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プロローグ
I Saw the Devil
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組織の理念・理想・目的は、時として兵装や戦法と云う形で具現化する。
敵対勢力の殲滅を至上命題とする組織はメンバーの長所を強め合うようにチームを組み、脅威を取り除く事に成功しても、人命救助に失敗したなら、大失態以外の何物でもない、と考える組織はメンバーの欠点を補い合うようにチームを組む。
「あ~、見えてますか? 本日2鬼目の敵『対神鬼動外殻』と遭遇しました」
相棒であるスカーレット・モンクこと木村旭が、後方支援チームに、そう連絡する。
最強かつ規格外の個人兵装であると同時に「運用の幅」が恐しく狭い「対神鬼動外殻」のみを複数鬼投入。
「能力や性格が被っていない者同士でコンビやチームを組み、互いの欠点を補い合う」と云う我々のやり方とは逆だ。
「救援チームと調査隊の警固を頼む。こいつは、私が足止めする」
「ああ……でも……」
「行け。話は後だ」
似ている……。
目の前に現われた敵は……私が着装している対神鬼動外殻「護国軍鬼4号鬼・改」に、よく似た外見をしていた。
だが……違いも有る。
装甲の材質は……おそらくは同じ「不均一非結晶合金」。
しかし、装甲の表面に塗布されている対化学兵器用の腐食防止塗装の色は異なっている。
それも……おそらくは、彼我の組織の理念・理想・目的に由来する違いだ。
「人命救助に失敗したなら、脅威や敵対勢力の除去に成功しても何の意味も無い」と考える組織に属する私の装甲には……救助対象者が遠くからでも視認し易いように、虹を思わせる金属光沢が浮かび上がっている。
対して「敵対勢力の殲滅」を目的とする組織に属する相手の装甲は……目立たず交戦対象が視認しにくくなるように光沢が押えられた灰色。
「お前か? お前が……あの『悪鬼の名を騙る苛烈な正義の女神』の弟子か?」
『出来ればでいい。方法は任せる。何でもいいから、そのマヌケに一泡吹かせろ』
かつて大怪我をしてから後方支援チームに回っている師匠から無線通話で指示。
「落ち着け。師匠の貴方が弟子の私より好戦的になってどうする?」
『お前もネット上で変な渾名を付けられたら、私の気持ちも判るようになるぞ』
「貴方の嫌っている渾名を口にした時点で、貴方への挑発だと考えるのが妥当だろう」
『ま、そりゃそうだが……』
「見ているだろう、我が伯母よ。今から俺が、あんたの弟子を嬲り殺しにしてやる。……いや……我が姉と呼ぶべきかな?」
『何だと?』
「師匠、自分の声だから逆に気付いてないのか?」
『何をだ?』
「こいつの声……私には、貴方の声を低くしたように思えるのだが……」
敵対勢力の殲滅を至上命題とする組織はメンバーの長所を強め合うようにチームを組み、脅威を取り除く事に成功しても、人命救助に失敗したなら、大失態以外の何物でもない、と考える組織はメンバーの欠点を補い合うようにチームを組む。
「あ~、見えてますか? 本日2鬼目の敵『対神鬼動外殻』と遭遇しました」
相棒であるスカーレット・モンクこと木村旭が、後方支援チームに、そう連絡する。
最強かつ規格外の個人兵装であると同時に「運用の幅」が恐しく狭い「対神鬼動外殻」のみを複数鬼投入。
「能力や性格が被っていない者同士でコンビやチームを組み、互いの欠点を補い合う」と云う我々のやり方とは逆だ。
「救援チームと調査隊の警固を頼む。こいつは、私が足止めする」
「ああ……でも……」
「行け。話は後だ」
似ている……。
目の前に現われた敵は……私が着装している対神鬼動外殻「護国軍鬼4号鬼・改」に、よく似た外見をしていた。
だが……違いも有る。
装甲の材質は……おそらくは同じ「不均一非結晶合金」。
しかし、装甲の表面に塗布されている対化学兵器用の腐食防止塗装の色は異なっている。
それも……おそらくは、彼我の組織の理念・理想・目的に由来する違いだ。
「人命救助に失敗したなら、脅威や敵対勢力の除去に成功しても何の意味も無い」と考える組織に属する私の装甲には……救助対象者が遠くからでも視認し易いように、虹を思わせる金属光沢が浮かび上がっている。
対して「敵対勢力の殲滅」を目的とする組織に属する相手の装甲は……目立たず交戦対象が視認しにくくなるように光沢が押えられた灰色。
「お前か? お前が……あの『悪鬼の名を騙る苛烈な正義の女神』の弟子か?」
『出来ればでいい。方法は任せる。何でもいいから、そのマヌケに一泡吹かせろ』
かつて大怪我をしてから後方支援チームに回っている師匠から無線通話で指示。
「落ち着け。師匠の貴方が弟子の私より好戦的になってどうする?」
『お前もネット上で変な渾名を付けられたら、私の気持ちも判るようになるぞ』
「貴方の嫌っている渾名を口にした時点で、貴方への挑発だと考えるのが妥当だろう」
『ま、そりゃそうだが……』
「見ているだろう、我が伯母よ。今から俺が、あんたの弟子を嬲り殺しにしてやる。……いや……我が姉と呼ぶべきかな?」
『何だと?』
「師匠、自分の声だから逆に気付いてないのか?」
『何をだ?』
「こいつの声……私には、貴方の声を低くしたように思えるのだが……」
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