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第四章:DEAD STROKE
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「ねえ、何で、あんた達も来てるの?」
学校の授業が終った後、警察署の前でライバル魔法少女チーム「フラワレット・カルテット」の「チーム内の一匹狼」担当の子がそう言った。
「まぁ、何となく心配だったから……」
まず、あたしが答える。
「う~んと……この2人についてきて……」
次に凛ちゃん。
「魔法少女って助け合いですから♪」
「だから、そう云う芝居はファンの前だけにして」
続いて、瑠華ちゃん。更に続いて、向こうのチームの「チーム内の一匹狼」担当の子のツッコミ。
「あ~、もう、仲良くなってるんですぅ♪ うらやましいですぅ♪」
そう言ったのは、向こうのチームの「あざと可愛い」担当の子。
「うるさい、やめろって、何度言や判るッ⁉」
なるほど……向こうのチームの「チーム内の一匹狼」担当の子が、お芝居モードの瑠華ちゃんにつっかかるのは……この子が原因か……。
やがて、向こうのチームのリーダー役の子が……ん? 一緒に居るお爺さん、弁護士さん?
何か杖ついて体が悪そうなんだけど……。
「どうも、安本弁護士ですか、御高名はかねがね……。この子の所属事務所の顧問の吉村と申します。後は、私が引き継ぎますので」
そう言ったのは……向こうのチームと一緒に来てた……二十代ぐらい……絶対に三十五よりは齢上じゃなさそうな男の人。
「あ……あの……あの人、そっちのマネージャーさんじゃなくて……その……?」
「ごめん、言ってなかったっけ? ガチで知らない人」
「何で、そんな人と一緒に来たの?」
「マネージャーさんが一緒に行けって……」
「知ってる人ですか?」
向こうのチームのリーダーの横に居たお爺さんが、そう問い掛ける。
「い……いえ……全然……。あの……」
「私は良く知ってるよ……。何で、筑豊部会所属の弁護士が久留米まで来てるのかね? それも……ヤクザのフロント企業の顧問が専門の君が」
「仕事ですので……。それにヤクザとは人聞きが悪い。私の顧客はマトモな客ばかりですよ」
「そうかね?」
「おい、爺ィ……人権派を気取るのも結構だが……調子に乗ってやがると……」
「どうなると言うのかね?」
若い自称「弁護士」の口調が急にガラが悪くなる。そして、お爺さんの目の前に近付き……。
「判ってるだろ……俺の2・5倍以上も生きてるあんたに、こんな事を言うのも何だが……」
その時、凛ちゃんが「ん?」と云う表情になる。
「いいかげん……大人ってヤツになれ……あれ……えっ?」
若い「弁護士」は、お爺さんの杖を蹴飛ばそうとして……自分が転ぶ。
「えっ……? あれ?……痛てっ……? 何?」
「あ……やっぱり来てた……」
凛ちゃんがボソッと呟く。
なるほど……凛ちゃんの得意技は「魔力検知」。
つまり……。
「ねえ、どうやったら……あんな事、出来るの?」
あたしは……向こうのチームの「一匹狼」担当の子に訊く。
「良く知らない」
「え? あれ、精神操作とかじゃないの?」
「多分、精神じゃなくて、感覚神経とか運動神経とかへの干渉。精神操作とは違う」
「違うの?」
「あの人が言ったの本当かもね……。どうやら、あたし達も含めてか……あんた達だけかはともかく……」
「『魔法少女』は『魔法使い』の常識を知らない可能性が高い……か……」
「で……やったのは……」
あたし達は、振り向いて……。
「えっ?」
「何で……あんたが、ここに居る?」
杖のお爺さんは、そう言った。
視線の先に居たのは……予想外の人だった。
いや……知らない人ではあったけど……。
そこに居たのは……身長一九〇㎝以上で格闘家並の筋肉量の大きなスキンヘッドの男の人だった。
「安本弁護士が、その女性の担当弁護士ですか?」
「弁護士会の当番が回ってきたのが、たまたま私だっただけだが……」
「弁護士も、ここに居る女性達も、かなり危険な事態に巻き込まれています。脅迫だと判断するのは、私の説明を全て聞いてからにして下さい」
「どう云う事だ?」
「『魔法少女』と称する芸能興業は、あるテロ組織の資金源である可能性が……極めて高いとお考え下さい」
「ほう……どこだと言うのかね?」
「『特務憲兵隊・i部隊』を名乗っている者達です」
えっ……?
