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26.私は彼女に似ているの?
しおりを挟むス、スゴイな…そんな女がこの世に存在するのか。驚く私に、龍はスマホで時間を確認しつつ早口で話し続ける。
「だから希代の不器用で隠し事出来ない性格が気に入ってる。お前、人間関係に於いて駆引きとか出来ないだろ?そういうのがイイなって…」
「うあ…、えっと…有難う…」
ずっと憎まれ口を叩いていたクセにココで急に褒めるとか、上級テク過ぎなんですけど。うっ、そんな真っ直ぐな目で見られたら嫌でもキュンときちゃうってばッ。ああ、もうどうすれば?
「悪い、希代。もう昼休憩終わるし戻ろう」
「あ、うん」
…それからはもう、勤務中だというのに私は龍のことを意識しまくりで。考えれば考えるほど、自分にはこの人の方が合っているような気がしてきたりして。いや、随分と上から目線になってしまったけど、私ごときに龍だなんて本当は畏れ多いんですけどね。
圭くんの弱さは私に『守りたい』と思わせるし、
龍の強さは私に『守って欲しい』と思わせる。
この相反する感情をどうすれば良いのだろうか。
いつもなら午後休憩の15分間は、龍と共に休憩室でコーヒーなんか飲んでバカ話をするのだが。さすがに今日は気が引けて、屋上でひとり寛ぐことに。誰もいないと思っていたら案外混み合っていて、そこにいた田島さんが私に気付いたらしく、距離を縮めて来る。もしかして『俺を追い掛けて来たのか?』といつもの勘違い発言をされるのかと身構えていたら、彼はボソボソと話し出すのだ。
「希代、お疲れ様。お前も大変だよなあ、男共の相手を1人でさせられてさァ」
「い、いえ。そんなこと無いですよ」
なんだその言い方、他に無いの?!知らない人が聞いたら誤解するでしょうがッ。
「まあ、諦めろよな。前任の未来があまりにも皆んなから愛され過ぎてて、いなくなってからの未来ロスが激しかったんだよ。それをお前で埋めようとしてんだろうなあ。期待してなかったけど、そこそこ頑張ってると思うぞ、俺は」
「はあ、どうも有難うございます」
全然嬉しくないですけどねっ。
「最近、電広堂の御門さんや龍と一緒に食事したりしてるそうじゃないか。あの2人も未来に惚れてたからなあ…。なんかタイプ的に似てる希代にスライドしてるんだと思うんだ。まあ、そろそろ失恋の傷も癒えて、直に飽きるだろう。それまでの辛抱だと思って相手してやってくれ」
「…はあ」
顔では笑ってみたものの、なんだか心が痛い。そっか、私って秋山さんと似てるんだ…。だから圭くんと龍は私を通して秋山さんを見てるってことなんだな。そっか、そうなんだ──。
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