引き倒された銅像

蓮實長治

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引き倒された銅像

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「おい、貴様ら、何をやってる?」
「見て判らないのか? クソ野郎の銅像を引き倒してるんだ」
「待て、その銅像が誰のものか判ってるのか? 独立戦争の英雄だぞ」
「けど、奴隷制度維持派だった」
「待て、当時は、それは仕方無かったんだ。今の基準で過去を裁くなど……」
「うるせえ、俺達の先祖は望んで奴隷なった訳……ん? 待て、おい……全員銅像から離れろ……」
「な……何だ?」
「何か変だ。この銅像、思ったよりかなり簡単に……ああ、もう倒れるぞッ‼」
「うわあああ……ッ‼」
「えっ?」
「な……何だ? 銅像って、この程度の衝撃で粉々になるモノなのか?」
「よく見ろ……どうなってんだ? 銅像だと思ったら……中身はハリボテだ」
「へっ?」
「おい、土台に何か書いてあるぞ」
「えっと……銅像の足で隠れてた箇所か……なになに……」
「ええっと……『権力を笠に着て製作費をケチりやがった糞野郎に呪いあれ』」
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