い……いや……待って……それ……。
あたし達3人も……相手チームも全員顔色が変る……。
「そ……それ……何年も前に『正義の味方』が……」
あたしは……ようやく、声を出す。
富士の噴火で「本物の関東」が壊滅した直後に、あたし達を拉致し……あたしには「魔法少女」としての訓練を行ない、お姉ちゃんには成長抑制剤を投与して「少年兵」に変えた……連中。
「生き残りが、ある勢力の支援を受けて活動を再開していた。丁度、全国各地で『御当地・魔法少女』が活動を始める少し前に」
学校の授業が終った後、警察署の前でライバル魔法少女チーム「フラワレット・カルテット」の「チーム内の一匹狼」担当の子がそう言った。
「まぁ、何となく心配だったから……」
まず、あたしが答える。
「う~んと……この2人についてきて……」
次に凛ちゃん。
「魔法少女って助け合いですから♪」
「だから、そう云う芝居はファンの前だけにして」
続いて、瑠華ちゃん。更に続いて、向こうのチームの「チーム内の一匹狼」担当の子のツッコミ。
「あ~、もう、仲良くなってるんですぅ♪ うらやましいですぅ♪」
そう言ったのは、向こうのチームの「あざと可愛い」担当の子。
「うるさい、やめろって、何度言や判るッ⁉」
なるほど……向こうのチームの「チーム内の一匹狼」担当の子が、お芝居モードの瑠華ちゃんにつっかかるのは……この子が原因か……。
やがて、向こうのチームのリーダー役の子が……ん? 一緒に居るお爺さん、弁護士さん?
何か杖ついて体が悪そうなんだけど……。
「どうも、安本弁護士ですか、御高名はかねがね……。この子の所属事務所の顧問の吉村と申します。後は、私が引き継ぎますので」
そう言ったのは……向こうのチームと一緒に来てた……二十代ぐらい……絶対に三十五よりは齢上じゃなさそうな男の人。
「あ……あの……あの人、そっちのマネージャーさんじゃなくて……その……?」
「ごめん、言ってなかったっけ? ガチで知らない人」
「何で、そんな人と一緒に来たの?」
「マネージャーさんが一緒に行けって……」
「知ってる人ですか?」
向こうのチームのリーダーの横に居たお爺さんが、そう問い掛ける。
「い……いえ……全然……。あの……」
「私は良く知ってるよ……。何で、筑豊部会所属の弁護士が久留米まで来てるのかね? それも……ヤクザのフロント企業の顧問が専門の君が」
「仕事ですので……。それにヤクザとは人聞きが悪い。私の顧客はマトモな客ばかりですよ」
「そうかね?」
「おい、爺ィ……人権派を気取るのも結構だが……調子に乗ってやがると……」
「どうなると言うのかね?」
若い自称「弁護士」の口調が急にガラが悪くなる。そして、お爺さんの目の前に近付き……。
「判ってるだろ……俺の2・5倍以上も生きてるあんたに、こんな事を言うのも何だが……」
その時、凛ちゃんが「ん?」と云う表情になる。
「いいかげん……大人ってヤツになれ……あれ……えっ?」
若い「弁護士」は、お爺さんの杖を蹴飛ばそうとして……自分が転ぶ。
「えっ……? あれ?……痛てっ……? 何?」
「あ……やっぱり来てた……」
凛ちゃんがボソッと呟く。
なるほど……凛ちゃんの得意技は「魔力検知」。
つまり……。
「ねえ、どうやったら……あんな事、出来るの?」
あたしは……向こうのチームの「一匹狼」担当の子に訊く。
「良く知らない」
「え? あれ、精神操作とかじゃないの?」
「多分、精神じゃなくて、感覚神経とか運動神経とかへの干渉。精神操作とは違う」
「違うの?」
「あの人が言ったの本当かもね……。どうやら、あたし達も含めてか……あんた達だけかはともかく……」
「『魔法少女』は『魔法使い』の常識を知らない可能性が高い……か……」
「で……やったのは……」
あたし達は、振り向いて……。
「えっ?」
「何で……あんたが、ここに居る?」
杖のお爺さんは、そう言った。
視線の先に居たのは……予想外の人だった。
いや……知らない人ではあったけど……。
そこに居たのは……身長一九〇㎝以上で格闘家並の筋肉量の大きなスキンヘッドの男の人だった。
「安本弁護士が、その女性の担当弁護士ですか?」
「弁護士会の当番が回ってきたのが、たまたま私だっただけだが……」
「弁護士も、ここに居る女性達も、かなり危険な事態に巻き込まれています。脅迫だと判断するのは、私の説明を全て聞いてからにして下さい」
「どう云う事だ?」
「『魔法少女』と称する芸能興業は、あるテロ組織の資金源である可能性が……極めて高いとお考え下さい」
「ほう……どこだと言うのかね?」
「『特務憲兵隊・i部隊』を名乗っている者達です」
えっ……?
い……いや……待って……それ……。
あたし達3人も……相手チームも全員顔色が変る……。
「そ……それ……何年も前に『正義の味方』が……」
あたしは……ようやく、声を出す。
富士の噴火で「本物の関東」が壊滅した直後に、あたし達を拉致し……あたしには「魔法少女」としての訓練を行ない、お姉ちゃんには成長抑制剤を投与して「少年兵」に変えた……連中。
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