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第三章 糞蠅/Breathless
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声のする方には……4人の「正義の暴徒」が居た。
多分……全員が女。
一番背が高いのと、一番背が低いのは、似たような格好……青い迷彩風の模様のプロテクター付のスーツ。
1人は……肩のプロテクターに梵字のような模様が描かれた明る目の茶色の革ジャン姿。被っているヘルメットには青い竜が描かれていた。
最後の1人は……こいつが一番、コスプレっぽい姿だ……。そう、何と云うか……「機械仕掛けの天使」「機械仕掛けの聖騎士」とでも呼びたくなるが……でも、明らかに強化服には見えないオレンジ色のプロテクターを付けていた。
全員が顔をフルヘルメットで隠し……そのヘルメットの「目」に見えるモノは小型カメラのようだった。
「何をしていると言われても……何と言うか……ああ、そうだな、君達の手伝いだ。ちょっとしたゴミ掃除だよ。バイト代は要らない。無報酬のボランティアだと思ってくれ」
「わかった……。まず、君と君の家族に起きた事態を防げなかった事を謝罪したい」
そう言ったのは……さっきの凍り付くような声の主……。一番、体が小さいメスガキだった。
「前々から思っていたが……お前は頭が良過ぎて論理的過ぎる。頭のいい悪党の裏をかくのは得意でも、この手の馬鹿が考える事を推測するのは苦手だ。違うか?」
「確かに……」
「まぁ、いい。俺と俺の親の件は……予想出来る者など、まず居ないだろう。悲劇ではあるが……防げなくても仕方ない事だ」
「では、本題に移っていいかな?」
「本題とは?」
「この惨状は何だ? 自分の復讐に何人巻き込んだ?」
「俺は、お前ほど、頭が良い訳でもないし、手慣れてる訳でもない。初体験で緊張し過ぎて、イチイチ数えてなかった」
沈黙……。
たしかに……こいつらが仲間同士だとしても……ドン引きの台詞だ。
いや……待て……何か……こいつらの会話は変だ。
こいつら……知り合いではあるが……仲間では……クソ……考えるのは後だ。
「まぁ、北米連邦あたりの青春ドラマみたいに『初体験でゲロを吐く』なんて事は無いから安心してくれ」
「ふざけるな……」
「そっちこそ……ふざけるな」
「何?」
「お前は、前に言った筈だ……。『真の悪とは愚か者が力を手にしている状態の事』だと。ならば、お前達の『正義』を遂行しろ。この愚か者をお前達の手で血祭りに上げろ」
そう言って奴が指差したのは……。
違う。
違う。
違う。
違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。
「お……俺のどこが、馬鹿なんだよッ⁉」
俺は、理性的で合理的で現実的で冷静で感情に囚われない大人の男らしい的確な反論をした。
……。
…………。
……………………。
無視かよっ‼
いや、待て。
無視するしか無いのか?
無視するしか無いって事は……やった。
つまり、俺が奴らを完全論破したって事だっ‼
ざまあ見ろ、悔しがれ、クソどもがっ‼
……って、ちょっと待て。
俺が、こいつらを論破して……何か状況は……あ、良くて±0だ。
「お前達がお前達の『正義』を遂行しないなら、代って俺がやらせてもらう。ただし、俺のやり方でな」
「お前のやりかた?」
「ああ、真綿で首を絞めるように、じわじわと苦しめる……。こいつが自分で死を願い……自分が人間として生まれて来た日を呪うようになるまで追い詰めた後で……こいつがもっとも苦しむ方法で殺してやる。そうだな……こいつが一番知りたくない事実は、こいつを殺す直前に教えてやる事にしよう。ああ、こいつは今日だけは見逃してやるが、帰ったら、ゆっくりプランを立てる事にしよう。今夜は楽しい時間を過ごせそうだ」
「やめろ……」
「おい、お前らしくも無い。何を待ってる? 待ってても何も起きないぞ。『自分に助けを求める人々に危害を加える輩が居たならば、この世では最も惨い死を、あの世では最も重い罪を犯した者が地獄で受けているのと同等の苦しみを与えてやろう』……それがお前が名乗っている名前の意味だろ、羅刹女。さぁ、せめて、こいつを楽に死なせてやりたいなら……そして、これ以上、俺の復讐に巻き込まれる者が増えるのが嫌なら……お前の『正義』を遂行しろ……『悪鬼の名を騙る苛烈なる正義の女神』よ」
永遠の夜は……おどけた様子で……えっ?
チビの姿が消えた……。
何だ……どうなってる?
「手を出すな……」
チビは永遠の夜と戦いながら……冷たい声。
「何だ? どうした?」
永遠の夜も……チビと戦いながら、おどけた声。
「自分から私に喧嘩を売ったクセに呑気なモノだな……」
「んっ?」
「あのダサい渾名は大嫌いでね」
多分……全員が女。
一番背が高いのと、一番背が低いのは、似たような格好……青い迷彩風の模様のプロテクター付のスーツ。
1人は……肩のプロテクターに梵字のような模様が描かれた明る目の茶色の革ジャン姿。被っているヘルメットには青い竜が描かれていた。
最後の1人は……こいつが一番、コスプレっぽい姿だ……。そう、何と云うか……「機械仕掛けの天使」「機械仕掛けの聖騎士」とでも呼びたくなるが……でも、明らかに強化服には見えないオレンジ色のプロテクターを付けていた。
全員が顔をフルヘルメットで隠し……そのヘルメットの「目」に見えるモノは小型カメラのようだった。
「何をしていると言われても……何と言うか……ああ、そうだな、君達の手伝いだ。ちょっとしたゴミ掃除だよ。バイト代は要らない。無報酬のボランティアだと思ってくれ」
「わかった……。まず、君と君の家族に起きた事態を防げなかった事を謝罪したい」
そう言ったのは……さっきの凍り付くような声の主……。一番、体が小さいメスガキだった。
「前々から思っていたが……お前は頭が良過ぎて論理的過ぎる。頭のいい悪党の裏をかくのは得意でも、この手の馬鹿が考える事を推測するのは苦手だ。違うか?」
「確かに……」
「まぁ、いい。俺と俺の親の件は……予想出来る者など、まず居ないだろう。悲劇ではあるが……防げなくても仕方ない事だ」
「では、本題に移っていいかな?」
「本題とは?」
「この惨状は何だ? 自分の復讐に何人巻き込んだ?」
「俺は、お前ほど、頭が良い訳でもないし、手慣れてる訳でもない。初体験で緊張し過ぎて、イチイチ数えてなかった」
沈黙……。
たしかに……こいつらが仲間同士だとしても……ドン引きの台詞だ。
いや……待て……何か……こいつらの会話は変だ。
こいつら……知り合いではあるが……仲間では……クソ……考えるのは後だ。
「まぁ、北米連邦あたりの青春ドラマみたいに『初体験でゲロを吐く』なんて事は無いから安心してくれ」
「ふざけるな……」
「そっちこそ……ふざけるな」
「何?」
「お前は、前に言った筈だ……。『真の悪とは愚か者が力を手にしている状態の事』だと。ならば、お前達の『正義』を遂行しろ。この愚か者をお前達の手で血祭りに上げろ」
そう言って奴が指差したのは……。
違う。
違う。
違う。
違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。
「お……俺のどこが、馬鹿なんだよッ⁉」
俺は、理性的で合理的で現実的で冷静で感情に囚われない大人の男らしい的確な反論をした。
……。
…………。
……………………。
無視かよっ‼
いや、待て。
無視するしか無いのか?
無視するしか無いって事は……やった。
つまり、俺が奴らを完全論破したって事だっ‼
ざまあ見ろ、悔しがれ、クソどもがっ‼
……って、ちょっと待て。
俺が、こいつらを論破して……何か状況は……あ、良くて±0だ。
「お前達がお前達の『正義』を遂行しないなら、代って俺がやらせてもらう。ただし、俺のやり方でな」
「お前のやりかた?」
「ああ、真綿で首を絞めるように、じわじわと苦しめる……。こいつが自分で死を願い……自分が人間として生まれて来た日を呪うようになるまで追い詰めた後で……こいつがもっとも苦しむ方法で殺してやる。そうだな……こいつが一番知りたくない事実は、こいつを殺す直前に教えてやる事にしよう。ああ、こいつは今日だけは見逃してやるが、帰ったら、ゆっくりプランを立てる事にしよう。今夜は楽しい時間を過ごせそうだ」
「やめろ……」
「おい、お前らしくも無い。何を待ってる? 待ってても何も起きないぞ。『自分に助けを求める人々に危害を加える輩が居たならば、この世では最も惨い死を、あの世では最も重い罪を犯した者が地獄で受けているのと同等の苦しみを与えてやろう』……それがお前が名乗っている名前の意味だろ、羅刹女。さぁ、せめて、こいつを楽に死なせてやりたいなら……そして、これ以上、俺の復讐に巻き込まれる者が増えるのが嫌なら……お前の『正義』を遂行しろ……『悪鬼の名を騙る苛烈なる正義の女神』よ」
永遠の夜は……おどけた様子で……えっ?
チビの姿が消えた……。
何だ……どうなってる?
「手を出すな……」
チビは永遠の夜と戦いながら……冷たい声。
「何だ? どうした?」
永遠の夜も……チビと戦いながら、おどけた声。
「自分から私に喧嘩を売ったクセに呑気なモノだな……」
「んっ?」
「あのダサい渾名は大嫌いでね」
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