某国、我が国に向けて、ミサイルでもロケットでもないモノを発射

蓮實長治

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某国、我が国に向けて、ミサイルでもロケットでもないモノを発射

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「まだ、見付からないのか?」
「次に同盟国の監視衛星がL国上空を通過するのは……1時間後です」
「おい、それじゃ、向こうが通告した時刻を過ぎてるぞ」
 一部の発展途上国や軍事独裁国家を除く、ほぼ全世界から「ならずもの国家」扱いされているL国が、隣国のO国を含めた主要国に謎の通告をしてきたのは、昨日の事だった。
「二四時間後にミサイルでもロケットでもないモノを発射します」
 「ならずもの国家」であるL国は、国連決議により軍事用のミサイル(国外を攻撃可能な射程距離のもの)も軍事用・民生用を問わず宇宙ロケット(軍用ミサイルの開発に転用出来るので)の開発・所持を禁止されていた。
 しかし、L国は、その決議を遵守せずに、ミサイルやロケットの発射実験を度々行なってきた。
 O国の国民や政治家の多くは、自国への脅しと考えていたが、実際の所、L国の首脳部はO国の国民や政治家が思っているほどには、O国を重要な敵とも、逆に滅んでは困る相手とも思っていなかった。
 ミサイルやロケットの発射実験の目的は……宣伝だ。
 O国の国民や政治家の多くが、知らないか、知っていても重視……邪悪ではあっても格下だと思ってる国が、自国の事など眼中にない、などというのはO国の国民や政治家のプライドを傷付ける事なので……していないが、L国製の武器は、他の「ならずもの国家」に輸出されており、L国の経済において、この武器輸出は大きな比率を占めていた。
 自分を現実主義者だと盲信している気位が高いだけの馬鹿かつ不精者が多いO国の政治家や国民とは違って、O国の同盟国は、このL国の行動を危険視していた。
 O国が実用的なミサイルや……更には核弾頭を開発した暁には……他の「ならずもの国家」も、その武器を所持する。そして、武器を向けるのは、おそらくは自分達先進国だ。
「本当に、まだ見付からないのか?」
「はい、同盟国のAIの解析では……『既知のミサイル基地に動きなし。今まで見付かっていなかったミサイル基地も発見出来ず。移動式のミサイル砲台にも動きなし』だと……」
「どうなってるんだ、一体? まぁ、今更見付かっても……止める手段は無いだろうが……」
「はぁ……そもそも、昨日からL国では……ん?」
「どうした?」
「監視衛星の画像解析が巧くいっていない理由の1つから、昨日からL国で大規模な停電が起きている為なのですが……」
「停電?」
「なので、特に夜間は真っ暗になっていて画像の解析が……あ……これは……一体?」
「おい、何が有った?」
「そうか……既存のミサイル発射設備と外観が違うので、AIが見落していたのか……?」
「何だ、これは?」
「判りません。場所は……L国最大の水力発電所の付近です。L国の停電と今回の件が何か関係が有るかもと思って、駄目元で……」
「おいおい、かなりの大きさなのに、既存のミサイル発射設備と外観が違うからAIが見落してた、ってAIってのも発達してるようで案外阿呆……」
 次の瞬間、O国の首都に降り注いだのは、L国が新しく開発したから発射されただった。
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