魔法学的に(現時点では)正しい練習方法

蓮實長治

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魔法学的に(現時点では)正しい練習方法

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 そっくりの顔の双子なのに、才能に関しては、何故、こうも違うのか?
 僕は魔法使いへの道を志し、弟は騎士への道に進む事になった。

「う~む……技術に関しては申し分無いが……魔力量が少し不安だな……」
 近衛師団の「魔法士官」の採用試験まで、あと1ヶ月半のその日、師匠にそう言われた。
 一般には「学問」だと思われている「魔法」だが……その実態は「武芸」や「職人芸」に近い。
 僕が子供の頃までは、「魔法使い」の修行においては「根性論」が罷り通っていた……そうだ。
 しかし、魔法にも進歩が有る。
 最近では「魔力量」を正確に測る方法が普及し、以前より効率的な修行が出来るようになった。
「これから試験までは……魔力量を上げる修行に専念したまえ。」

 そして、採用試験の日を迎えた。
「では……君の一番得意な攻撃魔法を見せてくれたまえ」
 絶好調だ。
 自分でも判るぐらいに全身に魔力が満ち満ちている。
 そして……僕は……呪文を……。
 ……。
 …………。
 ……………………。
 どうなっている?
 何が起きた?
 魔力は有り余っているのに……呪文が紡げない。
「どうしたのかね? 早くやってくれたまえ」

 そっくりの顔の双子なのに、才能に関しては、何故、こうも違うのか?
 俺は騎士への道を志し、兄は魔法使いへの道を進む事になった。

「おい。何をやってるんだ?」
 近衛師団の騎兵士官の採用試験まで、あと1ヶ月半のその日、師匠にそう言われた。
「いえ……筋力を付けようと思って……」
「そんな練習はやめろ。そりゃ、筋力は必要だが……不自然に付けた筋肉など使い物になるか」
「は……はぁ……」
「基本の稽古をしっかりやって、技を体に覚えさせろ。そんな稽古ばかりやってると、体が今まで身に付けた技を忘れてしまいかねんぞ」
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