4 / 22
第1章:Black Heart
(3)
しおりを挟む
「何で、生きてる一般人を、私らでも防御魔法かけなきゃ迂闊に入れねえような場所に放置プレイするんだよ⁉ あんた、自治会長と市会議員を、死ぬ方が、まだマシな目に遭わせる気か⁉ あんた、あの2人に何の怨みが有るんだ⁉ あいつらに親でも殺されたのか⁉ それとも恋人でも寝取られらのか⁉」
とりあえず、ラビット・パンダの爺さんと交渉を終えたアイーシャに事の経緯を説明すると……数瞬だけ唖然とした表情になり……段々と「悪魔さえ恐れる怒りの戦神」のよ~な表情へと変わり……そして……飛んで来たのは罵声。
「仕方ねえだろ、途中で……あいつに出喰わしちまったんだから……」
「カマルの姐さんの事?」
この町の冒険者ギルドのメンバーは、例え自分が齢上であっても、聖女騎士カマルの事を「姐さん」と呼ぶ事が多い。
実力に対する敬意と……恐怖の2つの理由で……。
いや、あの聖女騎士サマは良いヤツだ。どんな聖人君子でも、どんな極悪人でも、本人を知ってる奴なら、良いヤツだって言う筈だ。天使と魔性だって、あの女が良いヤツだって事に関しては意見が一致する筈だ。
ただ、もし絶対善と絶対悪が存在するなら、人間にとってよりマシなのは絶対悪かも知れねえって、たった1つだがムチャクチャ重大な問題が有るだけで……。
「マズいよ。あの姐さんが、この件に絡んだら……何が起きるか知れたモノじゃない……」
「ああ、そうだな……」
ところが、何故か、今度はサファルが「アチャ~」って表情になり、顔に手を当て……。
「あの、町で情報を集めてきましたけど……」
その時、ジブリルの声。
「どうだった?」
「クロちゃんの目撃例なしです」
「ああ、畜生……」
「ただ、変なんですよ……」
「だから、どこが、どう変なんだよ? お前の言い方は、いつも、まわりくどいんだよッ‼」
「クロちゃんが市会議員と自治会長を誘拐した現場を目撃した人も居ないみたいです。人目に付く所でやったんなら、普通は噂になっても、おかしくないし、第一、官憲にも捜索願いとか出てないみたいなんですよ……クロちゃんは、いつ、どこで、どんな状況で、あの2人を誘拐したんですかねぇ?」
「クロちゃんを探す話と何の関係が有るんだよ、それ? 気になるなら、クロちゃんを見付けてから本人に聞きゃいいだろうがッ‼」
「はぁ……」
畜生……。
どいつも、こいつも……腹の底では俺を阿呆だと思ってやがる。見下してやがる。パーティーのリーダーの筈の俺の事を「担ぐ神輿は軽い方がいい」ぐらいに思ってやがる。
クソ……。何とか、この件を……俺が、逆に、こいつらを見下せるような形で解決出来ねえものか……。
「あのさ……あたし、クロちゃんが、どこに行ったかの心当りは無いけど……クロちゃんが、どこに行ったか心当りが有るかも知れない人なら……心当りが有るよ」
突然、サファルが、そんな事を言い出した。
「おい、何で、最初に、それを言わねえッ‼」
「ってか、みんな薄々気付いてると思ってたんだけど……」
「わかんねえよッ‼ 誰だよ、それッ?」
「聞いたら後悔すると思うけど、いい?」
「あのな、すげ~金になる依頼を解決する情報を聞いて、ど~して後悔するんだよ⁉」
サファルは……自分の心を落ち着けるように、目を閉じて……深呼吸。
「仕事が無い時に、クロちゃんって、誰と一緒に遊びに行く事が多いか知ってる?」
……えっ?
……いや……待て……まさか……?
ああああ……。『言いたい事が有るんなら、はっきり言いやがれ、このメスガキっ‼』と叫びたいのに……俺の中の何かが邪魔をしている。
「カマルの姐さん」
馬鹿野郎ッ‼ 心の準備が出来る前に正解を言うんじゃねえッ‼
くどいようだが、この町の冒険者ギルドのメンバーは、例え自分が齢上であっても、聖女騎士カマルの事を「姐さん」と呼ぶ事が多い。
くどいようだが、実力に対する敬意と……恐怖の2つの理由で……。
だが……1人だけ例外が居る。いや、1人と言うよりも、1竜と言うべきか……。
脳天気さに関しても、この冒険者ギルドのメンバーの中では有数のクロちゃんは……聖女騎士カマルの事を「カマルちゃん」と呼んで……妙になついていやがった。
とりあえず、ラビット・パンダの爺さんと交渉を終えたアイーシャに事の経緯を説明すると……数瞬だけ唖然とした表情になり……段々と「悪魔さえ恐れる怒りの戦神」のよ~な表情へと変わり……そして……飛んで来たのは罵声。
「仕方ねえだろ、途中で……あいつに出喰わしちまったんだから……」
「カマルの姐さんの事?」
この町の冒険者ギルドのメンバーは、例え自分が齢上であっても、聖女騎士カマルの事を「姐さん」と呼ぶ事が多い。
実力に対する敬意と……恐怖の2つの理由で……。
いや、あの聖女騎士サマは良いヤツだ。どんな聖人君子でも、どんな極悪人でも、本人を知ってる奴なら、良いヤツだって言う筈だ。天使と魔性だって、あの女が良いヤツだって事に関しては意見が一致する筈だ。
ただ、もし絶対善と絶対悪が存在するなら、人間にとってよりマシなのは絶対悪かも知れねえって、たった1つだがムチャクチャ重大な問題が有るだけで……。
「マズいよ。あの姐さんが、この件に絡んだら……何が起きるか知れたモノじゃない……」
「ああ、そうだな……」
ところが、何故か、今度はサファルが「アチャ~」って表情になり、顔に手を当て……。
「あの、町で情報を集めてきましたけど……」
その時、ジブリルの声。
「どうだった?」
「クロちゃんの目撃例なしです」
「ああ、畜生……」
「ただ、変なんですよ……」
「だから、どこが、どう変なんだよ? お前の言い方は、いつも、まわりくどいんだよッ‼」
「クロちゃんが市会議員と自治会長を誘拐した現場を目撃した人も居ないみたいです。人目に付く所でやったんなら、普通は噂になっても、おかしくないし、第一、官憲にも捜索願いとか出てないみたいなんですよ……クロちゃんは、いつ、どこで、どんな状況で、あの2人を誘拐したんですかねぇ?」
「クロちゃんを探す話と何の関係が有るんだよ、それ? 気になるなら、クロちゃんを見付けてから本人に聞きゃいいだろうがッ‼」
「はぁ……」
畜生……。
どいつも、こいつも……腹の底では俺を阿呆だと思ってやがる。見下してやがる。パーティーのリーダーの筈の俺の事を「担ぐ神輿は軽い方がいい」ぐらいに思ってやがる。
クソ……。何とか、この件を……俺が、逆に、こいつらを見下せるような形で解決出来ねえものか……。
「あのさ……あたし、クロちゃんが、どこに行ったかの心当りは無いけど……クロちゃんが、どこに行ったか心当りが有るかも知れない人なら……心当りが有るよ」
突然、サファルが、そんな事を言い出した。
「おい、何で、最初に、それを言わねえッ‼」
「ってか、みんな薄々気付いてると思ってたんだけど……」
「わかんねえよッ‼ 誰だよ、それッ?」
「聞いたら後悔すると思うけど、いい?」
「あのな、すげ~金になる依頼を解決する情報を聞いて、ど~して後悔するんだよ⁉」
サファルは……自分の心を落ち着けるように、目を閉じて……深呼吸。
「仕事が無い時に、クロちゃんって、誰と一緒に遊びに行く事が多いか知ってる?」
……えっ?
……いや……待て……まさか……?
ああああ……。『言いたい事が有るんなら、はっきり言いやがれ、このメスガキっ‼』と叫びたいのに……俺の中の何かが邪魔をしている。
「カマルの姐さん」
馬鹿野郎ッ‼ 心の準備が出来る前に正解を言うんじゃねえッ‼
くどいようだが、この町の冒険者ギルドのメンバーは、例え自分が齢上であっても、聖女騎士カマルの事を「姐さん」と呼ぶ事が多い。
くどいようだが、実力に対する敬意と……恐怖の2つの理由で……。
だが……1人だけ例外が居る。いや、1人と言うよりも、1竜と言うべきか……。
脳天気さに関しても、この冒険者ギルドのメンバーの中では有数のクロちゃんは……聖女騎士カマルの事を「カマルちゃん」と呼んで……妙になついていやがった。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
おっさん冒険者のおいしいダンジョン攻略
神崎あら
ファンタジー
冒険者歴20年以上のおっさんは、若い冒険者達のように地位や権威を得るためにダンジョンには行かない。
そう、おっさんは生活のためにダンジョンに行く。
これはそんなおっさんの冒険者ライフを描いた生活記である。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妹の身代わりだった私に「本命は君だ」――王宮前で王子に抱き潰され、溺愛がバレました。~私が虐げられるきっかけになった少年が、私と王子を結び付
唯崎りいち
恋愛
妹の身代わりとして王子とデートすることになった私。でも王子の本命は最初から私で――。長年虐げられ、地味でみすぼらしい私が、王子の愛と溺愛に包まれ、ついに幸せを掴む甘々ラブファンタジー。妹や家族との誤解、影武者の存在も絡み、ハラハラと胸キュンが止まらない物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる