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第二章:Fair Game

スカーレット・モンク(6)

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「オン・アニチ・マリシエイ・ソワカ‼」
 てるを支援する為に「気弾」を放つが……「クリムゾン・サンシャシン」のボディ・アーマーには、結構、強力な防御魔法がかけられている。何発も撃ち込んで、ようやくダメージを与えられるだろう。
 しかも、相手は十近く。1人1人に与えられるダメージは、その分、小さくなる。
 あたしも「火事場の馬鹿力」を引き出せるので、突撃して直接殴り付けた方が早いし、「気弾」よりも直接攻撃に「気」を込めた方が相手に与えるダメージもデカいけど、護衛対象の3人から離れる訳にはいかない。
「だから……何でよ?」
 てるはしゃがんで敵の足を切り付けてるが……奴らは、そうそう簡単に気絶してくれない。死ぬまで戦い続ける。
「なんで、TCAの精鋭部隊がお前たちを狙うか、って意味なら……お前たちを狙ってるのがTCA内部の人間だからだよ」
「えっ?」
 奴らは、味方を誤射する可能性を考えてないかのように、てるに銃口を向ける。
 それに対して、てるは、即席の槍が刺さった死体を振り回し……。
「お前の『精神操作』が、あいつらに効かないのは、あいつらには、そもそも『精神』が中途半端な形でしか存在してない上に、脳に埋め込んだ電子機器デバイスで外部から精神を操作出来るからだ」
「どう云う事? そんな事、聞いた事も……」
 敵の何人かは、てるの攻撃を食らって、手足が変な方向に曲がり……それでも動き続け……。
 いや、それどころか、槍が土手っ腹を貫通してる奴も、自分で槍を抜いて動き始める。
 そして、体の損傷がマシな4人が、てるに構わず、あたし達に銃を向け……。
 てるが一瞬にしてその内の3人を倒し、残る1人を「肉の盾」にするが……他の「クリムゾン・サンシャシン」は、盾にされた仲間に銃弾を放つ。
「な……なによ……あれ? あんなのが……」
「ああ、あいつらは『精鋭部隊』だけど、普通の『精鋭部隊』じゃない」
 その時、男の声……。、くぐもったような変な声に聞こえる。
「『精鋭部隊』って言っても、構成員は『消耗品』だ。無茶な使い方が出来るので、結果的に戦闘力が有るように見えるだけ」
 同じような……くぐもった男の声。しかし、1人目とは違う。
「そして、への一番簡単な対処方法は『力づく』。行くよ、『ワンワン』『ニャンコ』」
「あ……あの……誰、これ?」
「ようやく来てくれた、応援の『正義の味方』だ」
「こっちの『正義の味方』って一体……?」
 呆然としてる女の子とその「保護者」のおっちゃんを尻目に、3人の応援が駆け出して行った。
 黒い獣人。銀色の獣人。そして、青い「鬼」が……。
「『らぷ太』『らぷたん』、あたし達が戦ってる間、この人達を護ってて」
「ふんぎゃ♪」
「ふんぎゃ~♡」
 青い「鬼」の指示に返答したのは……2体の青いヴェロキラプトル型のロボット達だった。
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