1 / 1
投稿サイトに小説を載っけてるそうですね。貴方の名前は出せませんが、お金になる仕事が……。
しおりを挟む
キュイイイイ~ン。
歯医者の治療の時のあの音は、いつ聞いても嫌なモノだが……今日は流石に洒落にならなかった。
「OKなら片手を上げて下さい……。そう……アメリカの大統領の就任の宣誓の時みたいな感じで……」
「親不知が虫歯になってますね……。これ神経抜く必要が有りますね……」
歯医者に行って、レントゲンを撮った後に、そう言われた。
「は……はぁ……」
「結構、大掛かりになりますね。今度の水曜の午後一でどうですか?」
「は……はい、それでお願いします」
だが……この時に気付くべきだった……。何かおかしいと……。
「あれっ?」
有給休暇を使って、歯医者に行ってみると……駐輪場の自転車がいつもより少ない。
まぁ、平日の昼間だからだろうと、軽く考えていたら……。
歯医者の玄関のドアを良く見ると……。
「水曜・日曜・祝日はお休みさせてもらいます」
えっ?
まさか、俺一人の治療の為に、わざわざ、定休日なのに……?
俺以外に誰も居ない待合室……。
ふと……待合室に置いてある本を見ると……あれ? いつも有る手塚治虫の「ブラック・ジャック」が無い。
その代りに……な……何だ、こりゃ……。
「霊言」と称するインチキで有名な新興宗教団体の本だ……。
おい……どうなってる?
そう言や、あそこが作ってる宣伝映画のエンドロールには、出資者として、やたらと歯医者が名前が出て来ると云う話を聞いたが……まさか……。
「古川リョウさん……準備が出来ましたので入って下さい」
本名ではなく、小説投稿サイト「小説家を始めよう」で使っているペンネームで呼ばれた。
後にして思えば……逃げれば良かった。
この時が……最後のチャンスだったのだ……。
歯茎に麻酔を打たれた時、診察室に、例の宗教団体の教祖の写真が飾ってある事に気付いた。
あ……もう、全て遅い。
その時に、そう気付いた。
「『小説家を始めよう』の投稿されてる小説を読ませてもらいましたよ……」
「あ……どうも……」
俺は……既に……恐怖の虜になり………逃げ出すと云う発想さえ浮かばなくなっていた。
キュイイイイ~ン。
何て名前だったか知らないが……例の歯を削る機械の音……。
「ある人に……古川さんを推薦したいんですよ……。ええ……映画の脚本のリライトの仕事なんですけどね……。古川さんの作風に合った仕事だと思うんですよ。古川さんの名前は出せないけど……報酬はかなりの額になりますよ……。並のサラリーマンのボーナス2~3回分ですけど……どうします?」
口の中から、歯が削られる音。
「OKなら片手を上げて下さい……。そう……アメリカの大統領の就任の宣誓の時みたいな感じで……」
歯医者の治療の時のあの音は、いつ聞いても嫌なモノだが……今日は流石に洒落にならなかった。
「OKなら片手を上げて下さい……。そう……アメリカの大統領の就任の宣誓の時みたいな感じで……」
「親不知が虫歯になってますね……。これ神経抜く必要が有りますね……」
歯医者に行って、レントゲンを撮った後に、そう言われた。
「は……はぁ……」
「結構、大掛かりになりますね。今度の水曜の午後一でどうですか?」
「は……はい、それでお願いします」
だが……この時に気付くべきだった……。何かおかしいと……。
「あれっ?」
有給休暇を使って、歯医者に行ってみると……駐輪場の自転車がいつもより少ない。
まぁ、平日の昼間だからだろうと、軽く考えていたら……。
歯医者の玄関のドアを良く見ると……。
「水曜・日曜・祝日はお休みさせてもらいます」
えっ?
まさか、俺一人の治療の為に、わざわざ、定休日なのに……?
俺以外に誰も居ない待合室……。
ふと……待合室に置いてある本を見ると……あれ? いつも有る手塚治虫の「ブラック・ジャック」が無い。
その代りに……な……何だ、こりゃ……。
「霊言」と称するインチキで有名な新興宗教団体の本だ……。
おい……どうなってる?
そう言や、あそこが作ってる宣伝映画のエンドロールには、出資者として、やたらと歯医者が名前が出て来ると云う話を聞いたが……まさか……。
「古川リョウさん……準備が出来ましたので入って下さい」
本名ではなく、小説投稿サイト「小説家を始めよう」で使っているペンネームで呼ばれた。
後にして思えば……逃げれば良かった。
この時が……最後のチャンスだったのだ……。
歯茎に麻酔を打たれた時、診察室に、例の宗教団体の教祖の写真が飾ってある事に気付いた。
あ……もう、全て遅い。
その時に、そう気付いた。
「『小説家を始めよう』の投稿されてる小説を読ませてもらいましたよ……」
「あ……どうも……」
俺は……既に……恐怖の虜になり………逃げ出すと云う発想さえ浮かばなくなっていた。
キュイイイイ~ン。
何て名前だったか知らないが……例の歯を削る機械の音……。
「ある人に……古川さんを推薦したいんですよ……。ええ……映画の脚本のリライトの仕事なんですけどね……。古川さんの作風に合った仕事だと思うんですよ。古川さんの名前は出せないけど……報酬はかなりの額になりますよ……。並のサラリーマンのボーナス2~3回分ですけど……どうします?」
口の中から、歯が削られる音。
「OKなら片手を上げて下さい……。そう……アメリカの大統領の就任の宣誓の時みたいな感じで……」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった
海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····?
友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
卒業パーティーのその後は
あんど もあ
ファンタジー
乙女ゲームの世界で、ヒロインのサンディに転生してくる人たちをいじめて幸せなエンディングへと導いてきた悪役令嬢のアルテミス。 だが、今回転生してきたサンディには匙を投げた。わがままで身勝手で享楽的、そんな人に私にいじめられる資格は無い。
そんなアルテミスだが、卒業パーティで断罪シーンがやってきて…。
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる