40 / 69
第三章 糞蠅/Breathless
(5)
しおりを挟む
「古川さ~ん、居らっしゃいますか~? NNR警備保障の者です~」
「あのなぁ、家の灯りが点いてんだぞ、居るに決ってんだろ」
「でも、電話に出なくて……」
「携帯電話をどっかに落としたんだろ」
「いえ、携帯電話と固定のIP電話のどっちにも……」
3分経った……返事が無い。
5分待っても……反応が無い。
待てない。
俺は玄関のドアノブに手をかけ……。
「ちょ……ちょっと……」
「鍵かかってないぞ」
そして、玄関を開けると……ドアの裏側には……。
「な……なんだ、こりゃ?」
「あの……そこの監視カメラに……これのコスプレをした奴が玄関から入ってく映像が映ってたんです」
玄関のドアの裏には……スプレーか何かで、デカデカと赤い色で、こう書かれていた。
「悪党誅戮の為、クリムゾン・サンシャイン参上」
その時……遠くから……聞き覚えの有る音がした……。
あ……あれは……俺の携帯電話の……着信音。
「あ……あの……緒方さんの携帯電話にかけてみたんですけど……」
「な……なんか……嫌な予感しか……」
「久留米第3本部、場合によっては、応援要請をするかも知れないので、準備、お願いします。可能なら、警察への連絡の準備も……。はい、映像送ります」
警備会社の2人も慌て出した。
ともかく、俺は……音のする方向へ……どこだ……あと……何だ、この臭いは……そして……。
俺は、自分の携帯電話の着信音を辿り……着いたのは……居間。
「だ……大丈夫ですか……」
「は~い、どっきりカメラで~す」
「あ……あの……何言ってんですか? 大丈夫ですか?……えっと……」
「こんなの……どっきりに決ってるだろ。古川のおっちゃん、いい齢なのに、いたずら系の動画配信でもやってるようだな」
「どこがですかっ⁉」
「いや、良く出来たメイクだな……。最近は、その手の特殊メイクやる人達って、素人の動画配信にも協力してくれんの? ウチでも雇おうか?」
「あ……あの……認めましょうよ、現実ですよ、現実」
「いい齢して、家族まで巻き込んで、何やってんの、古川さん?」
「だから、どう見ても……」
「あ……もしかして、俺がさっき、ちょっとキれちゃったから怒ってんの? ああ、ごめん、ごめん。謝るから許して」
「だから、死んでんですよ、死んでんです」
「でも、流石に……切り裂かれた腹から出たクソの臭いまで再現すんのはやり過ぎだと思うよ、うん。動画配信だと臭いまでは……」
「だから、どう見ても、ここ殺人現場……」
「山下……」
「何ですか?」
「……取り乱し過ぎ……」
「あ……あの……」
俺の携帯電話は……古川のおっちゃんの横一文字に切り裂かれたように特殊メイクされた喉の中で着信音を鳴らしていた。
おっちゃんのカミさんは、頭に深々と出刃包丁が突き刺さり……おっちゃんの息子夫婦は夫婦仲良く床に正座して手に何重にも巻いたガムテープで止められた包丁で切腹。
孫達は……流石にここは手を抜いてるみたいだな……。特に傷は無く……死んだフリ。
しかし、良く出来た特殊メイクだ。
「あのなぁ、家の灯りが点いてんだぞ、居るに決ってんだろ」
「でも、電話に出なくて……」
「携帯電話をどっかに落としたんだろ」
「いえ、携帯電話と固定のIP電話のどっちにも……」
3分経った……返事が無い。
5分待っても……反応が無い。
待てない。
俺は玄関のドアノブに手をかけ……。
「ちょ……ちょっと……」
「鍵かかってないぞ」
そして、玄関を開けると……ドアの裏側には……。
「な……なんだ、こりゃ?」
「あの……そこの監視カメラに……これのコスプレをした奴が玄関から入ってく映像が映ってたんです」
玄関のドアの裏には……スプレーか何かで、デカデカと赤い色で、こう書かれていた。
「悪党誅戮の為、クリムゾン・サンシャイン参上」
その時……遠くから……聞き覚えの有る音がした……。
あ……あれは……俺の携帯電話の……着信音。
「あ……あの……緒方さんの携帯電話にかけてみたんですけど……」
「な……なんか……嫌な予感しか……」
「久留米第3本部、場合によっては、応援要請をするかも知れないので、準備、お願いします。可能なら、警察への連絡の準備も……。はい、映像送ります」
警備会社の2人も慌て出した。
ともかく、俺は……音のする方向へ……どこだ……あと……何だ、この臭いは……そして……。
俺は、自分の携帯電話の着信音を辿り……着いたのは……居間。
「だ……大丈夫ですか……」
「は~い、どっきりカメラで~す」
「あ……あの……何言ってんですか? 大丈夫ですか?……えっと……」
「こんなの……どっきりに決ってるだろ。古川のおっちゃん、いい齢なのに、いたずら系の動画配信でもやってるようだな」
「どこがですかっ⁉」
「いや、良く出来たメイクだな……。最近は、その手の特殊メイクやる人達って、素人の動画配信にも協力してくれんの? ウチでも雇おうか?」
「あ……あの……認めましょうよ、現実ですよ、現実」
「いい齢して、家族まで巻き込んで、何やってんの、古川さん?」
「だから、どう見ても……」
「あ……もしかして、俺がさっき、ちょっとキれちゃったから怒ってんの? ああ、ごめん、ごめん。謝るから許して」
「だから、死んでんですよ、死んでんです」
「でも、流石に……切り裂かれた腹から出たクソの臭いまで再現すんのはやり過ぎだと思うよ、うん。動画配信だと臭いまでは……」
「だから、どう見ても、ここ殺人現場……」
「山下……」
「何ですか?」
「……取り乱し過ぎ……」
「あ……あの……」
俺の携帯電話は……古川のおっちゃんの横一文字に切り裂かれたように特殊メイクされた喉の中で着信音を鳴らしていた。
おっちゃんのカミさんは、頭に深々と出刃包丁が突き刺さり……おっちゃんの息子夫婦は夫婦仲良く床に正座して手に何重にも巻いたガムテープで止められた包丁で切腹。
孫達は……流石にここは手を抜いてるみたいだな……。特に傷は無く……死んだフリ。
しかし、良く出来た特殊メイクだ。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる