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姉との攻防
しおりを挟む自分で言うのもナンだが、私は変わっている。
そして勿論、その姉も変わり者なのだ。
異常なまでの負けず嫌い…しかも相手は男性限定。どうやら『お前はブスだ』と繰り返し言い続けた親戚のオジサンは、私だけではなく姉の性格をも歪めてしまったらしい。幼い頃からその美貌ゆえに告白してくる男達が後を絶たず、しかも好きになった理由がオジサンの言葉を裏付けするかのように『ひとめ惚れしました』ばかり。
>顔さえキレイなら誰でもイイのかよッ?!
>私の中身は無視なのか?!
というワケで、自分はそうではないと言わんばかりに美形とは真逆な男性と付き合うのだが、これが驚きの浮気率100%。たぶん美香ネエという美人を彼女にしたことで妙な自信をつけてしまい、浮かれた挙句にあちこちの女性に手を出してしまうのだろう。
「香奈、なんとか言いなさい!その男とどうにかなったりしてないわよね?!」
「美香ネエ、こ、この人ね、内藤さんといって私たち真剣に交際しているの」
「ちょっとアンタ!いったい誰に手ェ出したと思ってんのよッ?!この子はね、アンタみたいな腐れ外道が遊んでいい相手じゃないんですからねッ」
えっと、ここで美香ネエの補足情報。ファザコンでマザコンでシスコン…つまり、とんでもなく家族を愛しているのだ。
固まる私の肩をポンポンと軽く叩いたかと思うと、内藤さんは離れるどころか更に私を抱き寄せる。
「初めまして、お姉さん!内藤侑季といいます。腐れ外道なのは認めますけど、遊びじゃないですよ」
案の定、美香ネエは思いっきり顔を歪めた。
「嘘よ!だってそんな見た目で遊んでないはずないわッ」
「確かに今までは遊んでいましたが香奈さんと出会い、本当の愛に目覚めたのです」
「はああッ、認めるのね?!遊び人だったということを!」
「ええ、だって過去は変えられませんから。だけど、今は香奈さん一筋です」
「そんなの信じられるワケないでしょッ!!口ばっかりの男って最低!!」
「うーん、信じてくれなくても真実なので」
そう言いながら私の指に自分の指を絡めてくる。甘い記憶が蘇り、咄嗟に真っ赤になる私。それを見て美香ネエは何かを察したらしく、更に烈火の如く怒り出す。
「香奈、そいつから離れなさい!アンタはね、騙されてるのよッ。そんな男と関わったらロクなことにならないんだからッ」
「あはは、だから騙してませんよ~」
キーキー騒ぐ美香ネエとは対照的に、余裕たっぷりな感じで内藤さんは微笑みながらこう提案する。
「じゃあ、近日中に自宅へ挨拶に伺います。それで交際を認めて貰えませんか?」
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