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私、意外と好評でした
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そんなこんなで無事に定例会は終了し。このままカラオケに行こうと誘われたが、私と大介さんはそこで退場することにした。
「な?よく分かっただろ。朝日はウチの部じゃマドンナ的存在だったって。それも何というか…お互い牽制し合って手出し厳禁的な?とにかくまあ、不可侵的存在だったワケだよ」
は、初耳なんですけど。
驚き過ぎて、思わず足を止めてしまう私。ちなみに我らは今、駅前にある24時間営業の喫茶店を目指している途中だ。
「あの、でも、私、そんな美人じゃないし」
「うーん、それなんだけどさあ。正直に言うぞ、環境がそうさせたんじゃないかなあ。だって当時のバスケ部はさ、男47人に対して女はたったの2人しかいなかったんだぞ。それじゃあ意識して当然だと思わないか?」
なっ、なるほど。
期待していた答えとは違ったが、取り敢えず笑顔を貼り付けておくことにした。するとこちらの反応も確認せずに、大介さんは尚も続ける。
「でさ、意識した相手の行動をついつい見ちゃうのは、まあ仕方ないことで。そうすることで、次第に皆んな気付いていったんだろうなあ。『朝日ってメチャクチャいい子じゃ~ん』って。えーっと、例えばスコア。朝日が担当したスコアは綺麗で見易いのは勿論、敵チームに関する情報がさり気なく補足してあったよな?コーチの呟きなんかもチョコチョコ書き込まれていたし、1人1人のことを細かく見てくれてて、あれは本当に助かった。
それ以外でも、話し掛けるとどんな時だろうとニコニコ笑顔でさ、いちいち仕草とかも可愛いくて。何と言うか、とにかく純粋なんだよ。皆んな、次第にそんな朝日のことを『守りたい、誰にも汚させるもんか』と思うようになっていったはずだ」
ぐ、ぐへえ。どうやら私は、勝手に理想像を作り上げられていたらしい。
何と返事すれば良いのか分からず適当に頷いてみたところ、大介さんは驚きの忠告をしてくださるのだ。
「…だから、あんな男に騙されちゃダメだ。あのさ、出会いパーティーで朝日とカップルになったあの工務店の跡取り息子、最低だから!」
「えっ?!」
すぐ内藤さんのことだと理解する私に向けて、大介さんは忌々し気にその人のことを批判し出す。
「あのさ、ウチの社長がアイツを気に入って、大事な一人娘と結婚させようとした」
ああ、その話なら知ってます。だって私、彼女役を頼まれましたからね。
「ウチの社長、本当にいい人なんだぞ!!早くに奥さんを亡くして、苦労しながら育てた可愛い娘を泣く泣くお前にやろうと言ってるのにさ、アイツ『他に付き合ってる彼女がいます』って、凄い美人を紹介したんだよ。…そこまではまあ許そう。あんな感じだったらモテるだろうしさ、彼女がいないワケないからなッ」
こ、これはまさか…。
「なのに、出会いパーティーの途中でアイツの彼女がいつの間にか他の男とイチャついててさ、今度は何故か朝日が社長に紹介されてたんだぞ。残念だけどウチの社長、仕事が絡まない人間の顔を覚えることが苦手で気付いてなかったけど」
も、もしかしなくても…。
「だからって失礼じゃないかッ?!大事な娘を差し出すと言う父親に対して、そんなガバガバな設定で偽者の彼女と対面させるなんてッ!あ!ごめん、朝日は知らなかったんだよな?アイツの口車に乗せられて普通にカップル成立したと思い込んでいたから、言われるがままに取引先の社長と挨拶しちゃったんだろうけど」
─────────
※お察しのとおり、内藤さんが活躍する別エピソードがございまして。お見合いパーティーの件はその際の出来事で、大介はそのお見合いパーティーの運営会社に勤務しております。
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