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第八章:Reborn
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「ご……護国軍鬼……こいつが……あの護国軍鬼?」
ヤクザさんの1人がそう言った。
「余計な事を言いやがって……」
小柄な……「正義の味方」(多分)は……広島のヤクザの女幹部・佐伯漣の方を向いて、そう言った。
「あ……あの……例の……ネット上で『悪鬼の名を騙る苛烈な正義の女神』とか言われてる奴?」
「私が嫌いな、そのダサい渾名を口にしたら……宣戦布告と見做すぞ」
「うるせえッ‼」
そのヤクザさんの体が一回り大きくなり……服が弾け散り……。
「おい……誰も……手ぇ出すんじゃねえぞ……。こいつを倒せば……俺は……あの生きた伝説『護国軍鬼』を倒した男だッ‼」
黒い……でも、アフリカ系の人の肌の「黒さ」とは何か違う嫌な感じの黒。
その男の人の肌の色が……変る。
牙と爪が伸び……髪の毛が逆立ち……目は血走り……。
角が無い以外は……黒い鬼……。
「アニキ……それ……嘘じゃないけど……本当でも……」
その「鬼」の横に居た別のヤクザさんが、そう言うと……。
「うるせえッ‼」
あれ?
強化装甲服を着た「魔法使い」が……手で何かを合図。
もう1人の「正義の味方」は、それを見て、軽くうなずき……コートを脱ぎ……。
ブンッ‼
「正義の味方」が振り降したコートが「鬼」の右肩に当り……。
「効くかよ、こんな……あれ?」
あれ?
今……変な音がした……。
何か……重いモノが人体にブチ当たった時みたいな……。
「あ……あれ? あれ? あれ?」
「鬼」の右手が震えている。
よく見ると……コートが命中した「鬼」の右肩は……嫌な感じに変形。
「い……痛え……痛え……いててて……」
「鬼」が……左手で右肩を押えた所に……さらにコートが再び命中。
「鬼」の左手の甲が潰れる。
「○×△□∵∧≡‼」
意味不明な悲鳴が轟く……。
続いて、コートが「鬼」の右の太股を撃つ。
その瞬間は何も無かった……。
でも……1秒……2秒……それ位で……撃たれた箇所が腫れ上がり始め……。
更に左脛。
「鬼」の足が……嫌な感じに曲り……。
「大口を叩くだけは有るな……」
地面に座り込んだ「鬼」に対して……「正義の味方」は……淡々とした口調で言った。
「私の攻撃は……全く効いてないようだ」
「な……なに、言ってんすか……き……効いてます……痛いです……降参です」
「仕方ない……次からの攻撃は……」
「やめて……やめて……やめて……」
「もう少し本気を出すとするか……」
「い……いやだあぁぁぁッ‼ 助けて……殺さないでぇッ‼ あ……あの……お……俺、八歳の腰痛めて車椅子生活のお袋を養って、六五歳の息子の養育費を払わねえと、いけね~んです‼ 命だけは……」
「なら……これからはマトモな仕事で、真面目に働け」
「はいいいいいッ‼」
けど……次の瞬間……。
とんでもないスピードで走り出した誰かが……。
「ん?」
「残念だったな……お前の武器は奪った。『護国軍鬼を倒した男』になるのは……俺だ」
一瞬で凍り付いた筑後川の端まで移動した小柄なヤクザさんの手には……「正義の味方」が武器に使った黒いコートが握られていた。
「スピードが自慢か?」
「ああ……」
「じゃあ、これは避けられるか? おい、私のコート内の爆薬を遠隔操作で着火してくれ」
「えっ?」
次の瞬間……爆発音。
「あ……あ……あ……」
