魔導兇犬録:哀 believe

蓮實長治

文字の大きさ
78 / 83
第八章:Reborn

(9)

しおりを挟む
「な……何だ……ありゃ?」
 凍り付いた筑後川の上を走って来るモノが有った。
 4輪バギーが2台。
「いてっ?」
「ん? 何だ?」
 その時、何故か社長と師匠が声をあげ……。
「あれ?」
 続いて、りんちゃんが明後日の方向を見る。
 そこには……ネズミよりは大きいけど、猫よりは小さい動物が走り去っていくのが見えた。
「どうしたの?」
「さっきのあれ……多分だけど……誰かの『使い魔』」
「えっ?」
「フェレットみたいな動物に……『使い魔』を憑依させてるみたい」
「な……何?」
「どう言う事だ?」
 それを聞いた社長と師匠が、りんちゃんを問い詰めようとした時……。
 凍り付いた筑後川の上を走っていた4輪バギーが……1台は停止、もう1台は……こっちに向かって来る。
「撃てッ‼」
「撃てッ‼」
 温厚そうな外見なのに声だけはドスが聞いてるお爺さんと、四十代ぐらいの一見サラリーマン風の男の人が怒鳴り……。
 ヤクザさん達が次々と、こっちに近づいて来る4輪バギーに拳銃を向け……。
 轟音。
 轟音。
 轟音。
 次々と轟音。
 でも、効いてない。
 止まる様子さえ無い。
 良く見ると……こっちに近付いて来る4輪バギーの運転手は……。
「ぱ……強化装甲服パワードスーツ?」
 あ……っ、あの時の……魔法使いの女の子だ。
 あの山奥の「麻薬農場」で出会った……強化装甲服パワードスーツを着けた「魔法使い」。
「ぐえっ⁉」
「うげっ?」
 その時、次々とヤクザさん達が倒れる。
「ゆ……弓矢?」
 倒れたヤクザさん達には……先端に注射器のようなモノが付いた矢が刺さっていた。
 その矢を射てるのは……途中で停車した4輪バギーの運転手。
 しかも……麻酔薬(多分)付きの弓矢で狙われてるのは……ヤクザさん達全員じゃなかった。
「おい……誰か……俺の……」
 温厚そうな顔の小柄な……でも声だけは恐いお爺さんの前に居たヤクザさん達は……全員倒れていた。
 そして……。
「ぐえっ?」
 今度は……お爺さんの体に……注射器みたいなモノが矢が何本も突き刺さり……。
「うげええ……」
「オヤジ、下手に抜いちゃダメっす。その矢、無理矢理抜くと傷口が広がり……」
「阿呆……なら……どうしろって……あっ?」
 そして……更なる矢が、お爺さんの……喉元に1本……心臓の辺りに1本。
 ゆっくりと……電池が切れたロボットみたいに(そんな光景、見た事ないけど)お爺さんが崩れ落ち……。
「おい……何で……こいつが居る?」
 河原に上って来た強化装甲服パワードスーツは……微かな震え声でそう言った。
 その視線の先には……。
「こっちが訊きたい」
 もう1つの4輪バギーの運転手も河原に上がって来た。
 身長一五〇㎝台前半。
 青メインの迷彩模様のズボンとボディアーマー。
 2つの「鬼の角」を思わせる飾りが有る青いヘルメット。
 黒いコート。
 声だけは……異様に冷静。
「どうしたの? 、御自慢の『鎧』は?」
「あんたのせいで修理中だ、佐伯漣」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指す桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

処理中です...