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第2章:ETERNAL 0 or -1.0
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「こ……この男が誰か知ってるの?」
僕は、突如現われて僕達を助けてくれた謎の女にそう訊いた。
小柄だ……一五〇㎝台前半……でも妙に筋肉質。
迷彩模様のような柄の長ズボンの柔道着っぽい外見の服……そんな感じの服装だ。
セミロングの髪を首の辺りで一本に束ねてて……日本人っぽい顔立ち。
「何だ、全国ニュースにはなってなかったのか?」
「えっ?」
「お前、日本から転生したんだろ? 知らなかったのか、こいつを?」
「だから、誰だよ?」
「出身はどこだ?」
「何で、そんな事を?……一応、関東出身だけど……死んだ時は東北……」
「なるほど……こいつは、九州の大牟田って町のチンケなヤクザの組長の息子だ。私が高校の頃にニュースになったが、もう死刑になってたようだな」
「死刑?」
「保険金殺人か……何か、そんな被害の割に理由はしょ~もない殺人事件で五人か十人殺して、父親・母親・息子2人の一家全員に死刑判決が下ったヤクザの一家だ。あ、ヤクザってのは比喩じゃない。本当に広域暴力団の系列の……下の方だが、組長一家だ」
「危険人物じゃないかッ‼」
「そう、お前が思ってるよりも危険人物だ。……その一家の中でも、こいつは、元相撲取りだった」
「へっ?……そんな馬鹿馬鹿しい奴が……」
「居るから仕方ない。現実ってのは、結構、無茶苦茶だ。そして、それが……お前が、火事場の馬鹿力を出しても敵わなかった理由だ」
「どう言う事?」
「聞いた事ないか? 空手や柔道の無差別級の全国大会出場レベルでは……十両か下手したら幕下の力士にさえ敵わない。そして、こいつは、途中でドロップアウトしたとは言え、元力士だ。お前が火事場の馬鹿力を出した時の身体能力なんて、素の状態のこいつの身体能力より数段下だ。しかも、お前は武道・武術や格闘技の訓練を受けてなくて、体を効率的に使えないようだな。ますます不利だ」
「あ……あの……御二人は何を話していらっしゃるのですか?」
その時、聖女様の不安気な声。
「会話の内容を悟られないように、日本語で話してる理由を察したようだな」
えっ……。
あ……そう云う事って……待って、こいつ、これから……。
あの感覚……火事場の馬鹿力が出る寸前の……。
「助けてやった礼が欲しい。その女を渡せ。あ、チビの男の方は要らん」
「何の為にだッ⁉」
力は湧いてるのに……いつものような高揚感が無い。
何かが……おかしい。
この女は……今、気絶して床に倒れてる力士崩れより危険い奴だ……そう、僕の中の何かが告げている。
「私は……この世界に居る白人に見える者達の正体について、ある仮説を立てている。その為に、この世界の人間や……白人に見える者達の体を調べた。だが、私の仮説が正しいって確信は……9割って所だ。あと1割が足りない。どうやら、白人に見える者達の中でも純血種に近いらしい上に、しかも、めずらしい成体のメス……」
「待て……調べるって、どうやってだッ?」
「そりゃ決ってるだろ……解剖……」
サイコ女が全部言い終える前に、火事場の馬鹿力が発動。
僕は、聖女様とスナガを抱えダッシュ‼
あれ?
さっきの力士を倒した……苦痛をもたらす呪文が……来ない。
「な……何だよ、この世界の転生者は……僕以外は@#$%ばかりか? さっきの力士もサイコ女も」
「あ……あの……勇者様……あの女の方は……転生者ではありません」
「えっ? だって、どう考えても……僕と同じ世界の同じ国の出身にしか思えない話をしてたよ……。話してたのも、元の世界で僕が生まれ育った国の言葉……」
「この世界に出現する転生者は……男だけの筈なのです」
どうなってるの?
じゃあ、あの女は……?
