1 / 1
異世界転生したら、元の世界のある「神様」の人生をなぞる羽目になりました
しおりを挟む
「あ~、すまんが、そなたが死んだのは儂がやらかした手違いのせいじゃ……。設定が矛盾だらけの世界を作ってしまったもので、辻褄合わせの現実改変をやっておった時に……まぁ、その、ちょっとな……」
1人寂しく受験合格をお願いしに初詣に行く途中に、何故か、突然現われたブラキオサウルスに踏み潰されると云う、何が何だか訳が判らない死に方をしたボクは……H・R・ギーガーって名前だと思うけど、ともかく何かのホラー映画に関わった昔のイラストレーターだか何かがデザインしたとしか思えない禍々しい場所に居た。
目の前には、クトゥルフ神話の化物にしか思えない自称「神様」。
何だよ、この、ビジュアルは異常極まり無いのに、展開だけは安っぽいラノベみたいな状況は……?
「なるほど、異世界転生が望みか……。わかった、今、適当な『異世界』を作る」
ちょっと待って、異世界転生モノの「異世界」って、その都度、作られてたの?
しかし、この神様が作る「異世界」って、どんな異常な代物に……。
「安心せい。そなたの世界も……他の『異世界転生』を望んだ奴の為に作った『異世界』の1つじゃ。気付いておらんかったのか?」
……。
…………。
……………………。
えっ?
「そなたの想像力の範囲外の『異世界』には成らんので、まぁ、気を楽に持て」
なるほど、異世界転生もののラノベそのまんまの世界が出来る訳か……。
そう言や、初詣に行こうとしてた神社に祀られてる「神様」って、ラノベのジャンルで言えば……。
後から思うと、この時、そんな余計な事を考えたのが運の尽きだった。
初詣に行こうとしていた神社は……。
目の前に居たのは、この手の話の「王様」そのまんまの姿の王様。
「異世界より転生した勇者よ。悪役令嬢の成れの果てであるクレイジー・サイコ・レズの魔女に誘拐された我が娘を取り戻して来てくれんか?」
「は……はい……」
転生した途端、本当に、ボクの想像の範囲外のモノが何1つ見当らないお城で、色んなオタク向けコンテンツを適当にごちゃまぜにしたとしか思えない命令を受ける羽目になった。
ええっと……ボクって、オタクとして、ここまで浅いヤツだったっけ?
「父上……このようなどこの馬の骨とも知れぬ転生者風情に、我が妹の奪還を命じるなど……」
突然、そう言い出したのは、ファンタジーっぽい格好で、それっぽい口調なのに、何故か、EXILEあたりのメンバーに居ても違和感が無いパリピとかウェ~イ系とか、そんな顔と雰囲気の若い男。
どうやら、この国の王子様……そして、救出対象のお姫様の兄さんらしいけど……。
何かが引っ掛かる……。
この世界には、ボクの想像の範囲外のモノが無いのなら……何故、ボクは、こいつを「想像」したんだ?
マジでボクの想像の範囲外のモノが見当らないこの異世界で、ストレスにならない程度のスリルに満ちた冒険の後、ボクは魔女に攫われたお姫様を奪還し、英雄扱いされ、お姫様と結婚し、子供も生まれ、平穏な人生を……送っていた筈だった、王様が死んで、王位を義理の兄が継ぐまでは……。
「証拠は上がっておるぞ。下賤な転生者の分際で、余を暗殺し、この国を乗っ取ろうとするなど、不届き千万ッ‼」
「ええっ? ちょっと待ってよ……ボクがそんな事をする訳が……」
「申し開きは牢獄の中でやれ……」
牢獄の中で受けた拷問は、ボクの想像の範囲外のモノなど何1つ無かったにも関わらず、ボクは何1つ真実が含まれていない「自白」をしてしまった。
これだけは、自分で想像してたよりも、はるかに、あっさりと……。
かつての英雄であったため、ボクは、死刑だけは免れたが、愛する妻や子と引き離され、辺境で……あと何十年続くか判らない余生を送る事になった。
「あの時……余計な事を考えなきゃ良かったのかな……?」
元の世界で、死んだ時、初詣に行こうとしていたのは……太宰府天満宮だったのだ……。
菅原道真の人生って……ラノベに喩えると、追放ものだよね……。
1人寂しく受験合格をお願いしに初詣に行く途中に、何故か、突然現われたブラキオサウルスに踏み潰されると云う、何が何だか訳が判らない死に方をしたボクは……H・R・ギーガーって名前だと思うけど、ともかく何かのホラー映画に関わった昔のイラストレーターだか何かがデザインしたとしか思えない禍々しい場所に居た。
目の前には、クトゥルフ神話の化物にしか思えない自称「神様」。
何だよ、この、ビジュアルは異常極まり無いのに、展開だけは安っぽいラノベみたいな状況は……?
「なるほど、異世界転生が望みか……。わかった、今、適当な『異世界』を作る」
ちょっと待って、異世界転生モノの「異世界」って、その都度、作られてたの?
しかし、この神様が作る「異世界」って、どんな異常な代物に……。
「安心せい。そなたの世界も……他の『異世界転生』を望んだ奴の為に作った『異世界』の1つじゃ。気付いておらんかったのか?」
……。
…………。
……………………。
えっ?
