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15.アナタは神と付き合えますか?
しおりを挟むなーんてね。こんな無茶苦茶な理由は全部こじつけで、本当のことを言うと単に自信が無いのだ。だって想像してみて欲しい。この人の前で普通に振る舞うことが、どれほど難しいか。視線が合うだけでも心臓が止まりそうになるし、耳元で内緒話をされた時なんて大声で叫びそうになるのを堪えるだけで精一杯。好きなのかどうかは自分でも分からないけれど、とにかく私は御門さんと自分を同じ生き物だと思うことが出来なくて、崇めてしまうと言うか。
極端な話、神格化しているのだ。
だってこの人は外見だけではなく、中身も全部綺麗だから。私みたいに妬んだり僻んだりせず、いつでも心穏やかに周囲を見渡していて、誰かが困っていたらスグに手を差し伸べる。こんな人に生まれて初めて出会ったよ。ほんと神、マジ、神。リスペクトしまくりだし。
アナタは神と付き合えますか?
いや、それどころか龍と3人でなら平気なんだけど、御門さんと2人きりで長時間一緒にいろとか言われたら間違い無く死ねる。そのくらい、緊張してしまうのだ。だからお願い、『付き合おう』とか言わないで。無理なんです私、意識していないフリの達人なだけで、本当は誰よりも御門さんのことを意識しまくっているから。
傍にいたらコッソリ匂いを嗅いじゃうし、手元の資料を見るフリして御門さんを盗み見る天才だし、心の中でだけ『けーくん』と呼んでいるし、御門さんと一緒に撮った画像は宝物だからッ!…こんな気持ち悪い女だと正体がバレないようにするには友だち以上恋人未満くらいの関係がベストなので、とにかく付き合いませんッ。
ギャンギャンとオネエ様がまだ何か騒いでいたけれど、もう1人のオネエ様が『いい加減にしなさい!これ以上、人様の色恋沙汰に首を突っ込んじゃダメ!』と喝を入れて連れ去ってしまい。気付けばいつの間にか店内は、私たち3人だけになっていた。ここで沈黙を守っていた龍が咳払いをしたかと思うと、私に向けて話し出す。
「あのな、希代。これじゃあ余りにも御門さんが気の毒だ。あんな大勢の前でフラれるとかさ、公開処刑みたいなもんだぞ」
「…えっ、…ああっ、本当だ…ごめんなさい…」
そっか、私、自分のことしか考えてなかったや。正面でシュンとしている御門さんに座ったまま深々と頭を下げると、彼はニンマリ笑ってこう宣言した。
「俺、諦めないからね!この見た目は変えられないけど、キヨちゃんの目を慣れさせることは出来るはずだから。うん、決めたぞ!俺を見飽きて外見がどうのと言わなくなるほど四六時中いつも一緒にいることにしよう!!」
「うわあ、ご冗談を」
『冗談じゃなくて本気だよ』と真顔で答えられ、そしてその言葉通りに翌日から御門さんは私に付き纏ってくださるのだ。
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