黒焦げになった……高速移動能力持ちらしいヤクザさんは……ふらふらと2~3歩ぐらい歩いた後に倒れた。
「何て真似させる……。そのコート、知り合いの形見だったんだぞ」
「うわあああ……」
更に……パニックになったヤクザさんの1人が獣人化して……。
「正義の味方」は……腰に着けていた小型のスプレーを手に握り……。
「????」
「正義の味方」は……自分に向って来た獣人の大きく開いた口に拳を突き込む。
「フェ○○オは初体験か? どうだ……こんなのを悦んでやる女が居るなんて信じてんのは……AVを見過ぎた馬鹿だけだ……そう思うだろ?」
獣人は白目をむき……そして……ゆっくりと崩れ落ちていった。
「お……おい……何やってんだ……流石に……」
強化装甲服を着た「魔法使い」が……呆れたような口調でそう言った。
「こいつの口内で……筋弛緩ガスを噴射した。タイミングさえ間違わなければ腕を噛み千切られる事は無い」
「タイミングさえ間違わなけりゃ、って言うけどさ……」
「実際、私は、手を噛み千切られなかったぞ。手は涎でベトベトに……おい、待て、お前ら……仲間を見捨てて、どこへ行く気だ?」
ヤクザさん達は……恐怖の叫びをあげて……逃げ出していく。
中には……河童や獣人や鬼の姿になっているけど……変身による身体能力UPを……逃げる事に全振りしてる人も居る。
「おい、誰か、こいつの口ん中のスプレー缶を取り出してやれ。早くしないと、こいつは窒息死……あ~あ……」
「正義の味方」の口調は……最初は呆れたような……最後には「やれやれ」という感じに変っていった。
けど……。
わかる……。
たしかに……ヤクザさん達、全員が一致団結すれば……この「正義の味方」に勝てるかも知れない……。
でも……。
目の前で起きたのは……何1つ理解出来ない「能力」を使ってないのに、絶対に自分には出来ない戦い方・勝ち方。
有り得るモノの中には……有り得ないモノより恐いモノが有る。
理解出来るモノの中には……理解出来ないモノより恐いモノが有る。
「やれやれ……水天宮近辺には……まだ、一般人の観客が居るのか?」
「正義の味方」は、あたしの方を向いて、そう言った。
「え……ええ……た……多分」
「すまないが人手が足りない。近隣に居る一般人の避難誘導と救護をお願いしたいが、可能か?」
ヤクザさんの1人がそう言った。
「余計な事を言いやがって……」
小柄な……「正義の味方」(多分)は……広島のヤクザの女幹部・佐伯漣の方を向いて、そう言った。
「あ……あの……例の……ネット上で『悪鬼の名を騙る苛烈な正義の女神』とか言われてる奴?」
「私が嫌いな、そのダサい渾名を口にしたら……宣戦布告と見做すぞ」
「うるせえッ‼」
そのヤクザさんの体が一回り大きくなり……服が弾け散り……。
「おい……誰も……手ぇ出すんじゃねえぞ……。こいつを倒せば……俺は……あの生きた伝説『護国軍鬼』を倒した男だッ‼」
黒い……でも、アフリカ系の人の肌の「黒さ」とは何か違う嫌な感じの黒。
その男の人の肌の色が……変る。
牙と爪が伸び……髪の毛が逆立ち……目は血走り……。
角が無い以外は……黒い鬼……。
「アニキ……それ……嘘じゃないけど……本当でも……」
その「鬼」の横に居た別のヤクザさんが、そう言うと……。
「うるせえッ‼」
あれ?
強化装甲服を着た「魔法使い」が……手で何かを合図。
もう1人の「正義の味方」は、それを見て、軽くうなずき……コートを脱ぎ……。
ブンッ‼
「正義の味方」が振り降したコートが「鬼」の右肩に当り……。
「効くかよ、こんな……あれ?」
あれ?