「そなたの想像力の範囲外の『異世界』には成らんので、まぁ、気を楽に持て」
なるほど、異世界転生もののラノベそのまんまの世界が出来る訳か……。
そう言や、初詣に行こうとしてた神社に祀られてる「神様」って、ラノベのジャンルで言えば……。
後から思うと、この時、そんな余計な事を考えたのが運の尽きだった。
初詣に行こうとしていた神社は……。
目の前に居たのは、この手の話の「王様」そのまんまの姿の王様。
「異世界より転生した勇者よ。悪役令嬢の成れの果てであるクレイジー・サイコ・レズの魔女に誘拐された我が娘を取り戻して来てくれんか?」
「は……はい……」
転生した途端、本当に、ボクの想像の範囲外のモノが何1つ見当らないお城で、色んなオタク向けコンテンツを適当にごちゃまぜにしたとしか思えない命令を受ける羽目になった。
ええっと……ボクって、オタクとして、ここまで浅いヤツだったっけ?
「父上……このようなどこの馬の骨とも知れぬ転生者風情に、我が妹の奪還を命じるなど……」
突然、そう言い出したのは、ファンタジーっぽい格好で、それっぽい口調なのに、何故か、EXILEあたりのメンバーに居ても違和感が無いパリピとかウェ~イ系とか、そんな顔と雰囲気の若い男。
どうやら、この国の王子様……そして、救出対象のお姫様の兄さんらしいけど……。
何かが引っ掛かる……。
この世界には、ボクの想像の範囲外のモノが無いのなら……何故、ボクは、こいつを「想像」したんだ?
マジでボクの想像の範囲外のモノが見当らないこの異世界で、ストレスにならない程度のスリルに満ちた冒険の後、ボクは魔女に攫われたお姫様を奪還し、英雄扱いされ、お姫様と結婚し、子供も生まれ、平穏な人生を……送っていた筈だった、王様が死んで、王位を義理の兄が継ぐまでは……。
「証拠は上がっておるぞ。下賤な転生者の分際で、余を暗殺し、この国を乗っ取ろうとするなど、不届き千万ッ‼」
「ええっ? ちょっと待ってよ……ボクがそんな事をする訳が……」
「申し開きは牢獄の中でやれ……」
牢獄の中で受けた拷問は、ボクの想像の範囲外のモノなど何1つ無かったにも関わらず、ボクは何1つ真実が含まれていない「自白」をしてしまった。
これだけは、自分で想像してたよりも、はるかに、あっさりと……。
かつての英雄であったため、ボクは、死刑だけは免れたが、愛する妻や子と引き離され、辺境で……あと何十年続くか判らない余生を送る事になった。
「あの時……余計な事を考えなきゃ良かったのかな……?」
元の世界で、死んだ時、初詣に行こうとしていたのは……太宰府天満宮だったのだ……。
菅原道真の人生って……ラノベに喩えると、追放ものだよね……。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
追放された悪役令嬢、農業チートと“もふもふ”で国を救い、いつの間にか騎士団長と宰相に溺愛されていました
黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢のエリナは、婚約者である第一王子から「とんでもない悪役令嬢だ!」と罵られ、婚約破棄されてしまう。しかも、見知らぬ辺境の地に追放されることに。
絶望の淵に立たされたエリナだったが、彼女には誰にも知られていない秘密のスキルがあった。それは、植物を育て、その成長を何倍にも加速させる規格外の「農業チート」!
畑を耕し、作物を育て始めたエリナの周りには、なぜか不思議な生き物たちが集まってきて……。もふもふな魔物たちに囲まれ、マイペースに農業に勤しむエリナ。
はじめは彼女を蔑んでいた辺境の人々も、彼女が作る美味しくて不思議な作物に魅了されていく。そして、彼女を追放したはずの元婚約者や、彼女の力を狙う者たちも現れて……。
これは、追放された悪役令嬢が、農業の力と少しのもふもふに助けられ、世界の常識をひっくり返していく、痛快でハートフルな成り上がりストーリー!
新緑の光と約束~精霊の愛し子と守護者~
依羽
ファンタジー
「……うちに来るかい?」
森で拾われた赤ん坊は、ルカと名付けられ、家族に愛されて育った。
だが8歳のある日、重傷の兄を救うため、ルカから緑の光が――
「ルカは精霊の愛し子。お前は守護者だ」
それは、偶然の出会い、のはずだった。
だけど、結ばれていた"運命"。
精霊の愛し子である愛くるしい弟と、守護者であり弟を溺愛する兄の、温かな家族の物語。
他の投稿サイト様でも公開しています。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
「洗い場のシミ落とし」と追放された元宮廷魔術師。辺境で洗濯屋を開いたら、聖なる浄化の力に目覚め、呪いも穢れも洗い流して成り上がる
黒崎隼人
ファンタジー
「銀閃」と謳われたエリート魔術師、アルク・レンフィールド。彼は五年前、国家の最重要儀式で犯した一つの失敗により、全てを失った。誇りを砕かれ、「洗い場のシミ落とし」と嘲笑された彼は、王都を追われ辺境の村でひっそりと洗濯屋を営む。
過去の「恥」に心を閉ざし、ひまわり畑を眺めるだけの日々。そんな彼の前に現れたのは、体に呪いの痣を持つ少女ヒマリ。彼女の「恥」に触れた時、アルクの中に眠る失われたはずの力が目覚める。それは、あらゆる汚れ、呪い、穢れさえも洗い流す奇跡の力――「聖濯術」。
これは、一度は全てを失った男が、一枚の洗濯物から人々の心に染みついた悲しみを洗い流し、自らの「恥」をも乗り越えていく、ささやかで温かい再生の物語。ひまわりの咲く丘で、世界で一番優しい洗濯が、今始まる。
【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。
かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。
謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇!
※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる