ポリコレ反転にも程が有る異世界に生れ変ってしてしまった……/第1部:幻世篇

蓮實長治

文字の大きさ
18 / 70
第2章:ETERNAL 0 or -1.0

(3)

しおりを挟む
「こ……この男が誰か知ってるの?」
 僕は、突如現われて僕達を助けてくれた謎の女にそう訊いた。
 小柄だ……一五〇㎝台前半……でも妙に筋肉質。
 迷彩模様のような柄の長ズボンの柔道着っぽい外見の服……そんな感じの服装だ。
 セミロングの髪を首の辺りで一本に束ねてて……日本人っぽい顔立ち。
「何だ、全国ニュースにはなってなかったのか?」
「えっ?」
「お前、日本から転生したんだろ? 知らなかったのか、こいつを?」
「だから、誰だよ?」
「出身はどこだ?」
「何で、そんな事を?……一応、関東出身だけど……死んだ時は東北……」
「なるほど……こいつは、九州の大牟田って町のチンケなヤクザの組長の息子だ。私が高校の頃にニュースになったが、もう死刑になってたようだな」
「死刑?」
「保険金殺人か……何か、そんな被害の割に理由はしょ~もない殺人事件で五人か十人殺して、父親・母親・息子2人の一家全員に死刑判決が下ったヤクザの一家だ。あ、ヤクザってのは比喩じゃない。本当に広域暴力団の系列の……下の方だが、組長一家だ」
「危険人物じゃないかッ‼」
「そう、お前が思ってるよりも危険人物だ。……その一家の中でも、こいつは、元相撲取りだった」
「へっ?……そんな馬鹿馬鹿しい奴が……」
「居るから仕方ない。現実ってのは、結構、無茶苦茶だ。そして、それが……お前が、火事場の馬鹿力を出しても敵わなかった理由だ」
「どう言う事?」
「聞いた事ないか? 空手や柔道の無差別級の全国大会出場レベルでは……十両か下手したら幕下の力士にさえ敵わない。そして、こいつは、途中でドロップアウトしたとは言え、元力士だ。鹿。しかも、お前は武道・武術や格闘技の訓練を受けてなくて、体を効率的に使えないようだな。ますます不利だ」
「あ……あの……御二人は何を話していらっしゃるのですか?」
 その時、聖女様の不安気な声。

 えっ……。
 あ……そう云う事って……待って、こいつ、これから……。
 あの感覚……火事場の馬鹿力が出る寸前の……。
「助けてやった礼が欲しい。。あ、チビの男の方は要らん」
「何の為にだッ⁉」
 力は湧いてるのに……いつものような高揚感が無い。
 何かが……おかしい。
 この女は……今、気絶して床に倒れてる力士崩れより危険ヤバい奴だ……そう、僕の中の何かが告げている。
「私は……この世界に居るについて、ある仮説を立てている。その為に、この世界の人間や……白人に見える者達の体を調べた。だが、私の仮説が正しいって確信は……9割って所だ。あと1割が足りない。どうやら、白人に見える者達の中でも純血種に近いらしい上に、しかも、めずらしい成体の……」
「待て……調べるって、どうやってだッ?」
「そりゃ決ってるだろ……解剖……」
 サイコ女が全部言い終える前に、火事場の馬鹿力が発動。
 僕は、聖女様とスナガを抱えダッシュ‼
 あれ?
 さっきの力士を倒した……苦痛をもたらす呪文が……来ない。
「な……何だよ、この世界の転生者は……僕以外は@#$%ばかりか? さっきの力士もサイコ女も」
「あ……あの……勇者ボルグ様……あの女の方は……転生者ではありません」
「えっ? だって、どう考えても……僕と同じ世界の同じ国の出身にしか思えない話をしてたよ……。話してたのも、元の世界で僕が生まれ育った国の言葉……」
「この世界に出現する転生者は……男だけの筈なのです」
 どうなってるの?
 じゃあ、あの女は……?
「あの女の方はです。異世界転生の仕組みを不正に使って、他の世界から、この世界に来た何者かです……目的は判りませんが……」
「どう……なってるの……?」
「それに、あの女の方が使った呪文は……
「そんな馬鹿な……じゃあ、あの呪文は……どこの世界の……?」
 地下の下水道から外に出た時、僕は力尽き、膝をつく……。
 頭の中は「?????」の嵐……。
 そして……。
 更に……無茶苦茶なモノを見付けてしまった……空に……。
 理科の成績が、あんまり良くなかった僕でも知ってるモノが……。
 7つの星が……柄杓かスプーンのような形に並んだ星座が……2つ。
 だった。
 だが……それで終りじゃなかった。
 無数の灯りが、僕達を取り囲んでいた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

処理中です...