今……変な音がした……。
何か……重いモノが人体にブチ当たった時みたいな……。
「あ……あれ? あれ? あれ?」
「鬼」の右手が震えている。
よく見ると……コートが命中した「鬼」の右肩は……嫌な感じに変形。
「い……痛え……痛え……いててて……」
「鬼」が……左手で右肩を押えた所に……さらにコートが再び命中。
「鬼」の左手の甲が潰れる。
「○×△□∵∧≡‼」
意味不明な悲鳴が轟く……。
続いて、コートが「鬼」の右の太股を撃つ。
その瞬間は何も無かった……。
でも……1秒……2秒……それ位で……撃たれた箇所が腫れ上がり始め……。
更に左脛。
「鬼」の足が……嫌な感じに曲り……。
「大口を叩くだけは有るな……」
地面に座り込んだ「鬼」に対して……「正義の味方」は……淡々とした口調で言った。
「私の攻撃は……全く効いてないようだ」
「な……なに、言ってんすか……き……効いてます……痛いです……降参です」
「仕方ない……次からの攻撃は……」
「やめて……やめて……やめて……」
「もう少し本気を出すとするか……」
「い……いやだあぁぁぁッ‼ 助けて……殺さないでぇッ‼ あ……あの……お……俺、八歳の腰痛めて車椅子生活のお袋を養って、六五歳の息子の養育費を払わねえと、いけね~んです‼ 命だけは……」
「なら……これからはマトモな仕事で、真面目に働け」
「はいいいいいッ‼」
けど……次の瞬間……。
とんでもないスピードで走り出した誰かが……。
「ん?」
「残念だったな……お前の武器は奪った。『護国軍鬼を倒した男』になるのは……俺だ」
一瞬で凍り付いた筑後川の端まで移動した小柄なヤクザさんの手には……「正義の味方」が武器に使った黒いコートが握られていた。
「スピードが自慢か?」
「ああ……」
「じゃあ、これは避けられるか? おい、私のコート内の爆薬を遠隔操作で着火してくれ」
「えっ?」
次の瞬間……爆発音。
「あ……あ……あ……」
黒焦げになった……高速移動能力持ちらしいヤクザさんは……ふらふらと2~3歩ぐらい歩いた後に倒れた。
「何て真似させる……。そのコート、知り合いの形見だったんだぞ」
「うわあああ……」
更に……パニックになったヤクザさんの1人が獣人化して……。
「正義の味方」は……腰に着けていた小型のスプレーを手に握り……。
「????」
「正義の味方」は……自分に向って来た獣人の大きく開いた口に拳を突き込む。
「フェ○○オは初体験か? どうだ……こんなのを悦んでやる女が居るなんて信じてんのは……AVを見過ぎた馬鹿だけだ……そう思うだろ?」
獣人は白目をむき……そして……ゆっくりと崩れ落ちていった。
「お……おい……何やってんだ……流石に……」
強化装甲服を着た「魔法使い」が……呆れたような口調でそう言った。
「こいつの口内で……筋弛緩ガスを噴射した。タイミングさえ間違わなければ腕を噛み千切られる事は無い」
「タイミングさえ間違わなけりゃ、って言うけどさ……」
「実際、私は、手を噛み千切られなかったぞ。手は涎でベトベトに……おい、待て、お前ら……仲間を見捨てて、どこへ行く気だ?」
ヤクザさん達は……恐怖の叫びをあげて……逃げ出していく。
中には……河童や獣人や鬼の姿になっているけど……変身による身体能力UPを……逃げる事に全振りしてる人も居る。
「おい、誰か、こいつの口ん中のスプレー缶を取り出してやれ。早くしないと、こいつは窒息死……あ~あ……」
「正義の味方」の口調は……最初は呆れたような……最後には「やれやれ」という感じに変っていった。
けど……。
わかる……。
たしかに……ヤクザさん達、全員が一致団結すれば……この「正義の味方」に勝てるかも知れない……。
でも……。
目の前で起きたのは……何1つ理解出来ない「能力」を使ってないのに、絶対に自分には出来ない戦い方・勝ち方。
有り得るモノの中には……有り得ないモノより恐いモノが有る。
理解出来るモノの中には……理解出来ないモノより恐いモノが有る。
「やれやれ……水天宮近辺には……まだ、一般人の観客が居るのか?」
「正義の味方」は、あたしの方を向いて、そう言った。
「え……ええ……た……多分」
「すまないが人手が足りない。近隣に居る一般人の避難誘導と救護をお願いしたいが、可能か?」
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