「あの女の方は転移者です。異世界転生の仕組みを不正に使って、他の世界から、この世界に来た何者かです……目的は判りませんが……」
「どう……なってるの……?」
「それに、あの女の方が使った呪文は……この世界の魔法ではありません」
「そんな馬鹿な……じゃあ、あの呪文は……どこの世界の……?」
地下の下水道から外に出た時、僕は力尽き、膝をつく……。
頭の中は「?????」の嵐……。
そして……。
更に……無茶苦茶なモノを見付けてしまった……空に……。
理科の成績が、あんまり良くなかった僕でも知ってるモノが……。
7つの星が……柄杓かスプーンのような形に並んだ星座が……2つ。
北斗七星と小熊座だった。
だが……それで終りじゃなかった。
無数の灯りが、僕達を取り囲んでいた。
僕は、突如現われて僕達を助けてくれた謎の女にそう訊いた。
小柄だ……一五〇㎝台前半……でも妙に筋肉質。
迷彩模様のような柄の長ズボンの柔道着っぽい外見の服……そんな感じの服装だ。
セミロングの髪を首の辺りで一本に束ねてて……日本人っぽい顔立ち。
「何だ、全国ニュースにはなってなかったのか?」
「えっ?」
「お前、日本から転生したんだろ? 知らなかったのか、こいつを?」
「だから、誰だよ?」
「出身はどこだ?」
「何で、そんな事を?……一応、関東出身だけど……死んだ時は東北……」
「なるほど……こいつは、九州の大牟田って町のチンケなヤクザの組長の息子だ。私が高校の頃にニュースになったが、もう死刑になってたようだな」
「死刑?」
「保険金殺人か……何か、そんな被害の割に理由はしょ~もない殺人事件で五人か十人殺して、父親・母親・息子2人の一家全員に死刑判決が下ったヤクザの一家だ。あ、ヤクザってのは比喩じゃない。本当に広域暴力団の系列の……下の方だが、組長一家だ」
「危険人物じゃないかッ‼」
「そう、お前が思ってるよりも危険人物だ。……その一家の中でも、こいつは、元相撲取りだった」
「へっ?……そんな馬鹿馬鹿しい奴が……」
「居るから仕方ない。現実ってのは、結構、無茶苦茶だ。そして、それが……お前が、火事場の馬鹿力を出しても敵わなかった理由だ」
「どう言う事?」
「聞いた事ないか? 空手や柔道の無差別級の全国大会出場レベルでは……十両か下手したら幕下の力士にさえ敵わない。そして、こいつは、途中でドロップアウトしたとは言え、元力士だ。お前が火事場の馬鹿力を出した時の身体能力なんて、素の状態のこいつの身体能力より数段下だ。しかも、お前は武道・武術や格闘技の訓練を受けてなくて、体を効率的に使えないようだな。ますます不利だ」
「あ……あの……御二人は何を話していらっしゃるのですか?」
その時、聖女様の不安気な声。
「会話の内容を悟られないように、日本語で話してる理由を察したようだな」
えっ……。
あ……そう云う事って……待って、こいつ、これから……。
あの感覚……火事場の馬鹿力が出る寸前の……。
「助けてやった礼が欲しい。その女を渡せ。あ、チビの男の方は要らん」
「何の為にだッ⁉」
力は湧いてるのに……いつものような高揚感が無い。
何かが……おかしい。
この女は……今、気絶して床に倒れてる力士崩れより危険い奴だ……そう、僕の中の何かが告げている。
「私は……この世界に居る白人に見える者達の正体について、ある仮説を立てている。その為に、この世界の人間や……白人に見える者達の体を調べた。だが、私の仮説が正しいって確信は……9割って所だ。あと1割が足りない。どうやら、白人に見える者達の中でも純血種に近いらしい上に、しかも、めずらしい成体のメス……」
「待て……調べるって、どうやってだッ?」
「そりゃ決ってるだろ……解剖……」
サイコ女が全部言い終える前に、火事場の馬鹿力が発動。
僕は、聖女様とスナガを抱えダッシュ‼
あれ?
さっきの力士を倒した……苦痛をもたらす呪文が……来ない。
「な……何だよ、この世界の転生者は……僕以外は@#$%ばかりか? さっきの力士もサイコ女も」
「あ……あの……勇者様……あの女の方は……転生者ではありません」
「えっ? だって、どう考えても……僕と同じ世界の同じ国の出身にしか思えない話をしてたよ……。話してたのも、元の世界で僕が生まれ育った国の言葉……」
「この世界に出現する転生者は……男だけの筈なのです」
どうなってるの?
じゃあ、あの女は……?
「あの女の方は転移者です。異世界転生の仕組みを不正に使って、他の世界から、この世界に来た何者かです……目的は判りませんが……」
「どう……なってるの……?」
「それに、あの女の方が使った呪文は……この世界の魔法ではありません」
「そんな馬鹿な……じゃあ、あの呪文は……どこの世界の……?」
地下の下水道から外に出た時、僕は力尽き、膝をつく……。
頭の中は「?????」の嵐……。
そして……。
更に……無茶苦茶なモノを見付けてしまった……空に……。
理科の成績が、あんまり良くなかった僕でも知ってるモノが……。
7つの星が……柄杓かスプーンのような形に並んだ星座が……2つ。
北斗七星と小熊座だった。
だが……それで終りじゃなかった。
無数の灯りが、僕達を取り囲んでいた。
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