を吐くから殴られちゃうんだよ。

 ガン、ガン、ガンッ。
 
 自分は同じ公爵の家格だからとアーサーヴェルトはエズモント親子の捕縛を躊躇したというのに、これまた同じ公爵のノノくんが暴力を振るっちゃダメだよね?早く止めないと。
 
「くそっ、このボケがッ、俺の可愛いモモを殺そうとしただと?!もう二度とそんな気が起きないようにしておいてやるよ。王太子殿下、個人的な制裁をお許しいただけますよね?」
「ああ、勿論。陛下からも既に許可は取ってある。我が国にとってどちらに利が有るか考えれば、悩むまでも無いだろう。だが、漸く例の男爵令嬢が自白したのだ、魅了を使って王太子である自分とその側近を魅了するようエズモント公爵から強制された、と。これから拷問にかける予定だから、死なない程度に頼むぞ」

 う、わああ。血、血がっ。スプラッターな感じになってきたんですけど。怖いい。
 
 
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