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14.正直に言ってみた
しおりを挟む告白なんて私からすれば人生の一大事なのに、さすがは御門さん。『もちろんOKだよね?』と言わんばかりの態度で堂々としたものだ。それは自分が断られるという発想が無いからで、モテモテの人生だったからこその揺るぎない自信に基づいたものであろう。ん?でも秋山さんにフラれたという過去も有ったりするか…などと考えつつ、私は即答する。
「ごめんなさい、アナタとは付き合えません」
「えええッ?!ソレ正気で言ってるのおッ?!」
ち、近い近い近い。
オネエ様、近いいいいッ。
勝手に話に割り込んできた熊男似のオネエ様が何故か私を説得し出す。
「いい?お嬢ちゃん。この国宝みたいな男からの告白を断ったら絶対に後悔する!いつか平凡で稼ぎの悪い男と結婚して地味顔の子供を産んだ時にシミジミ思い返すの。『どうしてあの時、国宝からの告白を受けなかったのか?』って。いいえ、それ以降もずっと後悔し続けて、死ぬ間際まで悔やみ続けるに違いないわ。
とにかく考え直すなら今よ!国宝を手に入れるチャンスを易々と放棄するなんておバカさんのすることなんだから。お嬢ちゃんに拒否権なんか無いの、勇気を出して『ハイ』と答えなさい!さあッ!」
そう言ったかと思うと、オネエ様は私の後頭部を大きな手でガシッと掴んで強引に押し出し、そのまま御門さんとの距離を縮めてくださった。明らかにショックを受けた様子の御門さんは、掠れた声で私に問うのだ。
「あの…、もし良ければ断った理由を…その…教えて貰えないかな?」
うう、やっぱりそれを言わないとダメですか?きっと理由を知ったら私の人間性を疑うかも。でも、言わないと納得してくれませんよね…。渋々と私は答えてみた。
「だって、御門さんがイケメン過ぎて。そんな綺麗な顔とセックス出来ません」
シーン……。
なぜか店内が凍り付き、動揺した店長が豪快にコップを割る。
ガシャーン。
この音でようやく御門さんが解凍されたらしく、思いっきり作り笑顔で口を開く。
「いや、だって顔は生まれつきだし、今更どうにも出来ないよね?」
「ごめんなさい、でもこれだけは譲れません。もちろん私は御門さんの外見だけでは無く中身も知っているつもりです。だからいつも一緒にいて楽しく過ごさせていただいてるワケですが」
「だったら、付き合ってくれてもいいんじゃ…」
その端正な顔のドアップに目が眩みそうだ。
「言い難いんですけど、出来過ぎなんですよ。ブラッド・ピットの恋愛遍歴をご存知ですか?噂に寄ると彼があまりにもイケメン過ぎるせいで、どんな交際相手も皆んな霞んでしまう。恋愛脳でラリっている期間中は問題無いんですけど、ラリ期間が終了すると同時に彼女たちは卑屈になるんです。…自分よりも美しい男のせいで。
女はね、いつだって綺麗もしくは可愛いと思われたい生き物なんです。なのに、アナタの隣りにいると自分が色褪せて見えてしまう。こんなこと言わせないで欲しかったんですけど、でもこれが正直な気持ちです。あ、それとですね、そもそも周囲が放っておかないでしょう?アナタって本当に魅力的だし。
四六時中、言い寄ってくる女に嫉妬して、心が休まらないだろうなあ…というのも理由の1つです。私、イケメンは好きですけど、ほどほどで良いんですよ。何度でも言いますが、アナタの場合は出来過ぎ。私に国宝は扱う技量は無い…以上です」
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