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第三章:This Is Not a Film
高木 瀾(らん) (9)
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倒れた男の頭部の脳磁計を外すと、私にも理解可能な……そして「魔法」とは明らかに何の関係も無い文字列が描かれていた。
……「LJG Subject:」……そして、何桁ものシリアル番号。
「本当の関東」を中心に活動するテロ組織「正統日本政府」(もちろん、わざわざ「正統」と名乗ってる時点で、自分達を「正統な日本政府」だと認めてる人間は居たとしても絶滅危惧種だと云う事は自覚している)が兵士や労働力として、作り出した「脳改造人間」だ。
なお、脳改造と言っても、脳の機能が改造前より上がる訳では無い。
むしろ下がっている。
早い話が……脳内の「自由意志」に関する部位を破壊された人間こそ……この「従民」と呼ばれる者達だ。
「正統日本政府」は、自由意志を持つのは一部の特権階級のみで良いと考えている。
もちろん、いくらテロ組織でも、そんな思想の組織が巧く運営出来る訳が無い。
それでも、「正統日本政府」が富士の噴火以降、十年にも渡って、存続しているのは……この「従民」を他のテロ組織・犯罪組織に販売しているお蔭だ。
「しかし、どう云う事だ? 脳を改造したら、霊視が出来るようになるなんて話は聞いた事が無いが……」
「あ~、私に訊いてんなら……知らん。どんな極悪な『魔法使い』でも『脳改造したら、変な能力が得られるか?』なんて実験は、多分、やんないし、普通は思い付かない。ただ……」
「ただ、何だ?」
「元から『観』えてる奴に、たまたま、脳改造をしちまったら……『観』える能力が暴走したの……かも…‥。いや、確実じゃないけど……」
「なるほど……たまたま、その手の能力が有る人間を脳改造したら、次々と、今、ここで起きてるのと似た事が起きた。そして……逆に『脳改造した結果、心霊現象を起こすようになった人間』を何かに使えないかと実験をした訳か」
「そんな所だろうな……この呪紋は……こいつ自身が起こす心霊現象から、こいつを護る為のモノって所か……」
「なら……一件落着か? じゃあ、残った問題は『目が覚めたら心霊現象を次々と起こす奴をどうするか?』と『僻みっぽい馬鹿どもから、どう逃げるか?』だな」
「いや、全然」
「はぁ?」
「お前、霊感が、ほぼ0だって言ったよな……。なら、気付いてなくても、仕方ないけど……何1つ解決してない」
「お……おい……まさか……」
「こいつが活性化させた悪霊どもや、こいつが開いた『異界』への門は、まだ残ってる」
その時、関口の声にある感情が籠っている事に気付いた……。
そうだ……私に欠けている感情だからこそ、気付くのが遅れたのかも知れない。
「お前には、『観』えてねえだろうけど……悪霊・魔物・魑魅魍魎……何て呼んでもいいけど、その手の剣呑い化物どもが……今、そこら中で大喧嘩を始めて……あ……まずい……」
やはり……私は……自分が目指す「正義の味方」には成れない……。
私には恐怖と云う感情が欠けている以上、恐怖心を抱いている者の気持ちを完全には理解出来ないのだから。
……「LJG Subject:」……そして、何桁ものシリアル番号。
「本当の関東」を中心に活動するテロ組織「正統日本政府」(もちろん、わざわざ「正統」と名乗ってる時点で、自分達を「正統な日本政府」だと認めてる人間は居たとしても絶滅危惧種だと云う事は自覚している)が兵士や労働力として、作り出した「脳改造人間」だ。
なお、脳改造と言っても、脳の機能が改造前より上がる訳では無い。
むしろ下がっている。
早い話が……脳内の「自由意志」に関する部位を破壊された人間こそ……この「従民」と呼ばれる者達だ。
「正統日本政府」は、自由意志を持つのは一部の特権階級のみで良いと考えている。
もちろん、いくらテロ組織でも、そんな思想の組織が巧く運営出来る訳が無い。
それでも、「正統日本政府」が富士の噴火以降、十年にも渡って、存続しているのは……この「従民」を他のテロ組織・犯罪組織に販売しているお蔭だ。
「しかし、どう云う事だ? 脳を改造したら、霊視が出来るようになるなんて話は聞いた事が無いが……」
「あ~、私に訊いてんなら……知らん。どんな極悪な『魔法使い』でも『脳改造したら、変な能力が得られるか?』なんて実験は、多分、やんないし、普通は思い付かない。ただ……」
「ただ、何だ?」
「元から『観』えてる奴に、たまたま、脳改造をしちまったら……『観』える能力が暴走したの……かも…‥。いや、確実じゃないけど……」
「なるほど……たまたま、その手の能力が有る人間を脳改造したら、次々と、今、ここで起きてるのと似た事が起きた。そして……逆に『脳改造した結果、心霊現象を起こすようになった人間』を何かに使えないかと実験をした訳か」
「そんな所だろうな……この呪紋は……こいつ自身が起こす心霊現象から、こいつを護る為のモノって所か……」
「なら……一件落着か? じゃあ、残った問題は『目が覚めたら心霊現象を次々と起こす奴をどうするか?』と『僻みっぽい馬鹿どもから、どう逃げるか?』だな」
「いや、全然」
「はぁ?」
「お前、霊感が、ほぼ0だって言ったよな……。なら、気付いてなくても、仕方ないけど……何1つ解決してない」
「お……おい……まさか……」
「こいつが活性化させた悪霊どもや、こいつが開いた『異界』への門は、まだ残ってる」
その時、関口の声にある感情が籠っている事に気付いた……。
そうだ……私に欠けている感情だからこそ、気付くのが遅れたのかも知れない。
「お前には、『観』えてねえだろうけど……悪霊・魔物・魑魅魍魎……何て呼んでもいいけど、その手の剣呑い化物どもが……今、そこら中で大喧嘩を始めて……あ……まずい……」
やはり……私は……自分が目指す「正義の味方」には成れない……。
私には恐怖と云う感情が欠けている以上、恐怖心を抱いている者の気持ちを完全には理解出来ないのだから。
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